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発進 インプレッサ

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写真は新型インプレッサの中心グレードとなる20S。最高出力140馬力、最大トルク19.0kgmを発揮する水平対向4気筒、2L SOHCエンジンを搭載。フロントマスクはエンジンフードにエアインテークのないスッキリしたものとなっている。4WD、4ATのみの設定 写真は新型インプレッサの中心グレードとなる20S。最高出力140馬力、最大トルク19.0kgmを発揮する水平対向4気筒、2L SOHCエンジンを搭載。フロントマスクはエンジンフードにエアインテークのないスッキリしたものとなっている。4WD、4ATのみの設定

【本記事は2007年7月にベストカーに掲載された記事となります。】 6月5日、6年ぶりのフルモデルチェンジでインプレッサが3代目に進化した。ジックリと時間をかけて開発された新型インプレッサは、驚きの5ドアのみというラインアップで日本のファンの前に姿を現わした。 それにしても4ドアセダンをやめて5ドアハッチバック1本に絞った潔さ(スバルはいまのところ4ドアはアメリカ専売モデルと言っている)。さらにグレードも3エンジン3グレードと超がつくほどシンプルにまとめ上げた思いきりのよさ。新型インプレッサは、ボクらも心配になるほどチャレンジングだ!! 新型インプレッサは、全幅が全モデル1740mmとなり、3ナンバーサイズとなった。これまでは、WRXだけは全幅1740mmだったが、これはブリスターフェンダーによって全幅が拡幅されたもので、基本ボディは全幅1695mmの5ナンバー。今回初めて基本サイズから3ナンバーサイズとなったことも新しい。また、ホイールベースは2620mmと長くなり、レガシィに近い車格感を感じさせるサイズとなった。 5ドアハッチバックというボディ形状の採用、さらに全幅の拡大による3ナンバー化など、一見すると日本のユーザーを無視したクルマ作りのように思えてしまう部分があるかもしれない。しかし、スバルは新型インプレッサで日本のユーザー、さらには熱烈なインプレッサファンを無視しているなどということはない。それは、この先のページを読んでいただければ間違いなく理解していただけることと思っている。 さて、ここから先は新型インプレッサの細部を徹底的に解剖しよう!!

新型インプレッサの細部を徹底的に解剖

「非常に失礼な質問なんですが……」とスバルのインプレッサ開発陣に切り出した。 「日本では伝統的に5ドアハッチバックが売れていません。これまでにも5ドアハッチの“いいクルマ”はあったと思いますが、販売的に成功したといえるクルマはありませんよね」 さて、インプレッサ開発スタッフの反応は!? 「重々承知しています。でも、これはインプレッサを進化させるために、絶対に必要な決断だったと確信しています」 と、野尻隆司商品企画本部主査は答えた。 「結果的にスタイルは5ドアハッチバック的ではありますが、これを私たちはハッチバックとは呼んではいません。バックドアを持った5ドアですが、類型的な5ドアハッチバックではなく、新しいスタイルを提案したいと考えています。パッケージングを追求した結果の5ドアだということです」と野尻主査。 6月5日にフルモデルチェンジで登場した3代目インプレッサは、従来の4ドアセダン&スポーツワゴンという2本立てから一転、5ドアハッチバックに一本化したボディで登場した。 全長4415mm、全幅1740mm、全高1475mmでホイールベースは2620mm。 これまでのインプレッサは、スポーツモデルのWRX(STI含む)は全幅1740mmで3ナンバーボディだったが、それ以外は全幅1695mmで5ナンバーサイズ。WRXシリーズは拡大したトレッドとワイドタイヤを収めるワイドフェンダーで拡幅されていたが、新型インプレッサはボディ全体がワイド化しており、いわゆるブリスターフェンダーやオーバーフェンダーではない。 また、旧型インプレッサでは2525mmだったホイールベースも2620mmに延長されており、明らかに1クラス車格がアップした印象だ。 「2620mmというホイールベースが5ドアを決断させた大きな要因となっているんです」と前出の野尻主査。 さらに野尻主査は「このインプレッサの開発がスタートした4〜5年前の初期段階から、2600mmレベルのホイールベースを採用することは決定していました。これは、WRCを戦うSWRTからの要請でもあったんです。もちろん、WRCが最優先というわけではありませんが、スバルとしては無視できない部分です。何度も現地スタッフとのミーティングを繰り返し、決定したのが2600mmレベルのホイールベースの採用と、前後オーバーハングの切り詰めでした」と新型インプレッサ開発のキーポイントを明かしてくれた。現代のハイスピード化したWRCを戦うには、ロングホイールベースによる基本的なスタビリティを確保しつつ、あとは技術力でコーナリング性能を高めていく考え方が主流なのだという。旧型インプの2525mmというホイールベースでは、スタビリティ不足が指摘されていたのだという。「結局ホイールベースは2620mmに決定するわけですが、これは、市販車としてのパッケージングと、競技車としての基本性能を高い次元で両立するポイントだったんです」と野尻主査は言う。ロングホイールベースとしたため、リアシートの居住性はこれまでのインプレッサと比べて格段によくなっている。特に、リアシートに座った時の足元スペースは上級モデルのレガシィと比べても遜色ないレベル。前後席間距離は旧型に対して65mmも長い927mmとなっているのであった。 また、前後オーバーハングも大幅に切り詰められている。フロントオーバーハングは旧型に対して25mm短い965mm、リアオーバーハングは120mmも短い830mmとなっている。 「特にリアオーバーハングを短くすることが大命題でした。これを実現するためには、どうしても5ドアハッチバックである必要があったわけです。4ドアセダンでこのホイールベースとリアオーバーハングを両立するスタイルを作ることは不可能でした。パッケージングを追求し、また、WRCレベルの運動性能を実現するために選択したのが5ドアハッチバックだったとご理解いただければ幸いです」と野尻主査。 賛否両論あろうが、こうして突き詰めて開発されたのであれば、「これが新しいインプレッサ」と受け入れたい。

