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更新日:2018.10.19 / 掲載日:2018.08.31

トヨタカムリにスポーティーな新グレード「WS」が登場!

文と写真●ユニット・コンパス

 きたきた!やっときた! トヨタ カムリに追加された新グレード「WS」を見て、快哉を叫んだ方も少なくないだろう。

 2017年にフルモデルチェンジしたトヨタカムリは、スタイリッシュなデザインが人気を呼び、人気が低迷していると言われていたセダンカテゴリーに新風を吹き込んだ意欲作。世界100カ国以上の地域にグローバル展開される世界戦略車種であり、とくにメインマーケットとなる北米では、年間30万台以上を販売する超人気モデルだ。
 そんなベストセラーゆえに、北米向けの新型カムリには、当初からラグジュアリーテイストとスポーティテイストなもの、2パターンのデザインが用意されており、2017年1月のデトロイトショーで世界に向け華々しく披露された。その模様は日本でも紹介され、生まれ変わった新型カムリを強く印象づけた。
 ところが、いざ日本市場に新型カムリが導入されてみると、デザインのバリエーションはなく1種類のみの展開だった。もちろん、それでも従来に比べれば十分にスポーティかつスタイリッシュな印象で、日本での評判もよかったのだが、デトロイトショーの発表を見てワクワクしたユーザーとしては、若干の肩透かしだったことは否めない。
 もちろんそれには理由があった。
 当時の日本市場におけるセダンといえば、販売台数ではSUVミニバンに大きく水を開けられており、高級車セグメントにおいても輸入車にユーザーを奪われるという悔しい状況だった。トヨタにとって新型カムリは、フルTNGAを採用した自信作ではあるが、日本市場においてはまずはラグジュアリーテイストのデザイン1本に集中して勝負しようとなったわけだ。先代カムリの販売台数は、モデル末期においては月間わずか100台レベルだったというから、バリエーション展開に及び腰になってしまうのも理解できる話ではある。

北米仕様ではすでに登場していたスポーティフェイスが日本上陸

 しかしご存知のとおり、新型カムリは想像以上のヒット作になった。従来のユーザーだけでなく、クルマ選びに一家言あるタイプのお客さんまで、「新しいカムリは気になって、ちょっと乗ってみたい」と自ら販売店に足を運んでくれるようになったという。
 そんな追い風を受けて、日本への導入を見送っていたスポーティグレードの企画に改めてGoサインが送られた。フルモデルチェンジから1年というこのタイミングで新グレード「WS」が追加されたことにはこのような事情があったわけだ。

 そんな「WS」の特徴はもちろん、スポーティさを強調したスタイリングにある。
とくに「ICONIC CATAMARAN(アイコニック・カタマラン)」と名付けられたフロントフェイスは、大胆な開口部がワイド感と低重心を演出。カタマランとは「双胴船」のことで、正面からの姿には、なるほど水上を駆けるパワフルなボートのような立体感がある。

 リヤにもバンパーにダクト風のディテールが追加されており、より彫刻的な表現で、デュアル出しのマフラーエンドと合わせてベースグレードとの差別化が図られている。
 パワートレーンこそ2.5Lと従来と同様だが、ほかにも、ブラック塗装の18インチアルミホイール、専用シート、パドルシフト、専用のインパネオーナメントを採用するなど「WS」には細かな違いがある。
 そして、ボディカラーにも「WS」専用色であるアティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカメタリックを含めた3種類のツートンカラーも新たに採用。このツートンカラー化によってキャビン上部はブラックアウトされ、視覚的な低重心化がもたらされるという。とくにCピラー部分はキャラクターラインで塗り分けられており、なかなかスタイリッシュな仕上がりだ。

 プロジェクトをまとめあげたチーフエンジニアの勝又正人氏は、「ベースモデルに対する市場のリアクションがよかったことで、『WS』の企画をスピード感を持って実現させることができた。従来モデルも多くのユーザーから好評をいただいていたが、『WS』の受注ではさらに幅広い年齢層からも支持を集めており、なかには、20代、30代という若いユーザーもいる。この結果には正直に驚いている」とコメントした。

日本仕様のサスペンションは走りと乗り心地を両立させたスペシャル版

 もうひとつ、「WS」には注目すべきポイントがある。これは北米市場向け仕様にもない日本ユーザーのためのプレゼントだという。それは、サスペンションシステムの改良による「欧州車の走りと日本車の乗り心地」の両立だ。
 部品が同じだとすれば、乗り心地と操縦安定性はトレードオフの関係にあるため、どこかに着地点を設定することになる。だが、「WS」ではダンパーに専用パーツを設定。このダンパーには、動き出しはしなやかだが、横方向の力が加わると足がふんばるという特性があるため、ハンドル操作に対する動きの正確性と乗り心地のしなやかさが両立できたという。
 すでに同じ仕組みのダンパーを採用するカローラスポーツを試乗した経験からいうと、このダンパーの採用は効果的。すなわち、「WS」の走りにも大いに期待が持てる。

JBLプレミアムサウンドシステムを搭載したデモカー

 このように魅力的な新グレードの「WS」ではあるが、その他のグレードについてもこのタイミングで一部改良が施された。オート電動格納式ドアミラー、インテリジェントクリアランスソナーが標準装備になり、ナビ・オーディオに9スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステムが新規設定された。
 今回の取材会ではこのJBLプレミアムサウンドシステムを視聴する機会も用意されていた。このシステムは、スピーカーユニットの設計・製造に長けるJBLが、カムリのためにスピーカーとアンプの開発を実施。とくにJBLの象徴たるホーン部(Aピラーに設置)については車室空間に合わせてJBLが湾曲部を専用設計したという。また、音響チューニングについても専門のエンジニアが千時間以上もの時間をかけて人間の感性に沿ったものとしたという。
 停車した車内でのわずかな視聴ではあったが、エネルギッシュな低音と華やかな中高音域による躍動感のあるサウンドが確認できた。ナビ標準の6スピーカーシステムからの割増は7万8840円。開放的で鮮やかな音色は「WS」の世界観ともマッチしていてなかなかに素敵だ。

【トヨタ カムリ WS(CVT)】

全長         4910mm
全幅         1840mm
全高         1445mm
ホイールベース    2825mm
重量         1600kg
エンジン       直列4気筒DOHC+モーター
総排気量       2487cc
エンジン最高出力   178ps/5700rpm
エンジン最大トルク   22.5kgm/3600-5200rpm
モーター最高出力   120ps
モーター最大トルク  20.6kgm
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前/後    Vディスク/ディスク
タイヤ前後      235/45R18

販売価格       367万2000円~434万1600円(WSのみ)

トヨタ 新型カムリのカタログ情報はこちら

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グーネットマガジン編集部

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