輸入車[2018.08.02 UP]

過去最大級の改良を行ったメルセデス・ベンツ Cクラス。電動化と自動運転化も加速

Cクラス セダン

文と写真●ユニット・コンパス

 「過去最大級の規模で改良を行った」とメルセデスが胸を張るCクラスのマイナーチェンジモデル。全コンポーネントの約半数におよぶ、6500点ものパーツに改良を施したという改良モデルの注目ポイントを紹介する。
 キーワードは、「インテリジェントドライブ」、「48V電気システム」そして「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」だ。

進化し続けることで、伝統は未来へと受け継がれる

歌舞伎俳優の尾上右近さんによる舞踊「石橋(しゃっきょう)」

 メルセデス・ベンツ日本が2018年7月25日に発表した新型Cクラス。新橋演舞場で行われた発表会では、歌舞伎俳優の尾上右近さんによる舞踊「石橋(しゃっきょう)」を披露。気鋭の若手俳優による熱の入った舞がいままさにフィナーレを迎えようとしたその時に、ステージ中央の盆が回転し新型Cクラスが登場。この粋な演出に、集まったプレスや招待を受けた歌舞伎ファンは万雷の拍手でもってこれを称えた。メルセデスと歌舞伎という取り合わせは一見すると奇異に映るが、「伝統と革新」をテーマにしたという説明を受けて膝を叩いた。今年参列した数多くの発表会において、このCクラスの登場は間違いなくベスト演出賞ものだろう。収録した動画を公開するので、ぜひ時間のある際にご覧になっていただきたい。



すべてのモデルバリエーションが一挙マイナーチェンジ

勢揃いしたバリエーションモデルの前に立つメルセデス・ベンツ日本代表取締役の上野金太郎氏

 マイナーチェンジといえば、モデルライフ中盤に行われる商品力強化のための改良で、ルックスに新鮮味を持たせ、装備を充実させるというのが一般的な内容。ところが、新型Cクラスのそれは、もっと意欲的だ。パワートレーンの進化により電動化が進み、安全や快適に関わる性能も格上のEクラスを飛び越し、Sクラスに匹敵するものとしただとメルセデスは謳う。もちろんルックスも磨き上げられている。
 メルセデス・ベンツ日本によれば、日本における現行型Cクラスの販売台数はセダンステーションワゴンを合わせて累計6万9000台に達したという。これは全メルセデス車の約1/4を占める計算となるわけで、それだけに力が入るということなのだろう。
 今回の改良では、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレと全モデルを一挙に刷新。デザインはよりダイナミックに、走りのテイストも歴代ではもっともスポーティなテイストになったとメルセデス・ベンツ日本代表取締役の上野金太郎氏は説明した。

 新型を見分けるのは簡単だ。ヘッドライト内部に上下4列のリフレクターが並ぶ「LEDハイパフォーマンスヘッドライト」やSクラスやEクラスと同じ片側84個のLEDを使う「マルチビームLEDヘッドライト」が採用されたことで、顔つきが先進的なイメージになった。
 さらにインテリアについても、ステアリングホイールがSクラスと同じ形状となり、ダッシュ中央の「ワイドディスプレイ」が10.25インチに拡大。メーターパネルにも12.3インチのデジタル液晶を使った「コックピットディスプレイ」が用意されるようになった。

