日産 スカイラインクーペ
●セダンからおよそ1年半遅れて発売されたV35型スカイラインのクーペモデル。北米市場を見据えて設計されたデザインはセダンと似たイメージだが、全幅はクーペのほうが広い。トルク感溢れる3.5L V6エンジンを搭載し、5速ATと6速MTを設定。07年10月に現行型へモデルチェンジされた。中古市場では、発売初年度の平成15年式にタマ数が集中している状況で、130万円前後がボリュームゾーン。セダンと比べてクーペのほうが高価格になる傾向も見てとれる。
中古車マニアでもある清水草一が各著名人と対談し、
クルマ談議に花を咲かせるトークコラム!
- 今号のゲスト
- 自動車評論家 前澤義雄さん
- 東京芸術大学卒。日産自動車にて、マキシマ、フェアレディZ、プリメーラ、パルサーなどのデザインを担当。93年に独立し、現在は自動車評論家として活躍中。
乗って誇れるクルマバンザイ!の巻
日産の元チーフデザイナー・前澤さんは、クルマの専門家のクセに、ほとんどクルマを買ったことがない。そんな前澤さんの弱点を突いてみた。
清水 前澤さんって、なんでクルマ買わないんです?
前澤 ……飢え死に寸前なのに、そんな高いものが買えるか。
清水 いま貧乏のどん底だってことは知ってますが、日産の社員時代も買ってませんよね?
前澤 2台。それでやめた。
清水 なんでです?
前澤 クルマは買うもんじゃない。作るもんだ。
清水 なるほど! 確かに僕にはクルマ作れないからな〜。だからいっぱい欲しいんですかね?
前澤 ……酒、女。カネを使うならそっちの方がいい。
清水 男らしいお答え、ありがとうございます。しかしですね、いま仮に多少のお金があって、前澤さんが国産中古車を買うとしましょう。そしたらどんなのを選びますか?
前澤 ……乗って誇れるクルマは、まず先代のスカイラインクーペ。
清水 あれはキレイですね。それはデザインだけで選んだ感じですか?
前澤 デザインも大事だが、すべてひっくるめての評価だ。
清水 現行のスカイラインクーペよりイイですか?
前澤 デザインは先代の方が上だ。それから、現行型のアコードツアラー。
清水 あれもホントにカッコいい!
前澤 デザインの狙いを明快に出しているから、人の目を引く。プロポーションに個性と新しさがある。
清水 つまりカッコいいってことですね。
前澤 あとは、現行型のマークX。
清水 佐藤部長のモテモテマシンですな!
前澤 全体的になんとなくいい感じだ。
清水 突如としてシロートっぽい表現ですね(笑)。
前澤 なんとなくいいということは、プロポーションがいいということだ。それはどんなデザインの素人にもなんとなくわかる、と言いたかっただけだ。
清水 ところで前澤さん、デザインの評価としては、スバルR1の方が高かったんじゃ?
前澤 あれは買わない。
清水 なぜ?
前澤 軽には乗りたくない。
清水 えーっ! そんなひどい! あれだけ誉めといて「軽には乗りたくない」はないでしょう!(笑)