TOYOTA　トヨタ　ALPHARD　アルファード　25　リヤ　デファレンシャル　ビスカス　カップリング　オイル漏れ　異音　チェックランプ　点灯　診断　修理　点検　整備｜車検・点検・修理のグーネットピット

こんにちは！
今回はトヨタアルファードのリヤデフのオイル漏れ修理をしていて、今後増えるだろうな
と思うような故障内容だったので参考になればと思い作業内容をまとめてみました！
ぜひご参考になってください

こちらのお車は車検でのご入庫で、その整備の一環としての整備です
ちょっと作業途中の写真になってしまったのですが、矢印のあたりがオイルまみれになっていました！
作業前に試運転を行いましたが、異音やチェックランプの点灯はありませんでした

こちらはリヤデファレンシャルという、フロントからの動力を後輪のタイヤの回転に変換する部品です
ですので、FR車や4WD車には当たり前についている駆動部品です

で、デファレンシャル本体と、前側の部分をビスカスカップリングといい、車両によっては分離できます
今回は分離できたので、その内部でオイルを塞き止めているであろうオイルシールが劣化などで切れていることによってデフオイルが漏れてきているのだろうということが予想できました
なので、ビスカスカップリングをデファレンシャルと分離して外してみます

するとどうでしょう
実際オイルシールが切れているのが確認できたのですが
それ以外にも不具合として、ビスカスカップリング内のベアリングが粉砕していたのです

こんなカケラがビスカスカップリングとリヤデファレンシャルの間からぽろぽろと出てきます
破損したベアリング片です

こちらは摘出したオイルシールと新品の比較です
オイルシールというよりもはや残骸です

破損したベアリングの破片を巻き込みながらビスカスカップリングが回転するので、オイルシールを引っかき切断
オイル漏れにつながったという感じです

なにが言いたいかというと、このオイル漏れ、放置してるとベアリングの欠片がデファレンシャル本体に入ってしまったり、ベアリングそのものが完全に粉砕してしまうということが起きます
するといずれデフブローは免れません
リヤデファレンシャルから異音がするだけならかわいいもので、最悪デフがロックします
つられて前側のデファレンシャルであるトランスファも壊れる可能性があります
簡単に言うと、自走不能状態です
タイヤ回りませんから

ちなみに新品と比べるとこれだけ違います
新品にはきちんとベアリングを保護するオレンジ色のシールがきちんとついています
これも粉砕されてますね
また、今回は大丈夫でしたが、こちらは電動ビスカスカップリングといい、電子制御で2駆と4駆を切り替えるためのマグネットクラッチにもなっています
破片がその配線を巻き込んで切れる場合もあります

この場合はマグネットクラッチが作動しませんので、2駆と4駆が切り替わりません
4WDの警告灯が点灯します
いずれにせよ、このベアリングの破損というのが厄介で、オイル漏れのとどまらず、走行中に異音などがする
抜けてたデフオイルに異物が混入している
などの状態ではビスカスカップリングだけでなく、リヤデファレンシャルASSY交換が必要になります
こうなると高額修理です！
ビスカスカップリングもちょっと値段は張りますが、リヤデフ交換となると18万円はくだらないと思います
トランスファも破損するとさらに倍以上でしょうか

オイル漏れがある場合は自走不能になる前に速やかに修理をおすすめします

ちなみにトヨタのこのデフを採用している車は非常に多く、ノア、ヴォクシー、エスティマ、ウィッシュなどにも使われています
今回は修理後に異音などもなく、ビスカスカップリングのみの交換で済んだので下記の金額で収まったというラッキーなパターンです
このデフを採用している重量級のお車は負荷がかかりやすい部分です
14～5万km走行で壊れることが多いようなので、該当の方は気にしてみてくださいね！