なぜ? どうして? Q&A もっと深くNEWインプレッサを知る! インプレッサの疑問を解決

S-GTには最高出力250馬力、最大トルク34.0kgmを発揮する水平対向4気筒、2Lターボを搭載する。エンジンフードにはこのクラスとしては珍しくダンパーが装着されている S-GTには最高出力250馬力、最大トルク34.0kgmを発揮する水平対向4気筒、2Lターボを搭載する。エンジンフードにはこのクラスとしては珍しくダンパーが装着されている

疑問1 4ドアはなぜラインアップされないの? 「新型インプレッサはパッケージングと運動性能の高次元でのバランスをはかった結果、5ドアを採用することになった」という、前出の野尻隆司主査の言葉から、インプレッサは今回発表された5ドアこそ本命なのだということがよくわかる。日本で発表された新型インプレッサは、驚きの5ドア一本勝負であった。 が、インプレッサのワールドプレミアとなったニューヨークショーでは5ドアと同時に4ドアセダンも発表されている。4ドアの日本導入はないのか!? 「現段階では4ドアは北米専用と考えています」とスバル関係者は言うが、10月をめどに4ドアの日本導入が計画されているとBCでは読んでいる。 4ドアセダンは全長が4580mmと5ドアに比べて165mm長く、そのぶんリアオーバーハングが長くなっているのが特徴的。全長の延長分は、そのままリアオーバーハングの延長分となっている。リアはかなり長くなる。 「4ドアセダンは北米からの強い要望で作ったもので、リアオーバーハングが長く、本来開発陣がイメージしたインプレッサとは異なるものです。今のところ日本への投入計画はありませんが、市場からの要望が強ければ、今後の検討材料といたします」とは野尻主査。 さて、4ドアインプレッサの日本投入はあるのか!? 4ドアが好まれる日本の市場事情を考えても、BCでは「アリ」と思っている。 疑問2 2LNAはなぜSOHC? 新型インプレッサに搭載されるエンジンは3タイプ。このうち、売れ筋になると思われる2LNAはSOHCバージョンが搭載されている。このエンジン、スペックは最高出力140馬力、最大トルク19.0kgmで必要にして充分、だと思うんだけど、スバルの2LNAには最高出力180馬力、最大トルク20.0kgmを発揮するDOHCバージョンもあり、レガシィ2.0Rに搭載されている。 「環境性能、動力性能、燃費などの性能を高いレベルで満足するエンジンということで、2LNAはSOHCを採用した」とスバル開発陣は説明。10・15モード燃費は14.0km/Lをマークし、排ガスは★★★★。 確かに140馬力のSOHCエンジンは、低中速トルクの特性に優れ、高いドライバビリティを感じさせるハイバランスエンジン。見た目のスペックより「実」をとったということだ。 疑問3 ATはなぜ4速なの? レガシィには新開発された5速ATが搭載されている。いまやATの多段化は世界的トレンド。6速が当たり前で7速や8速なんてのもあり、5速でも「少ない」イメージ。正直、今さら4速ATというのでは、ちょっともの足りない印象は拭えない。「新型インプレッサでは全グレードにダイレクトAT、スポーツATを採用し、充分に気持ちのよい走りを楽しめるパワートレーンとなっている」と説明されているが……。 やはり、コストとの兼ね合い、上級モデルとなるレガシィとの差別化などがないとはいえないと思われる。重量増も無視できないポイントだったのだろう。 ただ、ATの制御に関しては、全グレードにECOモードが設定されており、スイッチで任意に選択するとシフトスケジュールが燃費重視となるなど、高性能化されている。 疑問4 リアサスをダブルウィッシュボーンにした理由 初代、2代目とインプレッサは4輪ストラットサスを採用してきた。今回の新型インプレッサでは、フロントサスがストラットというのは従来と同じだが、リアサスには新開発されたダブルウィッシュボーンが採用されているのが大きなポイントとなる。 このリアサスは、現行型レガシィに採用されるマルチリンクサスをベースに新開発されたもので、「レガシィのリアサスよりも絶対に高性能だと自負しています。