車種別・最新情報
更新日:2019.01.09 / 掲載日:2019.01.09

TOYOTAカローラスポーツ:乗り替え比較&ヒストリー図鑑

発表年月:2018年6月/最新改良:未実施 ●価格:210万6000~268万9200円

ハッチバック系は独自に発展中

 カローラのセダン系は、初代が登場してから52年経ったが、2BOX車に限定するとFF化された5代目に追加されたカローラFXが初代となる。その後、ハッチバック系はセダン/ワゴン系とは別系統として展開され、FXからランクス/アレックスと車名を変更し、アレックス後継のオーリスでは、カローラ/スプリンターの名を冠していない。オーリスとして2代を経て、現行モデルでカローラ スポーツとして復活している。FX時代からスポーティ&カジュアルなキャラを特徴としていたが、オーリス以後は上級志向を強めている。現行のカローラ スポーツはスポーティを付加価値とする、本来の立ち位置に戻っている。

偉大なるベストセラーの末裔は プレミアム&スポーツ志向を強化中

  • 実用的な2BOX車らしく、キャビン空間は実用的かつ余裕も十分。フロント/リヤ共に大人が十分に寛げる空間を持つ。パッケージングの妙もカローラ スポーツの美点だ。

  • インパネ周りの仕立てが向上したほか、装備もクラストップレベルの充実ぶり。最上位のG“Z”グレードは、専用加飾&本革+スエードシートなど、上級モデル顔負けだ。

  • カローラ スポーツに用意されるのは、1.2L直4ターボのガソリン車と、1.8L直4+モーターのハイブリッド車。いずれも動力性能と燃費性能のバランスの良さで評判のユニットだ。

 現行アクシオ/フィールダーと比較すると、正に「隔世の感あり」という感じである。居住性や積載性などのスペース効率やユーティリティで見るべき部分はないのだが、走りの質感や安全&運転支援機能が大幅に進化している。

 走りの質感ではフットワークが注目点。路面の細かな凹凸の吸収や揺れ返しの抑制が利いている。深いストロークをゆったり使うので穏やかで安定している。高級というよりも肌触りにも喩えられるような質感だ。ハンドリングでは急減速からの転回や高速コーナリングでも安定した後輪の接地で操舵に素直なライントレース性を維持。AVS装着のスポーティ仕様でも切れ味は程々だが、不安感を誘うような挙動がない。

 動力性能はターボ、ハイブリッドともにコンパクトクラスでは付加価値設定であり、当然山岳路も高速も余裕がある。扱いやすさとゆとりが柔軟なドライバビリティに繋がり、街乗りからロングドライブまで苦手なし。

 そこにクラウンと同等の機能の最新トヨタ・セーフティセンスである。特にACCとLTAは制御精度や作動状況の幅広さなどから実用性が高く、高速長距離走行適性の向上に役立っている。 価格以上の内容を備えているものの、最廉価仕様でも210万円を超えるのが泣き所である。

歴代ミニアルバム

  • 初代は1966年に登場。1.1L直4OHVエンジンやフロア4速MT、独立懸架式マクファーソンストラットなど、新技術を惜しみなく投入。

    初代:1966 買取相場:不明

  • 1.4/1.6Lエンジンやツインキャブ仕様の追加など、高速走行を意識した改良が見所。レビンが派生したのも、この時代から。

    2代目:1970 買取相場:不明

  • 騒音振動やエアコン類の装着など、走行時の快適性向上を狙った改良が見所。年々厳しくなる環境基準との戦いも有名なエピソード。

    3代目:1974 買取相場:不明

  • 新開発1.5Lエンジンの投入やフロントブレーキのディスク化、リヤサスのコイル化など、メカ関係の近代化が大きく進んだ世代だ。

    4代目:1979 買取相場:不明

  • レビン系などを除き、前輪駆動に一新。前後サスも四輪独立懸架に変更された。1984年にはハッチバック車のFXが派生した。

    5代目:1983 買取相場:不明

  • スタイリングは5代目路線を踏襲したが、内外装の質感・装備が大きく向上。上級グレードにはパワーウインドウなども装着。

    6代目:1987 買取相場:不明

  • バブル時代に設計開発され、上級車顔負けのクルマ造り技術が注がれた。歴代屈指の贅沢さを持つ、全盛期を代表するカローラだ。

    7代目:1991 買取相場:不明

  • 贅沢になりすぎた7代目の反動もあり、コストを意識した実用車らしいキャラに変更。歴代オーナーからはチープすぎる、という苦言も。

    8代目:1995 買取相場:不明

  • 従来のカローラ像とは一線を画す流麗なスタイリングで話題。GT系やレビン系が廃止されるなど、車種体系の見直しも行われた。

    9代目:2000 買取相場:不明

  • セダンモデルには、品質を表す意味を持つ「アクシオ」のサブネームが与えられた。エンジンも1.8Lクラスが主力になった。

    10代目:2006 買取相場:10万円~

  • 販売台数ナンバー1奪還(2007年が最後)の使命を帯び登場。大きくなりすぎたという反省から、ダウンサイジングが図られた。

    11代目:2012 買取相場:30万円~

  • 12代目カローラ(セダン)は、来年日本に導入予定。先駆けて中国でその姿が披露されている。ハイブリッド車がメインになる模様だ。

    12代目:2018 2018秋、中国のショーで次期カローラをお披露目

  • 2BOXの初代FXはセダンに比べると一回りコンパクトなサイズ。1.5&1.6Lエンジンを採用するなど、実用とスポーティの両立が見所。

    カローラFX 初代:1984 買取相場:不明

  • 新開発1.5Lエンジンが投入されるなど、走行性能の向上が図られた海外でも人気を博し、海外では2000年代半ばまで生産され続けた。

    カローラFX 2代目:1987 買取相場:不明

  • セダン系の1年遅れでフルモデルチェンジを実施。Cピラー部を大きく寝かせる形状など、“スポーツ”をより前面に押し出してきた。

    カローラFX 3代目:1992 買取相場:不明

  • サブネームを“ランクス”に変更。従来に比べて内装質感が向上するなど、欧州市場を意識したキャラを強化。姉妹車はアレックス。

    カローラランクス:2001 買取相場:不明

比較検討「プリウス&C-HRと兄弟車でNo.1は?」

  • 【カローラスポーツ】3モデルを比べると、キャビン容量に差はない。違いは空間感覚。

  • カローラスポーツは、視界も含めたバランスの良さが光る。

  • 【プリウス】セダンボディゆえにパッケージ面は一番余裕がある。

  • また上級グレードに大型モニターが設定されるなど、装備面はやや優位だ。

  • 【C-HR】フロント側はほぼ同等で、インパネやシートの質感なども差はないが、リヤ側は明らかに手狭。

  • 後席を多用するユーザーは注意が必要。

結論「内容で勝負ならカローラ」

車両開発は後出しが俄然有利 キャラは薄めだが完成度は一枚上

 TNGA-Cプラットフォームから開発されたモデルは、他にプリウスとC-HRがあり、さらにC-HRはパワートレーンも共通。つまり、この3車はハードウェア面で姉妹車の関係にある。同じハードを用いても、後から開発されたほうが改良が進むのが一般的。実際に乗ってもカローラ スポーツが最も洗練された印象。安全&運転支援装備も一世代新しい。実用性のバランスもいい。ただ、キャラが薄い。スペシャリティな嗜好を求めると魅力薄である。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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