車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2018.03.01
第3回目 ラグジュアリーモデル、まるごと。
花の色をしたロールス・ロイス
カスタマイズというと、ユーザーが行う改造をイメージさせるが、本来の意味ではメーカーへの特別注文を意味するもの。ロールス・ロイスには現代もカスタマイズの伝統が受け継がれている。
文●グーワールド 写真●ロールス・ロイス
4万色以上ものカラーパターンを提供する
「ビスポーク」という言葉がある。特別な指示に基づいて仕立てられたものを表す言葉で、主にファッションの分野で使われる。 ラグジュアリーモデルの頂点のひとつであるロールス・ロイスには、まさにビスポークと名付けられた特注プログラムが用意されている。このプログラムでは、クルマの外観から内装まですべてをカスタマイズ可能で、たとえばボディカラーは4万4000色ものパターンが用意されている。
ここに紹介するドーンは、それでもなお満足できなかった(!)究極のカーマニアのために製作された1台。コレクターとして有名なマイケル・フックス氏がオーダーしたもので、鮮やかなこの色「フックス フクシャ(Fux Fuchsia )」は、その名のとおりフクシアの花からインスピレーションを受けているのだとか。華やかでいて上品、まさに「貴婦人のイヤリング」と呼ばれるフクシアの花を思わせる色合いだ。
マットレスなどを扱う寝具メーカーを興し財を成したフックス氏による「カスタマイズ・ロールス」はこれで11台目。ビスポークチームのデザイナーたちは氏の要望を受け、芸術作品を生み出す心意気で取り組んだという。
究極の職人技で顧客の我儘に応える
「ロールス・ロイス スウェプテイル」は、ある顧客の要望によってオーダーされたという1台限りのワンオフモデル。ファントムをベースにした2シーターで、その制作費はなんと14億円! 2017年のグッドウッド・フェスでこの貴重なモデルの走行シーンが披露された。
from TIRE
空気入りタイヤを発明したダンロップとベントレーの世紀を超えた関係
ラグジュアリーモデルにふさわしいタイヤとはなにか。それは、あらゆる性能が高次元であることはもちろん、語り継がれる歴史、エピソードが求められる。例えばベントレーとダンロップのように。
文●グーワールド 写真●ベントレー、ダンロップ、グーワールド
ベントレーの輝かしい歴史を支えたダンロップ
ラグジュアリーとパフォーマンス、その両方を純粋に表現するモデルであるミュルザンヌ。
1888年に世界で初めて空気入りタイヤを発明したダンロップは、100年にわたり世界中の自動車メーカーへ純正タイヤを提供してきた一流ブランド。ラグジュアリーモデルの分野においても、ベントレーミュルザンヌに同社の「SP SPOT MAXX GT」が純正タイヤとして採用されている。
じつはダンロップとベントレーとの関係は深く、約100年前の1924年にはダンロップタイヤを装着した「ベントレー 3リットル」がル・マン24時間レースで優勝。これがダンロップにおける初のル・マン優勝となったが、その後さらに8連覇を成し遂げている。
現在でもダンロップはモータースポーツに積極的に参加し、技術の研鑽を続け新技術を開発している。ラグジュアリーブランドのタイヤには、それにふさわしい物語があるのだ。
世界一過酷なレースでのパートナーシップ
2018年1月に千葉県の幕張メッセで開催された「東京オートサロン」のダンロップブースでは、2001年に70年ぶりの参戦となったル・マン24時間参戦車両である「ベントレー スピード8」が展示されていた。
ラグジュアリーカーを支えるダンロップのフラッグシップ
SP SPORT MAXX 050+
エスピースポーツマックス ゼロゴーゼロ プラス
ハイパフォーマンスカーにふさわしい高い操縦安定性と優れたウェット性能を両立させた高性能タイヤ。SUV専用の「SP SPORT MAXX 050+ FOR SUV」も販売。
エスピースポーツマックス ゼロゴーゼロ プラス
高価格車と真のラグジュアリーモデルとの違いとは?プレミアムの本質
最近「プレミアム」という言葉がよく使われるが、本物のプレミアムとは歴史に裏打ちされた価値を持つもの。それは自動車の世界も同じで、本当にそう呼べるクルマはひと握り。ここではその本質に触れてみたい。
文と写真●グーワールド
ハイエンドなクルマに求められるブランド力
日を追うごとに自動車の性能が進歩し、最近はどのクルマに乗ってもラグジュアリーだと感じる。だからと言って、すべてのクルマに対し「ラグジュアリーカー」と呼ぶことはない。ラグジュアリーカーとは、プレミアム性を持った、ごく一部のクルマのこと。そして、このプレミアムという言葉こそ、ハイエンドな自動車に必要不可欠な要素なのだ。
ロールス・ロイスやベントレーなど一流ブランドは、戦前から連綿と高級車をつくり続けている。ときにはモータースポーツに参戦し、そこで培った技術をプロダクションモデルにも還元してきた。彼らの顧客は、ただサイズが大きくて快適なクルマがほしいのではなく、ブランドが歩んだ積年の歴史に価値を見出し、クルマを手に入れている。そこが、大衆ブランドとプレミアムブランドの大きな違いなのである。
ただ、最近のプレミアムブランドは、一部の富裕層のみを相手にしているわけではなく、手頃な価格の小型車も設定する。そして、そんな小型車にもブランド哲学が息づいている。我々も、真のプレミアムな世界を垣間みることができるのだ。
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