これまでのストラットでも高い性能を発揮させていたのですが、より高いフットワーク性能を追求すると、ダブルウィッシュボーンが最適だった、ということです。今回の新シャシーを我々はSIシャシーと呼んでいます。また、リアをダブルウィッシュボーンにしたことで、荷室へのサスの張り出しを抑えることができ、荷室の横幅を大幅に広げることができました。横幅1352mmはクラストップです」と開発スタッフ。確かに荷室の横幅は充分に広いことがわかる。 フロントセクションは現行型レガシィのシャシーを活用しているのだという。エンジン搭載位置を10mm低くして、より低重心化を図っているのもポイントだ。 疑問5 4WDに何か新技術は? 新型インプレッサももちろん基本はスバルならではの「シンメトリカルAWD」である。 4WDが基本となるが、ベーシックグレードとなる1.5Lエンジン搭載の15SにはFFモデルの設定もある。逆に15S以外は全車4WDのみの設定となっている。 4WDには新技術を投入するなど、特に大きな仕掛けがあるわけではないが、従来からの技術に磨きをかけている。ターボのS-GTを含め、5MT車の4WDはビスカスLSD付きセンターデフ方式の4WDを採用、前後トルク配分は50対50となっている。 いっぽうAT車にはアクティブトルクスプリット4WDを採用。4輪の駆動状況、エンジントルクに応じて前後トルク配分をアクティブ制御することで、ドライバーが求めるトラクション性能を安定して発揮する。 疑問6 価格は安くなってるの? 1.5DOHCを搭載する15Sの価格は151万2000円(FF・AT)。旧型の同エンジン搭載車は1.5Rで153万3000円でやや値下げ。2LターボのS-GTは252万円で、旧WRXの257万2500円と比べてやはり若干の値下げとなっている。 疑問7 WRXの名はなぜやめた? インプレッサの最上級モデルに使われていた「WRX」。しかし、今回の新型インプレッサにWRXを名乗るグレードはない。 2Lターボエンジンを搭載するモデルに与えられたグレード名は「S-GT」。 「あえてWRXという、インプレッサのイメージリーダー的なグレード名を使わないことで、今度のインプレッサはこれまでとはまったく違うクルマなんだと言うことをアピールしたかった」とスバルの開発陣は言う。 クルマ好きにとってのインプレッサは、イコールWRXで、WRX以外のインプレッサはカゲの薄い存在のように捉えられていたが、スバルとしては、この状況を打破したかったのだ。 疑問8 STIの登場はいつになる? インプレッサといえばやっぱり気になるのがSTIだ。インプレッサのイメージリーダーであり、パフォーマンスの象徴となるのがSTI。 ズバリ、STIは10月、ラリージャパンに合わせて登場することになる。もちろんボディは今回登場した5ドアボディをベースとしたもので、ワイドタイヤを収めるためにフェンダーはブリスター化され、全幅は1780mm程度と迫力のスタイル。 エンジンは基本的にこれまでのSTIと大きく変わることはない。つまり、水平対向4気筒、2Lターボエンジンで、エンジン内部の開発にはSTIが大きく関わっている、というもの。ノーマルS-GTに搭載される250馬力使用とはまったく別もののエンジンに仕上がる。 気になるスペックだが、認可の問題もあり、表示馬力は不確定的部分もあるが、300〜320馬力での表示ということになりそう。実力的に320馬力をクリアしてくるのはS204の実績で証明ずみなので、疑いの余地はない。最大トルクは44.0kgm程度になるハズ。 4WDシステムはオーソドックスなフルタイム4WDで、センターデフには実績のあるDCCDを採用。パッケージング面で有利な5ドアを採用したことで、戦闘力アップを図っている。

明るく開放的なインテリアを採用 グレードは3エンジン3グレードに設定

2L NAはレガシィ2.0iに搭載される140馬力のSOHC版を採用。このエンジン、2000〜3000回転付近の実用域でのトルク特性が優れており、ドライバビリティに優れる 2L NAはレガシィ2.0iに搭載される140馬力のSOHC版を採用。このエンジン、2000〜3000回転付近の実用域でのトルク特性が優れており、ドライバビリティに優れる

