中古車目利き講座 日産 スカイライン クーペ

上質車両を見極める 中古車目利き講座
スカイライン クーペ
参考車両 : 350GT プレミアム 
初年度登録2006年1月
NISSAN
SKYLINE COUPE 
CBA-CPV35
日産 スカイライン クーペ
国産車では唯一といえる高級クーペで、車両価格が高額。しかも趣味性の高いクルマなので、新車で購入したユーザーの多くはクルマ好きだ。丁寧に扱われて、メンテナンス状態が良好な車両も少なくない。車体まわりと室内をしっかりチェックすることはもちろんだが、エンジンをはじめ、走行に関わる部分の状態を念入りに確かめよう。各部の様子を総合的に判断して、どのような使い方をしていたか。どのような走り方をしていたかを推察することも、車両のコンディションを見極める目安になるだろう。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
350GT プレミアム CBA-CPV35 6MT FR
350GT プレミアム CBA-CPV35 5M-AT FR
●11代スカイライン(V35型)の2ドアクーペ。2003年1月にAT、2月にMTが発売され、2004年11月に一部改良している。
 参考車両は、2005年11月にマイナーチェンジした「後期型」と呼ばれるモデルで、ヘッドランプ、フロントバンパーサイドシルプロテクター、リアコンビネーションランプなどの外観を変更。内装は、パールスエード/本革コンビシートを標準装備、ドアアームレストにステッチ追加、スピーカーリングのアルミ化などで高級感を高めている。
 さらに、プラズマクラスターイオンフルオートエアコン、エアコン左右独立温度調整機能、 ヒーター付ドアミラー、ヘッドランプオートレベライザー(ランプ新基準対応)なども標準装備になっている。
 仕様グレードは、前期型には標準タイプもあったが、後期型では上級仕様の「350GTプレミアム」だけが設定されている。
 エンジンは3.5リッター(3498cc)で、駆動方式はFR(後輪駆動)。トランスミッションは、6速マニュアルと5M-AT(マニュアルモード付5速オートマチック)がある。
 その後、スカイライン(セダン)は2006年11月にフルモデルチェンジ。クーペは、2007年10月にフルモデルチェンジしている。
車両の雰囲気を探る
 少し離れた位置から、車体の周囲をひと巡りして、車両全体の様子を見てみよう。
 外板パネルの隙間(立て付け)、塗装面の状態、車両の傾きなど、外観各部に違和感や異常がないかをチェック。
 前面は、バンパー/ボンネット/グリルの横ラインが曲がっていないか。ヘッドライトも含めて左右対称になっているかを確認。
 ヘッドライトが片方だけ新しい場合は、交換している疑いがある。単なる破損や不具合などか、周辺部の修理によるものなのか、交換した理由を詳しく探る必要がある。
 ナンバープレートの曲がりや損傷も、修理/交換のヒントだ。
スカイライン クーペ
スカイライン クーペ 角度を変えながら見る
 車体表面の傷や凹みなどを探る時は、見る角度を変えながら観察しよう。
 斜め方向から透かして見ると、見落としやすい広くて浅い凹みや波跡(波打って見える板金修理跡)なども見つけやすい。
 また、塗装面が部分的に不自然な箇所にも注意しよう。艶や色調が違っているとか、ザラザラした肌荒れ状態になっているなどの異常は、補修跡か、あるいは板金修理跡も考えられる。
整備状態を確かめる
 定期点検整備記録簿と合わせて、エンジンと周辺の部品をチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
 周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑える。消耗部品か、故障や不良か、事故などでダメージを受けたのか、記録簿を探って、交換した理由を突きとめよう。
スカイライン クーペ
鉄板部の様子も見てみる
 エンジンルーム内は、左右フェンダー側のインナーパネルや室内側のダッシュパネル(スカイラインは隔壁が2重になっている)など、各部の鉄板をチェック。
 車両前部に大きなダメージを受けると、走行機能面に不具合が生じる。修理跡(溶接、シーラー、塗装の異常)、歪み、しわなどはないか、確かめよう。
 部品などに塗装の飛沫が付いている場合は、周辺に修理の痕跡がないか、探ってみよう。
スカイライン クーペ ボンネットのチェック
 外観面の傷や凹みなどを調べる以外に、裏側に修理跡がないかも確かめよう。縁の鉄板接合部に注意しながら、塗装状態などもチェック。
 さらに、支えている金具(ヒンジ)部の固定ネジを脱着した形跡(交換の疑い)がないかも確かめよう。ボンネットを外すのは、ボンネットだけの修理、事故などによる損傷修理、大がかりなエンジン整備などの理由が考えられる。
車体前部の必須チェック
 大きな衝撃を受けると、影響が及びやすく、修理あるいは交換する確率が高いラジエターコアサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている)をチェック。
 スカイラインは樹脂製なので、損傷を負うと交換することになるが、固定部のヒビ割れやラジエターコアサポートが新しい場合は、車体前部にダメージを受けている可能性が高い。
スカイライン クーペ
スカイライン クーペ 取り付け状態をチェック
 フロントフェンダーは、ボンネットを開けて、固定しているネジを確かめよう。脱着した形跡があれば、外して修理したり、交換している可能性がある。
 フロントフェンダーは重要な車体補強部材ではないので、傷や凹みの補修や修理をしても修復歴車にはならないが、外して修理するほどなら大きな衝撃を受けていると考えられる。交換している疑いがあれば、車体前部を広範囲に詳しく調べる必要がある。
隙間の幅と色調を比べる
 外板パネルの立て付けは、例えば、車体前部から側面にかけては、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス左右にある柱)などが隣合わせになっている。
 それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、いずれかを修理/交換している可能性が高いと見立てることができる。
 また、隙間を境に、隣り合うパネルの塗装の色調も比べてみよう。修理や交換をすると、色艶が違って見えることがある。
スカイライン クーペ
スカイライン クーペ 車体側面のチェックポイント
 側面のドアに大きな損傷を受けると、外して修理したり、交換してしまうこともある。ドアを支えているヒンジの固定ネジをチェックしよう。
 ただし、立て付けを調整するためにネジを回すこともある。ネジ脱着の形跡だけでは、ドアの修理/交換とは断定できない。
