新車値引き情報
更新日:2019.07.26 / 掲載日:2019.07.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

X氏史上最大のミステリー!? 土壇場で10万円が消えた! 捨てる神あれば拾う神あり!!

【プロローグ】 まずは「ある日の夫婦の会話」を紹介します。
X「ママが乗っているハスラー、4万kmを超えちゃったね。あと半年で車検切れだし、タイヤの溝もなくなってきたんで、この際、買い替えようよ」
妻「え~っ、またぁ?」
X「子供も大きくなってきたし、もう少し広いクルマがいいって、言ってたじゃん」
妻「まあ、そうだけど……今のハスラー、いくらくらいになるの?」
X「ハスラーは中古車市場で高値を付けてるんだよ。今なら110、いや120万円ってところじゃないかな」(話を盛っています)
妻「ほんとにい! それなら考えてもいいけど……」
 よし、まんまとそそのかしに成功(笑)。その場から月刊自家用車のWebサイトを開いて、大作戦に応募してしまう(爆笑)。
 1週間後、なんと採用打診のメールが届いた! これで買い替えが決定。松本さん、編集部の皆さん、ありがとうございます!
 狙うは売れ行き好調のルーミー/タンク。トヨタ全系列で扱っているし、兄弟車のトールとジャスティを加えれば、対象となる販社は数多い! つまり趣味の値引き交渉がたっぷり楽しめるというわけです。
 今回はなるべく支払い総額を下げたいので、基本的に付属品なしのスッピンでいきます。ナビやフロアマット、サイドバイザーなどはネットで調達する予定。ただし、現金値引きとは別に無料サービスにしてもらえるなら、もちろんいただきます(笑)。
 なお、ハスラー(2016年式)は買い取り専門店をいっぺんに集めてガレージオークション(松本さん直伝。このやり方で前回も高値で売却)を実施し、最高値を提示した店に売るつもりですが、新車ディーラーで高値が付いたら下取りに出します。
 
【4月25日(木)】 松本さんとの作戦会議の終了後、早速、スズキへ出向く。いきなり店長さんが応対してくれました。
 値引きはともかく、ハスラーはスズキ車なので高取りに期待していましたが、下取り査定額は83万2000円と思ったより低い。
店長「本気で考えていただけるならあと5万円上乗せできます」
 それでも88万円……目標には遠く及びません。スズキでこれじゃあ、やっぱりガレージオークションで売るしかないかも。
 スペーシアギアの値引きは7万1764円。ただし、店長さんの口ぶりではあと10万円くらいの上乗せがききそうです。
店長「ハスラーに付いているETCはサービスで移設しますよ」
 ETCの移設については最後の最後におねだりするつもりでしたが、先手を取られてしまいました。さすが、店長さんです。
 次はスバルのジャスティ。ここでも店長さんの登場です。
 ジャスティの値引きは7万円。下取りは85万8400円でした。
 続いてダイハツ。相手は20代後半のセールスさんです。
 トールの値引きは12万円、といっても、ナビ割引10万円を含んでの数字なので、車両本体からはたったの2万円引きということになります。値引きはまったく低調ですが、下取りは95万円。どうやら「値引きはあまり出せないけれど、下取りでカバーします」という売り方のようです。しかし、95万円でも納得できません。
 夜、松本さんに電話してアドバイスを求めると「やはりハスラーは納車が近づいた時点でガレージオークションにかけるのが得策だと思います。とくにトヨタのディーラーは軽自動車に高値を付けにくいので、100万円超はハードルが高すぎると思います」とのこと。今後は下取りなしで、値引き額の上乗せに狙いを絞って交渉することにします。
 
【4月27日(土)】 トヨタA店へ。提示してきたタンクGコージーエディションの値引きは10万円。
X「まだまだイケますよね」
セ「いや、お買い得な特別仕様車なので厳しいんです。あと2~3万円もいけるかどうか……」
 あれ? 想像以上に強気です。
 
