スクープ
更新日:2019.08.27 / 掲載日:2019.06.27

スクープ! ホンダNSXタイプR開発中!の真偽!? 初代開発者の反骨スピリットが息づく!!

パイクスピーク国際ヒルクライム2019に参戦する特別仕立ての「タイムアタックNSX」。次期タイプRはこのイメージに近い!?

最近でこそ、ミニバンや軽自動車が稼ぎ頭のホンダだが、もとはスポーツカーで4輪メーカーになり、いち早くF1に挑戦するなど、スポーティな走りを売りにしてきたブランドだ。そんなホンダ車の中でも、最右翼に位置する特別な走りのグレードがタイプR。その多くはサーキット走行でもっとも真価が発揮できるようにチューニングされており、公道ではゴツゴツと固い乗り心地や遠慮なくキャビンに侵入する騒音など、快適性とは程遠いモデルも珍しくない。ところが、女性とのデートには向かないそんな味付けさえも、オーナーたちはタイプR乗りの称号と引き換えに喜んで受け入れるのだ。中古車市場でも人気が高く、希少なモデルでは10年以上前のクルマでも新車価格以上で取り引きされているほどだ。そんなマニアックでスパルタンなタイプRの歴史は、日本初のスーパーカーと呼ばれたミッドシップスポーツ、NSXに始まる。バブル景気真っ盛りの1990年に誕生した初代NSXは、従来、欧州のいわゆるスーパーカー群が数値性能だけを追求して快適性やドライバビリティを無視していたのに対して、「人を犠牲にしないスーパースポーツカー」というコンセプトで開発された。4輪に異なるスペックを与えた専用タイヤまで履かせてミッドシップスーパースポーツカーらしい運動性能を実現していたが、視界も乗用車並みなら、ステアリングやクラッチ、シフトなどの操作性も乗用車感覚で、免許取り立ての女性でも運転できた。乗り心地もセダンを思わせたし、もちろんエアコンも標準装備。空力性能を追求した副産物ながら、ゴルフバッグが積めるトランクルームまで備えていたのだ。ただし、当時はそうした画期的なコンセプトに対して、「こんなのはスポーツカーではない」というピント外れの評論も一部でなされた。快適性や実用性を否定するそんな外野の声に対して、そもそも操縦安定性の研究が専門だったチーフエンジニアの上原繁氏が「それならこんなのもできますよ」と1992年に作って見せたのが初代タイプRだった。もともと軽量なオールアルミボディから、遮音材や制振材まで削減。エアコンさえ取り払う徹底した軽量化で120kgも削っている。レカロの専用シートや専用アルミホイール、無垢のチタン材から削り出したシフトノブさえ、グラム単位の軽量化の一環だ。その一方でボディ剛性は向上させ、世界のサーキットを走り込んで足回りを入念にチューニングした。エンジンはピストンやコンロッドの重量バランスをひとつひとつ揃え、クランクシャフトのバランス精度も手仕事で修正するという、レーシングマシンと同じ手法で組み上げた。

2代目NSX

そうして生まれたタイプRは、快適性とは無縁だが、まさにドライバーと一体となった操縦性が堪能できる、真のスーパースポーツカーに仕上げられていたのだ。その後上原氏は、FFのインテグラでも同様の手法で走りを追求したタイプRを開発。さらにFRのS2000のチーフエンジニアも務め、ミッドシップとFF、FRという3種の駆動方式のスポーツカーを開発した、伝説のエンジニアとなった。その後もタイプRはホンダの走りの象徴として歴代のインテグラやアコード(ただし、アコードはサーキット志向ではなかったため国内ではユーロRの名で販売)、シビックにも設定。現在は欧州製のシビックに設定されて、ピュアな走りを愛するファンを喜ばせている。そんなタイプRが、元祖格である現行NSXに再び設定されるという。現在のところ、その可能性がある、という段階だが、NSXというクルマの成り立ちを考えれば、十分にリアリティはありそうだ。現行NSXは、主な市場である北米で開発され、生産も北米の工場で半ば手作りで行われている。その開発責任者を務めたのは、かつて初代NSXに感銘を受けてホンダに入社したというアメリカ人。現行型の開発に当たっては、すでに定年退職していた上原氏の元を訪ねて、そのスピリットを聞くところから始めたという。新型NSXは前後に3つのモーターを持つハイブリッド4WD車だが、エンジンは初代と同様リヤミッドに搭載され、スーパースポーツカーと呼ぶにふさわしい走りと、NSXの伝統である快適性を両立させている。お値段は2370万円(日本国内仕様)からと、初代発売当時と比べても3倍以上のプライスだ。しかし、それをポンと買える人にとっては、もっとピュアに走りを楽しめる、“大人のオモチャ”としてのスーパースポーツカーを求めるのはなんら不思議ではない。そのお手本が初代にあるとなれば、商品企画としては当然アリなのだ。その真偽は、2019年秋の東京モーターショーで明らかになるはずだ。

初代NSXタイプR

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