車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2018.06.28

【気になる中古車試乗判定】メルセデス・ベンツ GLA

メルセデス・ベンツ GLA

2016年モデル メルセデス・ベンツ GLA 250 4MATIC

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、グーワールド
写真●グーワールド

今月の中古車は メルセデス・ベンツ GLA

DETAIL CHECK 1

  • 装備内容は充実しているが多くはオプションとなる

    メルセデス・ベンツ GLA コックピット

  • 装備内容は充実しているが多くはオプションとなる

     渋滞追従機能付きの「ディストロニック・プラス」や「ブラインドスポットアシスト」などを含む、安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を設定。Cクラス以上のものと比べ内容は一部簡易的となる。多くの機能がオプションとなっているので、中古車では内容を確認したい。

DETAIL CHECK 2

  • インテリアはスポーツテイスト SUVよりもワゴンに近い空間

    メルセデス・ベンツ GLA 内装

  • インテリアはスポーツテイスト SUVよりもワゴンに近い空間

     全席に採用されたヘッドレスト一体型のスポーツシートなど、SLS AMGをイメージさせるスポーティなデザインテイスト。SUVといいつつも、パッケージングはAクラスに近いため、頭上空間のゆとりはそれほどでもない。

DETAIL CHECK 3

  • 日常用途には十分な積載力 ただし、開口部の位置は高め

    メルセデス・ベンツ GLA ラゲッジスペース

  • 日常用途には十分な積載力 ただし、開口部の位置は高め

     ラゲッジルームは壁面までしっかりとカーペットで覆われており、メルセデスに期待する上質さが表現されている。後席は6対4の分割可倒式で、中央には長尺物を収納するときに便利なスキートンネルも用意されている。こちらの使い勝手もAクラスに近い。

DETAIL CHECK 4

  • コンパクトカー的な高効率とSUVの悪路走破性を両立

    メルセデス・ベンツ GLA エンジン

  • コンパクトカー的な高効率とSUVの悪路走破性を両立

     エンジンは3タイプ。1.6Lターボ(「180」122馬力)、2種類の2Lターボ(「220」184馬力、「250」211馬力)だ。トランスミッションはすべて7速デュアルクラッチ式MTで、効率とダイレクト感を両立させている。また、4MATICは、普段は前輪のみを駆動し、必要に応じて後輪を動かすタイプ。

マルチな魅力を凝縮したメルセデス最小SUV

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

九島 中古車で買うなら上級の「250」が買い得感あるね

竹岡 メルセデスの小型車ではいちばん完成度が高い

立体駐車場にも入る使いやすい都市型サイズ

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、メルセデス・ベンツのコンパクトSUVであるGLAクラスが登場です。お借りした車両は2016年モデルで、グレードは「GLA250 4MATIC」、走行距離は6万kmとなっています。

九島●今日試乗させてもらえるのは、「マリオ」なメルセデスなんだ。

編集部●それはゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」とコラボしたGLAのテレビCMですね。

竹岡●そういえば、AクラスやBクラスでも、メルセデスはおもしろいCM作ってたよね。

九島●従来のメルセデスユーザー以外にもアピールしたいっていう意図だろうね。実際、新規ユーザーは増えたみたいだし、成果はあったんじゃないかな。

竹岡●GLAって、見た目はほとんどAクラスだし、本格的なSUVではないんでしょ?と思ってたのね。だけど、試乗会でオフロードコースを走らせてもらったら、意外とちゃんとしてて驚いた。一般道での走りも、A、B、CLAときて、GLAがいちばん洗練されているような印象だったんだよね。

九島●その辺は、メルセデスが前輪駆動モデル作りの経験値が貯まってきたのかもね。

編集部●改めてGLAについて紹介しますと、新世代コンパクトカーのひとつとして企画された小型SUVで、メルセデスにとっては5番目のSUVです。「180」が1.6Lターボ(122馬力)、「250 4MATIC」が2Lターボ(211馬力)で、いずれも7速DCTが組み合わされます。2L仕様は4WDです。そして、2017年の改良でルックスがよりSUVらしくなり、2Lターボ(184馬力)の「220 4MATIC」も追加となりました。