【4月28日(日)】 子供たちを連れて近所のトヨタB店へ。私の乗っているC-HRは越境作戦を使って隣県のトヨタで購入しているため、メンテナンスはこのお店にお願いしています。相手は顔見知りの女性セールスさん。会うたびに「Xさん、クルマ、買ってください!」と売り込んできます(笑)。
X「妻は軽から軽に乗り換えを考えているようですが、『安くなるならコンパクトカーもアリ!』ってことになっています。ルーミーも有力候補ですよ」
セ「ありがとうございます!」
X(子供に向かって)「お前たち、ママのハスラーと、このクルマ、どっちがいい?」
息子たち(ルーミーを指して)「こっち! ぜったいこっち!」
X「だよな、ほら、お姉さんにお願いして」(笑)
息「よろしくおねがいします」
セ「あら、がんばりますよ♪」
 姑息ですか? 姑息ですね。
X「今回はスッピンでお願いします。付属品はいっさいなしです」
セ「え~、まったくなしですか」
X「相手は軽自動車ですよ。支払額に大きな差が出たら、妻は迷うことなく選択肢から消しますよ。付属品はネットで安く買います」
セ「う~ん……車両本体からだと5万円引きしかできません」
X「え~!」
セ「あっ、すみません。7万円引きにします」
 たった2万円かい!
 次はトヨタC店。提示してきたルーミーの値引きは9万5148円。やはりスッピン状態だと値引きが出しにくそうです。
 最後はトヨタD店。同年輩の落ち着いたセールスさんと商談。例のごとくスッピン見積もりをお願いすると快く応じてくれる。これまでの経緯を話すと、タンクの車両本体から14万3762円引きを提示。諸費用を含めた支払い総額は190万6000円と出る。おっ、トール四兄弟のなかでは一番安くなった。
 自宅に戻って、妻にこれまでの経過を伝える。妻の勤務先にルーミーに乗っている人がいるそうで、見せてもらったとのこと。
妻「実車を見たら、タンクよりルーミーのほうが好みね」
 今後はルーミー重視の交渉にシフトしていきましょう。

スッピンだと値引きが出ない!? 得意の越境作戦で活路を開け!

【5月1日(水)】 トヨタC店のセールスさんから電話が入る。
X「あれ? ゴールデンウィークはお休みじゃないんですか?」
セ「うちは明日まで営業です」
X「実は、ほかのトヨタでかなりいい条件が出ちゃって……」
セ「どんなですか?」
X「スッピンで14万円引き」
セ「店長に掛け合ってみます。明日、ぜひご来店を!」
 
【5月2日(木)】 令和フェアを開催中のトヨタC店へ。提示してきたルーミーの条件は14万4770円引きで、支払い総額は190万円ジャストでした。
 
【5月9日(木)】 妻の希望によって、狙いはルーミーに絞られてきました。ここで、得意の越境作戦を仕掛けることにします。
 隣県のトヨタE店へ。
セ「え~っ! 宮城はスッピンで190万円ですか! かなり頑張ってますね。店長に掛け合ってみますが……正直、ムリな気がします」
 待つこと暫し。
セ「すみません。ムリでした」
 残念、あえなく玉砕。
 次はトヨタF店。ここは私のC-HR(ウルトラCクラスの値引きでした)を買ったお店なので、期待しています。
 まずは担当のセールスさんにご挨拶。この人、いまでは副店長に出世していて、今回は担当を女性セールスさんにバトンタッチするとのことです。
副店長「今回もXさんの無理を通せるよう頑張ります!」
 おおっ、なんと頼もしいお言葉。いったんバックヤードに引っ込む。しばらくして商談再開。
副「正直、下取りナシ、付属品もナシで190万円を切ろうとすると、私たちの権限を超えてしまいます。で、今回は本部の許可をもらいました。支払い総額186万円にします。さらにサイドバイザーをサービスします」
 おおっ! 逆算すると値引きは20万円前後。これに2万円相当のサイドバイザーが付きます。
副「奥様と相談する必要があると思いますので、この場で契約してくださいとは言いませんが、なるべく早く返事をお願いしたいのですが……」
X「わかりました。19日の日曜日までには必ず決めます」
 
