車のエンタメ
更新日:2018.05.11 / 掲載日:2018.05.11
アメリカのファンがつくった“チキ・チキ・バン・バン”の完璧なレプリカ

♪チキバンバン チキチキバンバン チキバンバン チキチキバンバン♪という歌を聴いたことがある人は多いのではないでしょうか。これは、イギリスのミュージカル映画『チキ・チキ・バン・バン』の主題歌なのですが、映画が公開されたのは50年も昔の1968年のことです。「懐かしいなぁ」という方にも、「映画は観たことがないなぁ」という方にもご覧いただきたい、「完璧なレプリカ」を作ってしまったアメリカ人男性の動画をご紹介します。
2010年から5年の歳月をかけてつくり出されたという1台は、格納式のウイングも、船のようなウッドのボディも、シーサーペントを模したホーンも、ピンクゴールドのパイプも、なにからなにまでピッカピカで、細部まで完璧の仕上がりです!

オーナーは、ニューヨーク在住のトニー・ガロファロさん、53歳。元ニューヨーク市の警察官で、こどものころに『チキ・チキ・バン・バン』のミュージカルを観劇して以来の大ファンです。
『チキ・チキ・バン・バン』に関するグッズのコレクターとしても知られています。模型、絵本、ミニカー、ミュージカル上演時の衣装、映画の主人公、カラクタカス・ポッツを演じたディック・ヴァン・ダイクを訪れたときの写真などなど……。かなり熱量が高そうです!

ベース車両は、ニュージャージーのジャンクヤードで見つけた1914年式のオーバーランド「モデル79」。控えめに言ってオンボロでしたが、トニーさんはこの笑顔。

トニーさんは、映画に登場したクルマを精密に再現するため200回以上もDVDを見て細部を確認しました。船のような木製のボディは、バージニア州ハンプトンのボートビルダーが製造し、エンジンは1928年式のフォード「モデルA」から換装しましたが、映画のように「バンバン!」というバックファイヤーノイズはありません。

5年の歳月と1000万円以上の費用をかけて完成したレプリカは、トニーさん自慢の愛車になりました。ガールフレンドのデボラさんも、トニーさんのレプリカ製造を応援してくれたそうです。

トニーさんのもとには「クルマを売ってほしい」というオファーが何件も届きました。なかには150万ドル(約1億6000万円)を提示した人もいたそうですが、すべて断ったそうです。トニーさんとチキ・チキ・バン・バンの冒険は、これからも続いていくようです。