竹岡●背が低いから、立体駐車場に入るっていうのもアピールポイントだったよね。私もコンパクトSUVに乗っているけど、たまに駐車場で断られることがあるのよね。

九島●立体駐車場に入れるサイズというのは、日本側がドイツの開発陣に強く要望したと聞いたな。

竹岡●GLAといえば、GLA45が想定以上に売れたって話を聞いたよ。なんでも、メルセデスAMGのラインアップのなかでも、GLA45は価格に対して内容が充実しているっていうユーザーの評価なんだって。

九島●『けっこう野太いエンジンサウンドのGLAだな』と思いながらクルマを見ると、AMGモデルだったっていう経験はあるね。さっき話題になった、背が低いプロポーションがスポーティな出で立ちにもマッチするのかも。

竹岡●それにしてもいまのコンパクトSUV人気はすごい! 毎月のように新型が出てるんじゃない?九島●GLAが発表されたのは2014年だっけ。そう考えると、先駆者的な存在と言えるのかも。街中でもよく見るし。

竹岡●いまのメルセデスは時代の変化や流れを見るのが上手ってことね。

九島●SUVが特別なクルマではなく乗用車のスタンダードになった。編集部●それでは、そろそろ試乗のほうをお願いいたします。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●お二人が試乗から戻られました。いかがでしたか?

九島●走行距離が6万kmも走っている割には、新車のときとほとんどフィーリングに変化はないね。

竹岡●うん。ちょっと硬めの乗り味もそのまま(笑)。

九島●GLAって車高の違いで3モデルあったじゃない。これはノーマルってことだよね。

編集部●はい、そうです。

竹岡●導入された当初は、ほかに車高が低い「スポーツ」とノーマルより高い「オフロード」があったよね。最低地上高も、もう少し高くて、乗り心地もそっちの方がよかった。それがなくなっちゃったのが残念。

九島●新車はたしかにそうだけど、中古車であればそういう仕様も探せるからね。

竹岡●そうそう、中古車の価格はどうなの?

編集部●中心価格はおよそ300万円で、年式と新車価格を考えると、かなりの高値安定です。また、走行距離が5000km以下の高年式・低走行物件も100件近く存在します。

九島●中古車になると「180」と「250」とであんまり価格差がないって話だよね。だったら、装備のいい「250」をねらうのがいいかも。4WDだしね。

竹岡●デイリーカーとして使うならFFでも十分。駐車場を選ばないから、SUVといいつつも、普通のワゴン感覚で使えちゃう。だから、クルマで買い物に出かけたい女性にはぴったりだよね。

九島●なによりも、メルセデスのブランドだよね。長時間じっくり乗ると、身体にしっくりくるよ。

竹岡●はい、メルセデスですから。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

メルセデス・ベンツ GLA レビュー評価

メルセデス・ベンツ GLA

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるメルセデス・ベンツ GLAの評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

  • 最近、コンパクトSUVを愛車に加えた竹岡さん。まだ慣れていないためか、立体駐車場で断られることもあるのだとか。GLAなら、そんなこともありません。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 登場した当初は、Aが出てCLAが出てのGLA、というバリエーションのひとつくらいにしか考えていませんでした。でも、SUVブームの昨今、各社から全高抑えめのSUVが登場しているのを見ると、もしかしたら時代の最先端を行っていたのかもしれません。実際はワゴンぽい使い方のクルマだと思いますが、立体駐車場に入る高さは街中では便利ですね。

装備 8点

 「メルセデス・ベンツ=安全は完璧」なイメージがありますが、A&Bクラスは昔からのオーソドックスなCクラス以上とは違い、意外と装備品に差がつけられていたりするもの。そこを期待して購入するならば、何が装備されているのかしっかりチェックした方がいいかも。今回もそこそこ高いグレードの割には、意外とオプション設定のものが多いような・・・。

