自動車保険Q&A:盗難犯罪と自動車保険
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盗難犯罪と自動車保険
クルマに乗ろうと駐車場に行ったら、愛車は影も形もなかった 。こんな事件がいつあなたの身に降りかかるかわかりません。右下の表にあるように、ここ2・3年で自動車盗難犯罪の発生件数は急上昇。平成4年を100とすると昨年はその約 2 倍の件数になっているのです。日本の安全神話は終わったという話がありますが、もはや他人事で済ませられないのが現状です。クルマの盗難とくれば、当然自動車保険にも大きくかかわってくること。今回は自動車の盗難と保険についてお話ししましょう。
Q1 クルマによっては車両保険に入れないこともあるって本当ですか?
A1 高級車や海外で人気の4WD車などが保険に入れないこともあります
   車両保険はクルマの用途・車種ごとに保険料が違います。自家用自動車( 普通・小型)の場合、クルマの型式ごとに9クラスに保険料率が分類され、保険料が算出されます。 この料率が高いクラスになると車両保険が高額になり、とくに「9」クラスのクルマの車両保険は高額な保険料となってしまいます。リスク細分型自動車保険を取り扱う損保会社のなかには、高額な車両保険が予想される車種の保険を受けないところもあります。とくに、近年の組織的な自動車盗難犯罪にねらわれやすいクルマなどが、車両保険に入れないことがあります。高級輸入車やスポーツカーも同様です。
Q1 盗難防止装置が付いていると車両保険料は安くなるの?
A1 純正またはメーカーオプションのイモビライザーなら割引のある保険もあります
   最近国産車でも装備しているクルマが増えてきたイモビライザーは、ID登録されたキー以外ではエンジンをかけられないシステム。今では、このイモビライザーを装着したクルマの車両保険を5%割引する保険会社が登場しています。この車両保険割引の対象になるのは、純正またはメーカーオプションのイモビライザーだけです。後付け盗難防止器は現状で割引対象になりませんが、一部の機器メーカーで盗難発生時の見舞金という形で保証金を支払っているところもあります。今後、有効な盗難防止システムが登場すれば、保険業界全体の対応として割引制度が確立されるかもしれません。

自動車盗難犯罪の急増で保険料が高くなる
車両盗難が増えるにつれて損保会社の保険金支払額も急増しています。平成13年度の統計では、車両保険金の払件数が前年度比74%増、支払額は520億円で前年度比26%増(日本保険協会調べ)にもなっています。 このまま状況が悪くなると、保険料のアップのみならず、保険引き受けの制限がさらに進行することも考えられ、事態は深刻化しているのです。保険料が高騰すると無保険車が増えることにもつながるため、自動車盗難害犯罪はこの意味でも、くい止めなければならないのです。
年度別自動車盗難発生件数 Q&A
年度(平成) 認知件数 指数 検挙件数 犯罪率/10万人
4年 34,740 100 14,140 27.9
11年 43,092 124 15,241 34.0
12年 56,205 162 11,415 44.3
13年 63,275 182 13,390 49.7
※注.指数は平成4年を100とした場合の数字。
※注.犯罪率とは、人口10万人当たりの犯罪認知件数をいう。犯罪率算出に用いた 人口は、各年10月1日現在の推計人口(総務庁統計局)または国勢調査人口。