【5月11日(土)】 夕方、地元のトヨタC店が電話で売り込みをかけてきたので、トヨタE店の186万円+サイドバイザーを伝える。
 30分後、再びトヨタC店のセールスさんから電話です。
セ「サイドバイザーはなくてもいいですか?」
X「ネットの通販で、7000円くらいで買うつもりだったので、なくてもいいですよ」
セ「じゃ、ナシで決めていただけるのなら185万円にします」
 ここで、この店では「純正ナビ(定価約16万円)から10万円引き」というキャンペーンをやっていたのを思い出しました。6万円程度で純正ナビが付くなら買わない手はないでしょう
X「ということは、キャンペーンのナビを付けたら、支払い総額は191万円ですよね」
セ「そうなりますね。いや、ちょっと待ってください。消費税とかが入るので正確には191万6752円です」
 逆算すると、値引きの合計は30万円前後になります。やった! やりました! 契約を迫られましたが、とりあえず19日まで待ってもらうことにしました。
 
【5月12日(日)】 隣県のトヨタF店の女性セールスさんから電話が入る。そこで、トヨタC店のナビ付価格を伝えると、
セ「え~、宮城はそこまで出ましたか……上司に掛け合ってみますが、そこまでは厳しそうです」
 
【5月16日(木)】 トヨタF店から電話が入る。やはりナビ付きで191万6752円は難しいとのこと。C-HRのときは徹底抗戦に出てきましたが、今回は脱落。残念。
 
【5月18日(土)】 C-HRのメンテでお世話になっているトヨタB店へ。自宅から近いので、ひそかにここから買いたいと思っています。
 女性セールスさんにトヨタC店のナビ付価格を伝えると、なんどもバックヤードに引っ込み、上司と掛け合ってくれましたが、
セ「……ダメでした……」
 ちょっと涙目になっています。
 駐車場で別れ際、用意しておいたお花のアレンジメント(私は生花関連の仕事をしています)を手渡す。本当は“逆”成約プレゼントとしてあげたかったのですが、頑張ってくれたお礼です。涙ながらに「明日は(トヨタC店で)良いお買い物をしてきてください」と言われました。残念。

大事件!? 30万円引きが幻に……茫然自失……松本さん、助けて!