タイヤとホイールをチェック
 タイヤは、減り具合(残り溝の深さ)を点検すると同時に、外周の接地面をチェックしよう。一部が極端に減っている偏摩耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。
 タイヤの角が削れて側面まで擦り減っている場合は、激しい走り方をして、車体をはじめ、エンジンやサスペンションなど、各部に負担をかけて疲労や消耗が進んでいる可能性が高い。
 ホイールは、リム部を傷付けることも多い。傷があれば、凹みを伴っていないか、ホイールが変形していないか、調べよう。
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スカイライン クーペ 車両の情報を確かめる
 備え付けの書類は、車両取扱説明書の他に、カーナビなどの装備機器類の説明書が(オプションや後付けの社外製品なども)揃っていることを確かめよう。
 また、車両のチェックには、定期点検整備記録簿が欠かせない。過去にどのような整備を受けてきたか、必ず記載記録内容をチェックしよう。
 定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
 詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていても、走行機能部分には大きな問題を抱えていないと推察できる。
車体後部の様子を確認
 後部も前部と同様に、やや車両から離れて、バンパーとトランクリッド、コンビネーションランプ(リアライト)が並んでいる横線がずれていないか、左右対称になっているか、観察しよう。
 トランクリッド(トランクの蓋)を閉めた時の立て付けを見て、全体に隙間が狂っていれば、リッドがずれているか、あるいは車体の歪みが疑える。右左の片方だけに異常があれば、その側の車体部を修理しているはずだ。
 開閉した時にしっかり閉まらない(スムーズにロックできない)場合も、リッドのずれか、車体の歪みが考えられる。
 また、ナンバープレートの封印を剥がした形跡は、車体後部を修理している可能性が高い。
スカイライン クーペ スカイライン クーペ
スカイライン クーペ スカイライン クーペ トランクの開口部を調べる
 トランクリッドを開けて開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで接合されているのが見える。溶接やシーラー、塗装などの状態を確かめよう。左右を比べながら、特にコンビネーションランプ付近に注意してチェック。
 後方から強い衝撃を受けると、キャビン(室内部)との接合部やルーフパネルの前部にまで波及することもある。修理箇所を見つけた場合は、周辺と同時に、関連する部分も詳しく調べる必要がある。
 また、後部に大きなダメージを受けると、トランクリッドを交換することもある。固定ネジやヒンジを確かめよう。車体側のネジを脱着していれば、車体部を修理している可能性が高い。
床下を覗いてチェック
 鉄板部に傷や凹み、歪み、修理している痕跡などがないか、確認しよう。
 車体左右にあるサイドシル(ドア下の車体前後方向に通っている梁の部分)の下部にも注意。
 車体後部は、車体部とシャシー(サスペンション取り付け部)の継ぎ目周辺に溶接の乱れがないか、要確認。周囲と塗装状態が違う部分にも注意しよう。
スカイライン クーペ
部品の状態にも注意
 床下をチェックする時は、マフラーなどの部品類に損傷を受けていないか。修理や交換している形跡などがないかも、探ろう。
 サスペンションアームなど、走行に関わる部品に傷や歪みがある場合は、走行に支障がないか、見極める必要がある。
 また、オイルやグリスなど、油脂類による汚れ(滲みや漏れ)がいないかもチェックしよう。
スカイライン クーペ 装備機器類を操作する
 まず、保安機器(ウインカー、ホーン、ヘッドライトなど)が間違いなく作動することを確かめる。
 さらに、エアコンなどは、温度調節や風量も試してみる。電装機器や電動機構などは、スイッチをオン/オフするだけでなく、正常に機能しているかどうか、調整操作して確かめよう。
 パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯、電動シート調整なども忘れずにチェックしよう。
 カーナビを装備している場合は、操作の解説書の他に、地図データの発行時期も確かめよう。
エンジンをかけてみる
 始動時の様子やアイドリング回転などを探ってみよう。
 エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。
 容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っている他に、充電系統の不良やエンジンの不調など、さまざまな不具合が考えられる。
 また、スカイラインクーペの6気筒エンジンは、正常なら振動は少ない。エンジン回転中に、異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
スカイライン クーペ
スカイライン クーペ 細部までしっかりチェック
 室内の汚れや傷、穴などは、運転席まわりだけでなく、後部席周辺も念入りに探ろう。
 タバコの臭いなどは、ドアを開けた瞬間に嗅ぎ取るのが目利きのコツだ。
 シートはサポート部(左右の盛り上がり)が大きめで、座面が低いこともあって、乗り降りを繰り返すと表面が擦り切れてしまうことがある。特に傷つきやすい運転席の右(ドア)側に注意しよう。
オートマチックのチェック
 セレクトレバーを操作して、トランスミッションの状態をチェック。 エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、試してみよう。
 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しい、あるいは繋がるタイミングが長すぎるなどの異常がないかをチェック。マニュアルモードの状態も、走行中に確かめたい。
スカイライン クーペ
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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 中古車の目利きチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行(有料)してくれる。
Tel. 03-5776-0901 www.jaai.com
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