徹底分析中古車相場
更新日:2018.12.27 / 掲載日:2018.12.27
【トヨタ プリウス】現行型の中古車相場は? マイナーチェンジで相場はどうなるか

先日、トヨタ プリウスが大規模なマイナーチェンジを受けた。デビュー時に賛否両論だったデザインは改められ、少し落ち着いたルックスになったことが大きなトピックだ。また、カローラスポーツやクラウンに導入されたコネクテッドサービスがプリウスにも早速採用されている。そこで今回は、現行型プリウスがテーマ。プリウスは登場してから今年(2018年12月)で3年が経つが、その人気ぶりゆえ中古車相場が下がりにくい傾向にあった。現段階での年式別、グレード別の中古車平均価格を見ながら、買いか否かをジャッジしたい。また今後の相場動向の行方にも触れていこうと思う。
トヨタ プリウスってどんなクルマ?
1997年12月、量産車としては初のハイブリッドカー、プリウスが誕生。モーターを動力に使うシステムは、今ではありふれたものだが、当時は、これぞ未来のクルマというイメージだった。THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)と呼ばれるエンジンとモーターを組み合わせたパワートレーンを採用し、発進時や低速走行時にモーターアシストを行うことで、10・15モード燃費で28.0km/Lという低燃費を実現。当時、同クラスのセダンであるカローラの燃費がおよそ12km/L~18km/Lであることを考えれば、プリウスがいかに飛び抜けた燃費性能を誇っていたのか理解しやすい。
2003年9月には2代目、2009年5月には3代目が登場し、世代交代のたびにTHSを進化させて燃費性能を高めてきた。そして今回紹介する4代目が2015年12月に発売。プリウスは初代から個性あるデザインが与えられてきたが、現行型は従来にも増して個性的なフォルムに注目が集まった。また、TNGAと呼ばれる新世代プラットフォームを採用したことで走りの質感は格段に進化。先代プリウスでも走行フィールはなかなかだったが、4代目は欧州車のような重厚な走りを獲得している。またプリウスの肝である燃費(JC08モード)は、先代の32.6km/Lから、40.8km/Lと大幅に向上(Eグレード)。ハイブリッドカーとして世界トップクラスの燃費性能を実現した。
トヨタ プリウスの世代別中古車相場は?

現行型プリウスは、特別仕様車の設定や小規模な改良を除けば、冒頭で述べた2018年12月のマイナーチェンジが初。つまり、デビュー以降大掛かりな改良は行われていないから、現在流通する中古車は年式ごとの違いはそれほど大きくない。
年式 | 中古車平均価格 |
2015年式 | 204万円 |
2016年式 | 214万円 |
2017年式 | 227万円 |
2018年式 | 235万円 |
2015年式~2016年式を中心に探そう
発売からちょうど丸3年が経過したこのタイミングは、プリウスの中古車市場が活発に動いている時期だ。車検のタイミングで手放す人もいるから、物件はさらに増加中。もっともボリュームがあるのは2016年式で、全体の6割ほどを占めている。買いやすいのはこの2016 年式なのだが、相場が低めな2015年式にも注目しておこう。なお2015年式は車検が切れているものが多いが、車検整備付きの物件をうまく探せば、結果的に安く買えるケースもある。
次に、走行距離に注目してみよう。プリウスは実用車ゆえ、登場からわずか3年にも関わらず、多走行な物件も少なくない。なかには10万kmを超える個体も存在するから驚きだ。このような多走行車両は価格は安いが、リセール時に影響する可能性があるため、乗り潰すつもりじゃなければ避けたいところ。2015年式~2016年式で探すなら、3万km前後でコミコミ200万円というのが、大体の目安である。
トヨタ プリウスのグレード別中古車相場は?

プリウスは、下から「E」、「S」、「A」、「Aプレミアム」という基本の4グレードで構成されており、「E」を除くグレードには17インチタイヤの「ツーリングセレクション」が選べる。「E」はLEDフォグランプ、インナーミラー、室内の一部収納スペースなどが省かれ、シートもシンプルなファブリックとなる代わりに、JC08モード燃費はプリウスではもっとも優れた40.8km/L(マイナーチェンジ後は39.0km/L)を実現する。それよりも上位のグレードは、基本的に内装の違いが主で、「A」では合成皮革シート、「Aプレミアム」では本革シートが与えられる。また、現行型プリウスでは「E」を除く全車に4WDが設定されたこともトピックだ。積雪地方のニーズにしっかりと応えているのは嬉しい。それを踏まえ、グレード別の中古車平均価格をチェックしてみたい。
予算に応じて幅広い物件から探せる「S」がオススメ
もっとも燃費に優れた「E」は、相場も低めで一見すると魅力的に見えるが、物件は極めて少なく、探すのは困難。基本的な装備が揃った中間グレード「S」は全体の7割以上を占めているから探しやすい。物件のボリュームが大きいということは、限られた予算でベストの1台が見つかりやすいことを意味する。ちなみに17インチタイヤの「ツーリングセレクション」は4割弱と、やや少ない。それでも全体的に物件は豊富だから、ボディカラー、オプション装備の有無など、選択の自由度は広いと言えよう。また、せっかく購入するのだから、シートが合成皮革の「A」や本革の「Aプレミアム」を狙いたいという人もいるはず。「S」ほどではないが、これらの上級グレードも200万円前後の物件が数多く流通しているから、じっくり探して希望の1台を見つけよう。
トヨタ プリウス中古車相場のまとめ

現行型プリウスを購入する上で気になるのは、今後の相場の動き。先日のマイナーチェンジは、中古車市場にどれほど影響を与えるのだろうか。過去のプリウスの傾向から推測すると、大幅な相場ダウンは期待できない。先代プリウスもマイナーチェンジによる中古車相場の下落は最小限に留まり、新型が登場するまでそれなりの価格をキープしていた。今回のマイナーチェンジでは、コネクテッドサービスの導入や安全装備の強化など正常進化をしたものの、燃費に関わるメカニズムの改良がないことから、今後も相場は緩やかな右肩下がりに落ち着きそうだ。つまり、プリウスはこれからも高値安定が続き、中古車としてお買い得とは言い難いかもしれない。
一方コストパフォーマンスを重視するなら、先代プリウスを探すという手もある。こちらは新型登場後、市場に大量の中古車が流出し、短期間で相場が大きく下落した。現在の中古車平均価格は105万円と、現行型のおよそ半額。中古車物件は極めて豊富で、5年落ち&3万km未満という条件で絞っても100万円台前半、7年落ち&5万km未満だと70万円程度の低予算でも探せる。今回は現行型をメインに紹介したが、先代も依然魅力的な選択肢なのだ。クルマとしての走りの進化に重きを置くなら現行型、予算重視なら先代を選ぶのがよいだろう。