免許更新を忘れた時の対処法とは？期間や失効した場合について解説

　ご存知の通り、運転免許証を取得後、誰にでも必ず3年もしくは5年に1度、運転免許証の更新手続が必要となります。居住する住所がきちんと登録されていれば、通常は居住する管轄の公安委員会より更新連絡書のはがきが更新年の誕生日の概ね1ヵ月前に郵便で送られてきます。

　しかしながら、引っ越しして住所変更をしていなかったために、免許証の更新日を失念していた、仕事で忙しくて有効期限までに更新できなかったと言うことも考えられます。有効期限までに更新できなかった場合は、失効手続を取る必要があります。

　ここでは運転免許の更新を忘れてしまった時の対処方法や有効期限に対する失効期間や手続について解説します。

・運転免許証失効(有効期限切れ)時の手続をされるかた – 埼玉県警察
・運転免許更新に関するQ&A-9 神奈川県交通安全協会
・ブルーでも5年？ 免許証の有効期間をおさらい | トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

免許更新をうっかり忘れてしまった

　現在、運転免許証の更新手続期間は更新年の誕生日の前後1ヵ月間となっています。誰もがこの2ヵ月の間に都道府県の指定警察署や免許更新センター、運転免許試験場へ行って更新手続を行う必要があります。

　また、更新手続は居住する管轄の施設でなくても、出張先や近隣の施設でも構いません。臨機応変に確実に更新手続をすることが大事ですが、別の都道府県公安委員会を経由する場合は、条件もありますので事前に該当するかどうか調べておきましょう。

・住所地以外の都道府県公安委員会を経由した更新の申請手続　警視庁

　しかしながら、万一有効期限内に更新手続ができなかった場合は、運転免許の効力が失われ「失効」扱いとなるので注意してください。故意でないにしろ、運転免許証の失効してしまうと、当然ながらその期間はクルマの運転はできません。道路交通法の無免許運転に該当するからです。

　万一、その間に何かの違反をして検挙されると無免許運転として重い処罰の対象となります。特に2013年の道路交通法の改正では、より罰則規定が強化され、人身事故を起こした場合、自動車運転死傷行為処罰法6条により、法定刑が加重されます。

　また、無免許運転で事故を起こした場合は任意保険が適用されないと考えてください。被害者救済の観点から被害者など相手がいる場合は、相手側への支払いはなされますが、原則保険に加入する被保険者であっても保険が適用されないのが一般的です。失効が分かった時点でなるべく早く手続するのはもちろんですが、絶対にクルマを運転してはいけません。

　失効後の申請手続は都道府県によって場所が異なります。事前にインターネット等で手続を受付している場所と曜日や時間を確認してください。なお一度免許を失効してしまってからの手続は更新・再交付ではなく、新たに免許を取得するための試験と位置づけられます。

・運転免許有効期限切れ申請－うっかり失効６か月以内の手続き
・神奈川県警察/運転免許証の有効期間を経過した場合（失効）の手続について

免許の有効期限は誕生日から1ヵ月以内なら間に合います！

　平成14年6月1日の道路交通法の改正により、それまで更新年の誕生日が免許証の有効期限であったものが、誕生日の1ヵ月後まで有効期限が延長されました。現在では誕生日をはさみ、前後1ヵ月の合わせて2ヵ月間で更新すれば良くなりました。

　このことにより、うっかり失効の件数も減り、以前にも増して仕事やプライベートを調整しやすくなったと言えるでしょう。つまり、誕生日を過ぎても焦ることなく、誕生日から1ヵ月以内に更新手続をすれば、失効することなく確実に更新が完了するのでご安心ください。

　ただし特例として、誕生日の1ヵ月後の日が土日・祝日、12月29日から翌年の1月3日に該当する場合は、その翌日が期限となります。エリアによっては日曜日も更新手続の受付をしているところもあるので、予めインターネット等で調べることおすすめします。

・道路交通法改正要点(H14)
・平成１３年道路交通法改正等の概要
・運転免許証の更新手続 – 埼玉県警察

期限を過ぎてから半年以内は再取得可能

　失効から免許を再取得するには、前述の通り各都道府県で設定された運転免許センターや運転試験場などへ出向き、新たに免許証を取得するために申請・手続を取る必要があります。本来の運転免許証の有効期限から半年以内（6ヵ月以内）に申請手続をする場合は、適性検査と写真撮影、講習の受講など、内容は通常の更新手続と変わりません。