より自動運転に近い内容となった「インテリジェントドライブ」

Cクラス ステーションワゴン

 では、改めて新型の見所について掘り下げて紹介しよう。

 「インテリジェントドライブ」は、自動運転につながる先進機能。とくに高速道路での渋滞のようなノロノロ運転で効果を発揮するシステムで、先行車との車間距離を維持しながら、同一車線をキープする。  新型では、カメラとレーダーシステムを改良。カメラによる前方視認距離は最大500m、立体として認識できる距離は90mに到達。レーダーセンサーの検知距離は、前方が250m、側方40m、後方で80mとなった。これにより、車両や車線だけでなくガードレールなどの車両と平行に存在する物体をつねに検知し続けることでステアリングアシストの範囲を広め、対応できる状況が広まったという。車線が認識できないような状況でも先行車に追従するようになったもの進化した部分だ。
 また、Sクラスに採用されていた「アクティブレーンチェンジングアシスト」も加わった。これは、ドライバーがウインカーを操作すると車両が周辺の状況を判断し、車線変更を自動で行うという便利機能。もちろん、ドライバーには安全を注意する義務が存在するが、ドライバーが行う操作をクルマが肩代わりすることで、長距離走行での疲労軽減につながるだろう。
 さらに、これら仕組みを活用した安全技術である「アクティブエマージェンシーストップアシスト」にも注目したい。走行中にドライバーが意識を失ったと車両が判断すると、クルマは自動的にスピードを落としつつ安全に車両を停止させるというものだ。とくに高速道路のような速度域の高いシーンで、重大事故を未然に防いでくれることが期待できる。これらはメルセデスAMGモデルに標準、その他モデルにオプションで提供される。
 なお、メルセデスは早くからコネクティビティに力を入れているが、新型Cクラスに搭載される「Mercedes me connect」では、「24時間緊急通報サービス」を含む「安心安全サービス」がなんと最長10年間にわたり無償で提供されるというから心強い。利便性を高めるサービスは有償だが、安全と安心については、基本的にこれを無償で提供するというメルセデス・ベンツ日本の企業姿勢は賞賛されるべきだろう。

CO2を削減し、快適性を引き上げる「48V電気システム」と「BSG」

 続いて「C 200アバンギャルド」に搭載される「48V電気システム」。これは、ひとことで言えばマイルドハイブリッドで、1.5Lガソリンターボエンジンに動力を補助するモーターを組み合わせたもの。モーターの最大出力は14馬力、最大トルクは16.3kgmで、バッテリーには1kWのリチウムイオン電池が使われる。
 なぜこれが注目に値するかといえば、単なるマイルドハイブリッドではなく、補記類を「48V化」することで、パワートレーン全体の効率を高め、スムーズさにも貢献しているという先進性による。
 クルマの電装系は長らく12Vでシステムが作られていたが、モーターのような動力を稼働させる際には、電圧が高いほうが効率がよくなる。トヨタなどのハイブリッドカーが200Vを超える電圧としているのはそのためだ。
 ところが、電圧を高めることにはデメリットもある。安全対策にコストがかかるのだ。そこで、効率とコストのバランスを考えておもに欧州勢が採用しつつあるのが48V電気システムなのだ。Cクラスとは直接関係のない話になってしまうが、「48V化」が進むことでモーターを使った車両制御は今後さらに高度化するのではないかと期待されている。
 「C 200アバンギャルド」に搭載するM264型エンジンでは、電動ウォーターポンプやオルタネーター兼スターターの「BSG」が48Vで駆動される。
 「BSG」はエンジンの始動に使われるのに加えて、低速領域ではモーターとしてパワートレーンをアシスト(マイルドハイブリッド機能)。小排気量ターボの弱点だった発進時のギクシャク感などを解消し、スムーズな走りを生み出すという。また、「BSG」はエンジン始動の際の嫌な振動を減らすことにも貢献。減速時などには発電機としても機能し、リチウムイオンバッテリーに充電する働き者なのだ。電動化が進むことで、環境への影響が少なくなるだけでなく、乗るひとたちの快適性が上がるとすればこれは歓迎したい。

販売面でも強力にユーザーをサポートする

Cクラス クーペ

 このようにマイナーチェンジの領域を超えた充実した内容を誇る新型Cクラス。それをサポートする販売体制についても、ユニークで先進的な取り組みが用意されている。
 例えば新車購入から3年間・走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」には、好きなメルセデスを3回無料でレンタルできる貸し出しサービス「シェアカー・プラス」も付帯。例えばCクラスセダンを愛車にしながら、特別な日などにCクラス カブリオレや別のメルセデス(VクラスでもSクラスでもAMGでも!)を借りてドライブする。そんな夢のある体験だって無料。
 2015年からセグメントナンバー1をひた走るCクラス。輸入セダン界の一枚看板は、マイナーチェンジでますます魅力的な千両役者へと進化した。


メルセデス・ベンツ C 200 アバンギャルド・セダン(9速AT)

全長×全幅×全高 4686×1810×1442mm
ホイールベース 2840mm
エンジン 直4DOHCターボ+モーター
総排気量 1497cc
最高出力 184ps/5800-6100rpm
最大トルク 28.6kgm/3000-4000rpm
ブレーキ前・後 Vディスク・ディスク
タイヤ前後225/50R17

販売価格 449万円〜1483万円(全グレード)

Cクラス カブリオレ

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