●優れたパッケージングが魅力的 新型インプレッサのボディサイズは全グレード共通で全長4415mm、全幅1740mm、全高1475mmとなる。ホイールベースは旧型から95mm延長された2620mmとなっており、特にリアシートのレッグスペースの拡大が大きい。前後席間距離は旧型よりも65mmも長い927mmで、実際にリアシートに座ってみても、足元の余裕の大きさにビックリするほど。また、ラゲッジスペースもリアオーバーハングを切り詰める中で最大限のサイズを確保しており、リアシートを使った状態でフルサイズのゴルフバック2個、大型トランク5個を積み込めるサイズ。 インテリアは明るく開放的。インパネはスイッチ類を集中配置したセンターパネルを中心に、左右に広がり感を感じさせるデザインとなっており、ワイドで開放的。インテリアカラーはベージュとブラックが用意されてといるが、ターボのS-GTはブラックインテリアのみとなる。シートは標準タイプでも充分スポーティなドライブにも対応できるものもとなっているが、S-GTのスポーツパッケージではよりバケットタイプのシートを装着する。 ●3エンジン3グレード 【15S】 1.5LDOHCエンジン(110馬力、14.7kgm)を搭載するベーシックグレード。4WDの他に、このグレードのみFFの設定もある。トランスミッションはFF、4WDともに4ATと5MTの設定がある。価格はFFのATで151万2000円、4WDのATで166万9500円。 【20S】 新型インプレッサの中堅グレードで、販売的にも中心となる。搭載エンジンは2LSOHC(140馬力、19.0kgm)で、4WDのATのみの設定。 15Sの装備に加えて205/55R16タイヤ、本革巻きステアリング、フロントフォグランプ、フルオートエアコン、UVカット機能付き濃色ガラスなどが標準装備となっている。価格は194万2500円。 【S-GT】 250馬力、34.0kgmを発揮する2Lターボエンジンを搭載するトップグレード。4WDのみの設定で、トランスミッションは4ATと5MT。 HIDロービームが標準装備となっており、S-GTにのみ設定されるスポーツパッケージを選択すると、エアダム形状のフロントバンパー、サイドシルスカート、ディフューザー形状の専用リアバンパー、205/50R17タイヤ、バケットタイプフロントシートなどが装着される。価格はAT仕様で252万円、MT仕様で246万7500円。スポーツパッケージはプラス7万3500円のオプション。

研究 なぜNEWインプレッサは5ドアを選択した? WRCでのパフォーマンスアップに5ドアはそれほど有効なのか?

主要諸元 主要諸元

インプレッサが日本での販売上は絶対的に不利となることがわかっている5ドアハッチバックをあえて採用した最大の理由は、前述のとおり、ラリーフィールドでの戦闘力の向上。特にWRCの最前線となるSWRT、プロドライブなどからの要望が大きかったという。開発担当者は幾度となくイギリスに出向き、彼らとのミーティングを繰り返し、基本ディメンションを決定していったのだという。「WRCで勝つために」を合言葉に開発された非常にエキセントリックなクルマ。 現場からの要望は、ホイールベースの延長と前後オーバーハングの短縮。具体的には2600mm前後のホイールベースを提案してきたという。 なるほど、現在WRCを戦うWRカーは5ドアハッチバックばかりである。フォードフォーカスしかり、シトロエンC4しかり、プジョー206、307しかりである。フォーカスのホイールベースは2640mm、C4、307は2610mmである。スズキがWRカーでの参戦を表明しているSX4も5ドア。 決定的な理由はリアオーバーハングの短縮にある。ロングホイールベースとリアオーバーハングの短縮を両立させようとしたら、独立したトランクを持たない5ドアハッチバック形状となってしまう。 新型インプレッサの開発に初期からタッチしている野尻主査は、「2620mmのホイールベースが決定した段階で、次期インプレッサは5ドアがメインになる」と確信したという。北米向けに開発された4ドアセダンは全長が5ドアよりも165mm長いが、これはすべてリアオーバーハングが延長した分である。 現在のWRCでの主流はロングホイールベースだ。高速化が激しいWRCをコンスタントに安定して走らせるためには、基本シャシーの高いスタビリティが要求される。 「曲げるのは技術力でどうにでもなるんです」とスバルのある技術者は言う。 賛否両論、好き嫌いがハッキリ出そうな新型インプレッサ、日本での販売で5ドアハッチバックは高いハードルとなるかも。しかし、新型インプレッサは「ハンドリングの追求」を目指してあえて5ドアを選択したのだ。

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