　ただし、失効の理由がやむを得ない事情の場合は医療機関発行の診断や出入国が証明できるパスポートや在所証明の提出が必要となります。

再取得の際、ゴールド免許は引き継がれるのか？ブルーになってしまうのか？

　失効にも大きく分けて2通りあり、入院や海外出張など、やむを得ない事情で更新できなかった場合と仕事や私事を理由に更新ができなかったうっかり失効の場合が想定されます。やむを得ない事情の場合は、前述の通りその事情を証明するための書類が必要となります。

　ここで何故、うっかり失効の原因となった事情を分けるかと言うと、やむを得ない事情が証明できれば、免許を受けていた期間が継続していると見なされるからです。つまり、ゴールド免許の方はそのままゴールド免許が引き継がれますが、私事により失効してしまった場合は、属性が引き継がれずブルー免許となります。

半年以上を経過すると免許は失効します

　運転免許証の有効期限から、半年以上（6ヵ月以上）経過すると、免許証の効力はなくなり、完全に失効となるので注意してください。免許の効力を失うと改めて教習所や試験場等へ行って本免許を取得することになります。改めて免許証を再取得のための費用も時間もかかることを留意してください。

　また、失効の事情や期間によって免許証を再取得する手続が異なります。

失効して免許再取得する場合には免除があるのか？

　運転免許証の有効期限から6ヵ月以上経過した場合は、条件によっては免許証を再取得する際の免除（優遇措置）が受けられます。

うっかり失効（6ヵ月以上1年以内）

　適性検査の後、合格すると仮免許証が交付されます。仮免許試験の学科、技能試験が免除されます。（ただし、普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許）

うっかり失効（1年以上）

　試験の免除なし

やむを得ない失効（6ヵ月以上3年以内）

　やむを得ない理由が終わった日から起算して1ヵ月以内に、診断書やパスポート、在所証明など、やむを得ない事情を証明できる書類を添えて手続申請することにより、学科および技能試験が免除されます。通常の更新手続と基本的に内容は同じです。

やむを得ない失効（3年以上）

　試験の免除なし

・運転免許証失効(有効期限切れ)時の手続をされるかた – 埼玉県警察
・運転免許の有効期限切れ申請

まとめ

　やむを得ない事情を含め、有効期限内に免許更新手続を行わないと、後々面倒な手続が発生することはご理解いただけたかと思います。せっかく無事故・無違反でゴールド免許を所持していたにも関わらず、場合によっては通常のブルー免許になってしまうこともあります。

　それ以上に理由と期間によっては、仮免許の学科と実技は免除されるものの、改めて教習所に通ったり、運転免許センターや運転試験場に赴き、本免許を再取得するための試験を受ける必要があります。

　これらは時間と費用もかかり、金銭的にも精神的にも負担を伴うものです。ましては仕事でクルマを使う人にとっては死活問題にも発展しかねません。ついつい仕事が忙しく更新手続に行くのが後回しになってしまったり、面倒だからと言って先延ばしにしてしまうと、大事に至る可能性もあります。

　是非、3年、5年に1度の免許更新ですから、少し前から余裕をもって計画を立てるようにしましょう。また、住居を引っ越しした場合は、早めに住所変更手続をおすすめします。最悪、更新連絡書が届かず、それが原因で免許更新を忘れてしまうと後々大変なことになりかねません。

運転免許証更新忘れの状態で交通違反をするとどうなる？

運転免許証の有効期限が切れると無免許運転となり、その状態で検挙された場合、より重い処罰の対象となります。

運転免許更新の期間が過ぎ、有効期限が切れてしまいました。どうしたら再発行が受けられるのでしょうか？

運転免許証の期限が切れて6ヵ月以内であれば、通常の更新手続きと同様に申請すれば再取得が可能です。ただし、療養や海外滞在などの事情があった場合はその事情を証明するための書類が必要です。

免許更新期間が過ぎてしまった場合、免許センターなど更新場所まで運転して行ってもいいのでしょうか？

運転免許証の有効期限が切れると、無免許の状態となります。たとえ免許証の再取得のためであっても、無免許運転になりますので運転してはいけません。