【5月19日(日)】 いよいよ今日はトヨタC店で最後の詰めです。現在のルーミーの支払い総額はナビ付きで191万6752円。今回は女性セールスさんだけでなく、先輩の男性セールスさんも同席しました。あれ? なんか空気がおかしい。二人とも表情が沈んでいる。まさか、ここから悪夢が始まるとは思ってもいませんでした。
X「今日は決めるつもりで判子を持ってきました」
先輩セ「Xさん、すみませんが、前回の条件は白紙に戻してください。車両本体から特別な値引きが出ている場合、キャンペーンのナビ10万円引きは適用されないことになっているんです。ルーミーの車両本体から20万円引きというのは特別中の特別なんです」
X「はいいいい? フェアのチラシにナビ10万円引きって書いてあるけど、どこにも『特別値引きの場合は適用しない』なんて但し書きは見当たりませんよ」
先輩セ「書いてないんですけど……すみません、そういう決まりなんです。いったん白紙に戻していただいて、車両本体だけの値引きでお願いしたいのですが……」 
 こっちの頭が白紙状態に……もうパニックです! 結局、支払い総額185万円の時点に戻ってしまったというわけです。
 実は昨日、松本さんに相談して「純正ナビ付でその価格なら、文句なしのウルトラCです。このまま契約してもいいと思います」との評価をもらっていたのだが、幻のウルトラCになってしまった。
 そうだ、こういうときは松本さんだ。いったん店を出て電話を入れます。呼び出し音が鳴る。出てください……出た!
 聞けば、鹿児島にて取材中とのこと。手短に経緯を伝えました。
松本「キャンペーンのナビ割やオプションプレゼントには『車両本体値引きを抑える』という役割があるので、こういうことが起きます。担当の女性セールスは経験が浅く、よくわかっていなかったのでしょう。だから、先輩が出てきたんです。そのディーラーとの交渉はやめたほうがいいかもしれません。おそらく上司から厳しく叱責されているので、上乗せは取りにくいと思います。あわてないで、他店で勝負しましょう」
 なるほど。これでなんとか落ち着けました。
 ともあれ、店に戻って商談を再開しましたが、セールスさんは「すみません」の一点張り。それでも粘りましたが、最終的に、
先輩セ「役員にも確認しましたが、今回は申しわけありませんということで、お願いします」
 松本さんの言う通りでした。
 トヨタC店を後にして、すぐに隣県のトヨタF店に電話を入れましたが、あいにく担当セールスさんは不在。そこでトヨタB店に電話を入れるも、こちらも不在。
 八方ふさがりです。さて、どうしたものか……と思っていたら、携帯が鳴りました。トヨタF店の女性セールスさんです。事情を話してアポを取り、すぐさま隣県のF店に向かいました。
 これからトヨタF店とトヨタB店をちびちびと競合させていくわけにもいかないので一発勝負するしかありません。
 移動中、今度はトヨタB店のセールスさんから折り返しが入る。うわっ! もうトヨタF店に到着します。こちらにも事情を話して「いまからトヨタF店と商談します。最終条件が出たら決める前に必ず電話します」と伝えました。
 トヨタF店に到着。
 例の女性セールスさんが迎えてくれました。正直にトヨタC店の事件を伝えると、
セ「ナビ付きで191万円というと、30万円引きになっちゃうんで、トヨタC店さん、凄い数字を出すなあと思っていたんですけど、やはり間違いでしたか……」
X「というわけで、トヨタC店は脱落です。虫のいい話ではありますが、こちらが提示する条件にOKを出してくれるなら、この場で決めたいと思います」
セ「わかりました」
X「それから地元のトヨタB店さんとの約束なんですが、最終条件の前に必ず電話をすることになっています。大丈夫ですか?」
セ「かまいません。で、ご希望の条件は?」
X「前回は支払い総額186万円+サイドバイザー(2万1200円)でしたね。こちらの希望は支払い総額183万円です」
セ「う~ん……183万円はどうやっても無理です。でも、付属品の無料サービスならなんとかなるかもしれません」
X「では、185万円+サイドバイザーにしてください。これにフロアマット(2万520円)とETCの無料サービスをお願いします。それからナビとドラレコを持ち込むので、取り付け工賃をサービスしてください」
セ「えっ、それ全部ですか……ともかく本部にお願いしてみます。OKなら決めてくれますか?」
X「ちょっと待ってください。約束の電話をさせてください」
 セールスさんがバックヤードに引っ込んでいる間に、トヨタB店に電話を入れて、こちらにも希望条件を伝えました。
セ「うちではとてもそこまで出せません。OKになったら気持ちよく決めてあげてください」
 しばらくしてセールスさんが戻ってきました
セ「お待たせしました、すべてOKが出ました!」
X「最後にガソリン満タンをお願いできますか?」
セ「わかりました!」
 これで終了。最終的な条件は車両本体から19万4446円引き、無料サービス4万1720円(フロアマット/サイドバイザー)で、合計23万6166円引き。支払い総額は185万円。さらに、さらに、持ち込みのナビとドラレコの取り付け、ETC車載機が無料サービスとなっています。

購入データ
From宮城県
TOYOTA  ルーミー
Gコージーエディション(4WD)
トータル値引き 23.6万円

値引き採点 5
車両本体から19万4446円引き+無料サービス2点・4万1720円で、値引き合計は23万6166円。これだけだと評価は「4」だが、ナビなどの取り付け工賃の無料サービスを含めて「5」とした。

提供元:月刊自家用車

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