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更新日:2019.03.26 / 掲載日:2019.03.26

過去最高値「20億円カー」も登場! ジュネーブモーターショー現地レポート

文と写真●工藤貴宏

 毎年3月にスイスのジュネーブで開催されるモーターショー「サロン・アンテルナショナル・ド・ロト」。日本では一般的に「ジュネーブモーターショー」と呼ばれているこの催しは、デトロイト、フランクフルト、パリ、東京と並び、世界5大モーターショーのひとつとして数えられているイベントだ。今年は3月7日から17日まで一般公開が行われた。

世界にたったの1台。ジュネーブショー史上最高額となるブガッティ最新作

ブガッティ ラ ヴォワチュール ノワール

 そんなジュネーブモーターショーが他のモーターショーとちょっと違うのは、スイスという場所が関係している。スイスといえばどんなイメージだろうか?大自然の美しい景色や酪農、チーズ、ハイジ……そんな牧歌的な一面もあるが、欧州の中でも治安がよく富裕層が多く住む国でもある(物価も驚くほど高い!)。そんな背景もあって、ハイエンドブランドやスーパーカーが多く出展されるのだ。
 たとえば今年は、比較的“手の届きやすい”ところでいうとフェラーリが「F8トリブート」をお披露目。458イタリアから488GTBと続いたV8モデルの後継で、エンジンはV8 3.9Lターボで720馬力だ。
 しかし、今年のジュネーブでもっとも注目を集めたスーパーカーはブガッティブースにあった。「ラ ヴォワチュール ノワール」と名付けられた究極のモデルの価格は、なんと日本円で約20億円! たとえ2億円と言われてもクルマの値段としては驚愕だけど、その10倍というのだからとんでもない高価格車。ちなみに20億円(1675万ユーロ)という金額はジュネーブモーターショー史上最高額なのだとか。
 「シロン」をベースにたった1台だけ作られたワンオフモデルで、エンジンは排気量8LのW型16気筒ターボ。最高出力は1500馬力を発生する。妙に低く構えたスタイルは不気味かつ息を呑むほど美しいけれど、金額を聞くとため息しかでてこない……のは気のせいではないだろう。

フェラーリ F8トリブート

プジョー e-208GT

 いっぽうで、近年は市販車のワールドプレミア(世界初公開)車両も増加中。たとえば隣国フランスのコンパクトカーとして、プジョーの人気モデル「208」と、欧州でゴルフについで販売台数の多いルノー「ルーテシア」の新型がお披露目され注目を集めていた。

ルノー ルーテシア

Renault press conference – Geneva Motor Show 2019

マツダが2019年市販予定のCX-30は「CX-3以上、CX-5未満」

マツダ CX-30

 そして日本人としてもっと興味深かったのは、マツダが市販前提で公開した新型のコンパクトクロスオーバーSUV「CX-30」だ。
 「マツダ3」をベースに設計されたこのSUVは、全長が4.4mで「CX-3以上、CX-5未満」のサイズ。当初は「CX-3の後継」と目されていたが、どうやら後継ではなく別のラインアップのようだ。CX-3でウィークポイントとされた後席や荷室の広さを改善しつつ、全長を短くし、機械式立体駐車場にも入庫可能な背の高さに抑えたパッケージングが特徴。日本では今年の秋から冬にかけて販売が始まるようだ。

2019 Geneva International Motor Show : Mazda Press Conference Mazda CX-30 /「マツダ CX-30」



Mazda CX-30 Unveil Film

これで完成度95%。ホンダのピュアEVはデザインがキュート

ホンダ HONDA e

 そしてもう1台、日本車の注目モデルが「HONDA e」。ホンダが初公開したこれはコンパクトなEV(電気自動車)で、あくまで「コンセプト」という位置づけながら「カメラ式ドアミラーも含めて95%は市販仕様と変わらない」とのこと。注目はまず、このシンプルでネオレトロなデザイン。今のホンダの市販車とは方向の違う、愛嬌のある雰囲気は実車を見てもかなり魅力的だった。
 新開発したEV専用プラットフォームはなんと後輪駆動で、その理由のひとつは「楽しい走りのため」というから期待大だ。「こだわりを持つ人に向けたEVの提案」とのことで価格は高くなりそうだが、欧州では年内に販売がはじまり、日本でも売られるというから楽しみ。

[TMS2017] Honda Urban EV Concept

スバル VIZIV ADRENALINE CONCEPT

 かつてのWRCの大活躍のイメージでカリスマ的人気を誇るスバルは、「VIZIV ADRENALINE CONCEPT(ヴィジブ・アドレナリン・コンセプト)」をワールドプレミア。あくまで次世代デザインを提案するためのコンセプトカーだが、次期「XV」に見えるのは気のせいだろうか?
 またスバルは「レヴォーグ」の欧州仕様として2L自然吸気エンジン車も初公開されたが、日本人としてはボンネットにエアインテークのないスタイルが斬新だった。

SUBARUデザイン「BOLDER」 プレゼンテーションムービー

スバル レヴォーグ(欧州仕様)

日産 IMQ

 そのほか日産は次期「ジューク」のデザインイメージとも噂されるコンパクトSUVのコンセプトカー「IMQ」を展示するとともに「eパワーの2年以内の欧州導入」を明言。三菱は次期アウトランダーを思わせる3列シートSUVのプラグインハイブリッドモデル「エンゲルベルグツアラー」を世界初公開。スーパーカー好きにとっても、日本車好きにとっても興味深いモーターショーだった。

  • 三菱 エンゲルベルグツアラー

三菱自動車プレスカンファレンス(記者発表会) / 2019年ジュネーブ国際モーターショー

  • パガーニ ゾンダC-12

  • MAT ニューストラトス

  • マクラーレン 600LTスパイダーMSO

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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