車のニュース[2019.03.14 UP]

メルセデス初のEVも展示。ライフスタイルの未来を示す「EQ House」が期間限定オープン

文と写真●ユニット・コンパス

 ただ、動力がエンジンからモーターに替わるだけではない。それは、私たちの暮らしが変わるかもしれないという予感を実感に近いものに変えてくれる展示だった。
 メルセデス初の電気自動車EQCが、東京六本木にあるMercedes me Tokyo内に特設展示された竹中工務店とのコラボ施設「EQ House(イーキューハウス)」でお披露目された。「EQ House」は、モビリティと住まい、それぞれの未来を具現化した体験型施設で2年間の期間限定で公開中。3月18日まではEQCも特別展示される。

2019年導入予定のEQC

 元々はメルセデスが中・長期戦略として掲げた「CASE(ケース)」という言葉は、いまや自動車産業全体のいく末を示すキーワードとして認識されている。「CASE」は、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転化)、Shared/Service(シェア、サービス)、Electric(電動化)の頭文字をとったものだが、これらが進むことで、これまでの自動車とユーザーとの関係性が大きく変わるだろうと言われている。
 メルセデスは、2022年までに10モデル以上の電気自動車を新ブランド「EQ」を通じて市場に投入すると発表しており、その最初の市販モデルとなる電気SUV「EQC」が、日本でも2019年に発売予定となっている。

CASEが具現化した近未来を想定して作られた建築物「EQ House」

六本木のMercedes me Tokyoに建築された「EQ House」

 竹中工務店との異業種コラボである「EQ House」は、CASEが具現化した近未来を想定して作られた建築物で、「CASE」が普及した未来のライフスタイルを表現したという。
 EQシリーズは電動化モデルあると同時に、「CASE」戦略をベースに開発されるモデルとなっている。メルセデスとしては、出力や航続距離といった性能面だけでなく、EQが社会に変化を与える新時代のモビリティであることをアピールするのがねらいというわけだ。

メルセデス・ベンツ日本株式会社代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏(左)と竹中工務店代表取締役執行役員副社長の大神正篤氏(右)

ファサードはスマートフォンで施錠、解錠が可能。人が近づくと調光フィルムが透明になる

ガラス扉に各種情報が投影され、ジェスチャーによる操作も可能

 では、未来のモビリティと建築は、どのような特徴があるのだろうか。「EQ House」は、その名前のとおり、住宅として作られた建築物で、人、モビリティ、環境、情報、ライフスタイルがシェアされ、つながる社会を想定している。IoTやAI、デジタル制御技術を活用することで、人々が感じる心地よさを家が学習し、成長するシステムを採用しているのが特徴だ。
 あえて「クルマ」ではなく「モビリティ」という言葉を使っていることにも意味がある。「CASE」が実現した社会では、クルマは必ずしも所有するものではなく、必要に応じて最適なクルマが提供されると予想。例えば少人数での移動ならばコンパクトカーが、レジャーに行くときにはSUVが、といった具合。そこで「EQ House」では、人が暮らすリビング空間と交差する形でモビリティのための通路を配置。その重なり合うところには、プライバシーやセキュリティを守るためのガラス扉が設置されているのだが、投影型スクリーンとしても機能させることで、シェアされるモビリティの情報が表示されるようになっている。そのガラスインターフェースには家にまつわる情報も表示され、「MBUX」のような音声やジェスチャーでの操作が可能となっている。

スマートウォッチを通じて快適さを評価することで、建物が学習し、快適な環境を提供する

会話の盛り上がりやトーンを感知して照明やフレグランスをコントロール

パネルは施工された調光フィルムを利用して光はコントロールされる

 折り紙の切り絵を思わせる建築物のパネルは、365日の日照パターンからAI技術によって導き出されたデザインで、まるで木漏れ日のような優しい光を屋内に導いてくれる。実際に中を見学すると、想像以上の明るさ。音声操作によって照明の明るさを調整した際にも、いかにもライトといったわざとらしい明るさではなく、部屋全体の明るいさが変化するのが印象的だった。
 注目の電気自動車EQCについては、今回は実車のお披露目だけ。主役は「EQ House」ということで価格やスペックなどの新しい情報は公開されなかった。そこは今後に期待。
 人と家、モビリティが重なり、つながることで生まれる新しいライフスタイル。そのインスタレーションとして「EQ House」はユニークで面白い試み。期間中は説明員によるツアーに参加できるほか、Mercedes me Tokyoで「EQ POWER」(プラグインハイブリッド)の展示車、試乗車も用意されているので、電動化がもたらす未来を体験してみてはいかがだろうか。



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