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更新日:2018.11.06 / 掲載日:2018.06.27

メルセデス・ベンツの4ドアクーペ、CLSがフルモデルチェンジ!

文●ユニット・コンパス  写真●川崎泰輝、メルセデス・ベンツ

  2018年6月25日、メルセデス・ベンツの4ドアクーペ「CLS」が、7年ぶりのフルモデルチェンジを行い、3代目として発表された。2004年に登場した初代CLSは「いまだかつて見たこモデルが、他メーカーからも立て続けにリリースされ、ブームを巻き起こしたのは記憶に新しい。優美さ極まる4ドアクーペスタイルは新型でさらに洗練され、「メルセデスのおしゃれ番長」としてのCLSの立ち位置に揺るぎはない。次世代のメルセデスデザインを先取りする新型CLSには、意欲的なパワートレインも搭載され、快適装備や先進のセーフティにも注力されている。機能的でありながら、大いなる優雅さも堪能できるメルセデスとして、注目を集めそうだ。早速、その魅力をチェックしてみたい。

  • メルセデス・ベンツ日本株式会社の上野金太郎社長は「CLSが4ドアクーペモデルという市場を切り開いた」と強調する。

  • ドイツのダイムラー社から、乗用車エクステリアデザインを統括するロバート・レズニック氏は、この発表会のために来日した。

メルセデスのデザイン革命

 鮮烈なデビューで世界中を驚かせた「4ドアクーペ」スタイルは、再び斬新なフォルムをもって登場した。新型でも最大のポイントはやはり「デザイン」。エクステリアは、前傾したフロントエンドに低く設けられた幅の広いヘッドライト、「Sensual Purity(官能的純粋)」というデザインの基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減した輪郭など、「メルセデス・ベンツの新しいデザイン語法」が、このCLSで初めて採用されている。

 また、エクステリアデザインを統括するロバート・レズニック氏が「新型CLSのデザインは、俊敏な動きが身体のカタチに現れているオグロメジロザメをモチーフにしている」と明らかにしたが、前傾するフロントエンドはサメの尖った鼻先を連想させるカタチで、より長くシャープに見えるという。また、安定感のある台形型のフォルムも特長で、ヘッドライトとグリルのデザインが相まって、シャープでダイナミックな印象を与えている。

 明確なキャラクターラインではなく、光の明暗によって、ショルダーラインが浮かび上がる。フロントフェンダーから前後のドアノブを経てテールライトまで貫かれ、筋が一本通ることで姿勢が整うなど、削ぎ落とすからこそ生まれるフォルムが新型デザインの核となる。緩やかにアーチを描く高いウエストラインと、なだらかな流線形のルーフライン、そして細いサイドウインドウによって、サイドビューは優美でスポーティなクーペスタイルを形成している。キャラクターラインやエッジをできるだけ廃し、曲面で表現されたボディはシンプルながら陰影の豊かな表情が魅力的だ。

  フロントグリルは、シングルルーバータイプのダイヤモンドを採用した、メルセデスのクーペモデルに共通するデザインとなっている。4ドアモデルではあるが、CLSは「クーペ」なのである。

  • 出典:メルセデス・ベンツ

 リヤのショルダーラインはヤエンドに自然に回り込み、コンビネーションランプが低い位置に置かれたことで、ワイドさが強調されている。

 エクステリアに魅了された乗員を、優しく快適に迎え入れるのが新型のインテリアだ。上質な素材にクラフトマンシップが息づき、流麗なデザインに仕上げられている。

 高精細12.3インチワイドディスプレイ2枚を、一枚のガラスカバーで融合したコックピットディスプレイは、まるで浮いているように見え、インテリア全体に「水平」方向のデザイン基調をもたらしている。ちなみに、このディスプレイのデザインは、「クラシック」、「スポーツ」、「プログレッシブ」の3種類の中から自由に設定できる。タービンエンジンをイメージしたという送風口は、全体がシルバーシャドー仕上げとなっているほか、64色から選択可能なイルミネーションが送風口の内側に仕込まれ、エアコンの温度を上げる操作を行った場合には、アンビエントライトが赤く、温度を下げる操作を行った場合には青く光るなど、操作内容が直感的に感じられる機能も備える。

