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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29

偉大な社名に別れを告げ、3ナンバーボディになって再出発 SYLPHY~シルフィ~Mクラスセダンの真打ちとなるか!?

新たなステージ

偉大な車名に別れを告げ、3ナンバーボディになって再出発

偉大な車名に別れを告げ、3ナンバーボディになって再出発

【本記事は2013年1月にベストカーに掲載された記事となります。】50年以上も続いた「ブルーバード」という車名と決別し、新たなステージに踏み出した新型シルフィ。優美なスタイルが内包するその実力を、検証していきたい。実に7年という長きにわたり販売されてきた先代モデル、「ブルーバードシルフィ」が、ついに新型に切り替わった。新型の名は「シルフィ」。半世紀以上もの間使用され、シリーズ累計で約670万台を販売した「ブルーバード」という車名に別れを告げての再出発となる。

エクステリア

先代から大きくなって全幅1760mmの3ナンバー化 フロントフェンダーからリアに流れるキャラクターラインが目立つサイドビュー

先代から大きくなって全幅1760mmの3ナンバー化 フロントフェンダーからリアに流れるキャラクターラインが目立つサイドビュー

日産自らが「これまで日本のMクラス(1.8~2L)にはなかった本格セダンを目指して開発した」というそのデキを、詳しくみていきたい。■エクステリア一見してわかるのは先代に比べ、ワイド&ローのバランスの取れたプロポーションとされていること。これは先代比でマイナス15mmの1495mmとされた全高と、逆に先代比プラス65mmの1760mmとなった全幅によるところが大きい。ブルーバード時代、ブルーバードシルフィ時代を含めても初の3ナンバーボディということで、ユーザーの反応が気になるが、肝心のデザイン自体は、全幅の拡大でデザインの自由度が高まったこともあるのか、高いまとまりを見せている。まず真っ先に目に飛び込んでくるのは、フロントフェンダーの膨らみからリアへ一気に流れるキャラクターラインだろう。ダイナミックさを感じさせるもので、豊かな面の表情もあって一クラス上の上質感をも感じさせるものとなっている。

フロントデザイン

日産らしいデザインの異形ヘッドランプの中には、6連のLEDクリアランスランプが

日産らしいデザインの異形ヘッドランプの中には、6連のLEDクリアランスランプが

フロントデザインも同様。クローム調塗装とされたグリルと、6連のLEDクリアランスランプが組み込まれたヘッドランプなどで構成されるフロントフェイスは、落ち着きとクオリティが感じられるもので、ターゲットユーザー層とされる60代の男性に受け入れられそうだ。今度のシルフィはデザイン、品質、快適性のすべてを高いレベルでバランスさせ、セダンの車歴が長く、ティアナなどの上級車種からの乗り換えユーザーをも満足させることを目標に開発されたという。まず外観に関しては合格といえるだろう。

インテリア

サイドの張り出しをフラットにした新形状を採用。膝もとスペースは広々

サイドの張り出しをフラットにした新形状を採用。膝もとスペースは広々

■インテリア内装は先ほど述べた開発目標の実現が、最も明確に感じられる部分かもしれない。全体に艶を抑えたインパネ周辺からは落ち着いた雰囲気が感じられ、センターパネルのフィニッシャーなどは、厳選した異なる素材を巧みに組み合わせることで、モダンかつ気品を感じさせる仕上がりとなっている。品質はそうとう高いと見ていいだろう。快適性にまつわる部分も、クラスを超えたできばえといえる。もともと先代モデルもLクラスセダンより室内が広いとの評価を得ていたが、新型シルフィもティアナより長い有効室内長を確保。さらに先代で「後席で足を組んでくつろげる」と好評だった後席ニースペースも、シッカリ先代同等の680mmを確保している。当然、肩まわりのスペースは、全幅拡大の恩恵を最大限に受け、先代比+30mmの1390mmというショルダールームを実現。乗ればゆったりとした広さを実感できるはずだ。また静粛性は先代から大きく進化した部分。またもやティアナが比較対象となるが、アイドリング、低中速域での振動音、高速走行時の風切り音ともティアナを上回る静かさを実現。長時間のドライブもこれなら快適にこなせるだろう。広く、そして静かで快適な車内。日産の目指した「Mクラス本格セダン」の理想が、濃厚に詰め込まれていることが、車内に乗り込めば実感できるはずだ。

パワートレーン

MR18DEエンジンをベースに、ロングストローク化など多くの改良が施された新型エンジン。力強くスムーズな走りと良好な燃費を実現する

MR18DEエンジンをベースに、ロングストローク化など多くの改良が施された新型エンジン。力強くスムーズな走りと良好な燃費を実現する

■パワートレーン1.5Lと2L、二つのエンジンが用意されていた先代に対し、今度の新型は全車新開発の1.8Lエンジン「MRA8DE」を搭載する。このエンジン、ウイングロードなどに搭載されるMR18DEと比較して、ロングストローク化による燃費の向上、ツインVTC(バルブタイミングコントロール)による吸排気効率の向上、そして高回転域での「ひと伸び」を実現するパワーバルブの追加といった改良がなされている。最高出力は131ps。これは先代シルフィの2Lモデル(133ps)とほぼ同等といえる数値であり、実際に0~100km/h加速、80~100km/h加速タイムとも、遜色ないものとなっている。このエンジンに組み合わされるのは、ワイドな変速比幅で低燃費に貢献する、副変速機付きCVT。当然、燃費が向上しないわけはなく、JC08モード燃費は先代シルフィ2Lモデルより約16%燃費がいい、15.6km/Lという数値を実現している。近年の1.8Lセダンとしては標準的といえる数値であるが、ライバルに比べ不利となることはないだろう。

Mクラスセダンの真打ちとなることは可能か?

ラティオとの棲み分けはど~なの? 日本のセダンマーケットは高齢化しており、確かにカブる部分もあると日産自らも認めているが、ラティオは5ナンバーで1.2Lエンジン。シルフィは3ナンバーボディで、高級感という付加価値で勝負する。どうにか棲み分けはできてるようで、ひと安心。

ラティオとの棲み分けはど~なの? 日本のセダンマーケットは高齢化しており、確かにカブる部分もあると日産自らも認めているが、ラティオは5ナンバーで1.2Lエンジン。シルフィは3ナンバーボディで、高級感という付加価値で勝負する。どうにか棲み分けはできてるようで、ひと安心。

■Mクラスセダンの真打ちとなることは可能か?これまでの日本になかったMクラスの本格セダンを目指して開発された新型シルフィ。では、このシルフィはMクラスセダンの真打ちとなれるのだろうか。上質感を感じさせる外観や、質感のほか快適性向上に注力した内装は評価できる。ターゲットユーザーである60代男性が乗っても、恥ずかしくない立派なセダンだ。日産の狙いどおり、上級モデルからの乗り換えユーザーも満足させられるだろう。が、不安材料もなくはない。ひとつはグローバルで展開する車種ゆえのボディサイズ。そして残念ながら、あまりパンチのない燃費の数値と価格だ。売れ筋となる中間グレード、「X」の209万4750円は納得できるが、最上級グレードである「G」の238万9800円という価格は、やや割高な気が……。さらに全グレードエコカー減税非対応というのも惜しい。国内の1.8~2Lクラスのセダンには、実はあまりエコカー減税対応車はないのだが、それだけにここはシッカリ減税に対応させてウリのひとつとしてほしかった気がしてならない。マイチェン時には、ぜひ対応をお願いしたい。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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