走り 8点

 A→CLA→GLAという順番で登場しただけのことはあり、だいぶバランスがよくなった感じはしますが、正直に言うとメルセデス・ベンツらしいしなやかさは、もう一歩という感じ。ただし、悪路走破性は意外と高くて、ちょっとしたラフロードなら電子デバイスを駆使していけちゃうんですよね。そういう意味でもオールマイティ性の高い1台です。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 九島 辰也

  • 身長の高い九島さんでも、きちんとドライビングポジションがとれて、なおかつ頭上にも余裕がありました。さらにその後席にも大人がちゃんと座ることができました。

自動車ジャーナリスト 九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 10点

 背の低いSUVは現在の自動車ビジネスでは最新トレンドだが、メルセデスは2014年にすでにこのGLAを投入している。つまり、彼らの先見性は確かだったということだろう。だからこそ、発売から時間の経ったいまの目線でも、GLAはシティ派SUVとして魅力的な存在だ。それは中古車市場の価格にも反映され、高値をキープしているようだ。

装備 8点

 コックピットの雰囲気はスポーティ。メルセデスは次世代コンパクトカーをそのようにデザインしており、GLAもその流儀に沿っている。とくにハイバックタイプのシートは、まるでスポーツカーのようだ。今回の試乗車はかなり走行距離を重ねた個体だったが、内装の劣化や異音は感じられなかった。こういったビルドクオリティの高さは、さすがメルセデスだ。

走り 8点

 この世代のメルセデスは、まだ小型モデル作りのノウハウを習得している途上にあり、足まわりはよく言えばスポーティだが、Cクラス以上のメルセデスのようなしなやかさはない。マイナーチェンジするまでに存在していた「オフロード」仕様は、最低地上高が高いだけでなく、乗り心地についても、GLAのなかでは好ましかった。中古車で見つかれば注目したい。

グーワールド編集部

中古車相場は、200万円後半から300万円後半の範囲に多くが収まっています。グレードによる価格差は少ないため、上位グレードがオススメです。

ポジショニング 10点

 豊かなライフスタイルをイメージさせるSUVは国産、輸入車問わず人気のジャンル。そのなかでメルセデスから登場したGLAは、これまでGクラスやMクラスで培ってきた悪路走破性を、コンパクトカーの世界にもたらしたという意味でも魅力があります。中古車価格が高値安定ということは、それだけマーケットの評価が高いということの証明でもあります。

装備 9点

 背が低いワゴンのようなプロポーションがもたらしたのは、都市部で多い立体駐車場にも対応する扱いやすさ。クルマの運転を得意としないひとであっても、Aクラスに近い感覚で扱えるのは嬉しいところ。さらに、安全運転を支援する技術もしっかりと用意。メルセデスに期待する安全性能を提供してくれます。中古車では個体により装備が異なるので注意。

走り 8点

 乗り始めて最初の30分は「ちょっと乗り心地が硬い?」というもの。ところが、その後しばらく乗り続けていると、不思議と身体に馴染んできて、結果としては十分な快適性と安定した走りを両立させていることがわかりました。GLAの4MATICは、普段は前輪のみを駆動するため、一般的な小型車と同じような感覚で走れ、燃費性能も優れています。

人気を背景に中古車価格は高値安定 装備内容にも気を配って選びたい

メルセデス・ベンツ GLA

モデル主要変遷(メルセデス・ベンツ GLAクラス)

2014.05GLAクラスを発売
2015.11一部改良 ←今回の中古車
2017.04マイナーチェンジ
2017.07「GLA 220 4MATIC」を追加

2016年 メルセデス・ベンツ GLA 250 4MATIC(7速AT・DCT)

全長×全幅×全高4430×1805×1505mm
ホイールベース2700mm
車両重量1570kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1991cc
最高出力211ps/5500rpm
最大トルク35.7kg m/1200-4000rpm
サスペンション前/後ストラット/マルチリンク
ブレーキ前後Vディスク

中古車参考価格帯
230万円~420万円(2014年~2018年 ※GLA45 AMGを除く)

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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