 CLSとして初めて「5人乗り」となった新型は、後席の乗降性が向上したほか、バックレストが40対20対40の分割可倒式となっている。

新開発のパワートレーン

 2グレードのみで発売される新型CLSだが、どちらも性格が異なり興味深い。その違いを生み出しているのは他でもなくパワートレインで、それぞれ、直4エンジンと直6エンジンを搭載する。

 「CLS 220 d スポーツ」には、Eクラスにも搭載されている2L直列4気筒BlueTECエンジンが搭載される。これは可変ジオメトリーターボを組み合わせることで、パワーと効率性を高次元で両立させ、さらに排出ガスの浄化にも注力して新開発されたクリーンディーゼルエンジンだ。一方、「CLS 450 4MATIC スポーツ」に搭載される直6エンジンには、「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」や「48V(ボルト)電気システム」などの新技術が搭載される。近年メルセデスでは、衝突安全の観点から、クラッシャブルゾーンなどを稼ぐために前後方向の長さを短くできるV6エンジンを採用してきた。しかし今回、エンジンを動力源としていたエアコンやウォーターポンプなどが電動化され、これまでエンジンの前部にあったベルト駆動装置が必要なくなったため、直6エンジンがおよそ20年ぶりに採用されている。直6特有の回転バランスに優れたエンジンに、上野社長は「実際に運転してみて、非常にフィーリングのよいエンジンに仕上がっている」と語った。

 エンジンとトランスミッションの間に配置されるISGの電気モーターは、オルタネーターとスターターの機能を兼ねている。この電気モーターと「48V電気システム」により、回生ブレーキによる発電を行ない、バッテリーに充電する。そしてエンジンの低回転時には、リチウムイオンバッテリーの電力を利用して動力補助を行なうことで、高い効率性と力強い加速が可能になっている。また、スターターがより高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動が抑えられ、エンジンスタートおよびアイドリングストップの再スタート時の快適性がアップしている。

先進の安全装備

 新型「CLS」には、2017年に発表された「Sクラス」と同等のセーフティ機能、運転支援機能が、すべてのモデルに標準装備されるのが大きなトピックになっている。

 とくに運転支援機能は大きな進化を見せ、先行車との車間距離に加え、周囲の交通状況(車両、車線、ガードレールなどの物体)を常時モニタリングすることで、従来よりもステアリングアシストの作動領域が大幅に拡大している。また、システム起動時に高速道路上で自動停止した場合、30秒以内(一般道は3秒以内)であれば自動再発進が可能となるなど、渋滞時のドライバーの疲労低減も期待できる。自動で車線変更する「アクティブレーンチェンジングアシスト」や走行中のドライバーが気を失うなどの状況で、自動的に車線を維持しながら緩やかに減速、停止を行う「アクティブエマージェンシーストップアシスト」が搭載されるなどの先進さを発揮している。

 リモートパーキングアシストや24時間コンシェルジュサービスも含まれるテレマティクスサービス「Mercedes me connect」も全モデルに標準装備され、快適なカーライフがサポートされる。

 優美な4ドアクーペスタイルで魅了する新型CLSだが、意欲的な先進テクノロジーと高い機能性、快適性を誇る。目指しているのは、エレガントで豊かなカーライフそのものなのであろう。



メルセデス・ベンツ CLS 220 d スポーツ(9速AT)

全長×全幅×全高 5000×1895×1430mm
ホイールベース 2940mm
車両重量 1820kg
エンジン 直4DOHCディーゼルターボ
総排気量 1949cc
最高出力 194ps/3800rpm
最大トルク 40.8kgm/1600-2800rpm
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前・後245/40R19・275/635R19

販売価格 799万円~1038万円(全グレード)



  • 出典:メルセデス・ベンツ

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グーネットマガジン編集部

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