新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.07.16
ボルボ V70 試乗レポート(2015年07月)
V70らしい走りを叶える新しいパワートレーン
ボルボのラインアップのなかでは古参に属するV70だが、いまも魅力は色褪せていない。スクエア基調のスタイルや抜群の積載性に代表される伝統の「ボルボらしさ」を見直す動きもあり、上級ワゴン市場における存在感をキープしている。そんなV70に最新パワートレーンが移植されたことは、ファンにとっては大きなニュースだろう。
試乗したのは「T5」。その名称からわかるように新しい心臓は、V60やS60にいち早く導入されて高い評判を得ている2L直噴ターボ+アイシンAW製8速ATのコンビ。「なんだ4気筒か」というファンもいるだろうが、5気筒ターボと同等以上の245馬力/35.7kg mを誇るといえば納得するだろう。
これまでの売れ筋は180馬力/24.5kg mを生む1.6L直噴ターボに6速DCTのパワーシフトを組み合わせた「T4」。その能力は十分なものだが、ボトムのトルクが不足気味でDCTの半クラッチ操作も完璧とは言い難かった。その点、2L直噴ターボはどんな場面でも十二分なゆとりを提供してくれ、8速ATの変速はスムーズそのものなのだから乗り味の違いは明確だ。
ハッキリ言って、大柄なワゴンであるV70に似合う心臓は「T5」。一生懸命に走る感じがぬぐえない「T4」とは違い、加速や登坂の場面でもアクセル開度が小さくてすみ、高速走行でのゆとりや静粛性でもひとつ上の実力を持つのが「T5」の魅力だ。動力性能に余裕があるから、よりリラックスした気分でドライブを楽しむことができる。
今回の試乗車はオプションの18インチ40タイヤを履いていたが、この組み合わせはスポーティな走り味やルックスを好む人にはお薦め。だが、V70本来の快適かつ落ち着いた走りを味わうのには、標準の17インチ50タイヤのほうが適していると言えそう。ボクの推奨は17インチだ。
文●森野恭行 写真●内藤敬仁、北川 泉
問い合わせ ボルボお客様相談室 TEL:0120-922-662
Detail Check
コックピット
コックピット
モデルライフの長いV70だが、インテリアを大幅リニューアルするなどして魅力を保つ。液晶メーターやセンタースタックのデザインは、最新の「ボルボ流」を採用。当然、安全装備なども順次、内容を更新している。
インテリア
インテリア
広く、ルーミーなキャビンはいまもV70の大きな魅力。足元、頭上高ともに十分な余裕を持つ後席や、掛け心地のやさしいシートも高く評価したい。
エンジン
エンジン
かつての「T5」はターボ付きの直5ユニットを意味したが、現在の「T5」は2L直4。直噴ターボを採用し、245馬力/35.7kg mの高性能を生む。ミッションは8速ATだ。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
容量は約575~1600L。スクエアなスタイルを特徴とするボルボの伝統で、荷室は広く、使いやすい。内張りの仕上げも高級。
主要諸元:ボルボ V70 T5 SE(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4815×1890×1545mm |
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ホイールベース | 2815mm |
トレッド前/後 | 1590/1585mm |
車両重量 | 1710kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 245ps/5500rpm |
最大トルク | 35.7kg m/1500-4800rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/50R17 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2014年12月)
V70 T4 SE(6速AT) | 499万円 |
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V70 T5 SE(8速AT) | 529万円 |
V70 T6 AWD(6速AT) | 769万円 |
Body Color
□クリスタルホワイトパール ■カスピアンブルーメタリック ■ブライトシルバーメタリック ■ブラックサファイヤメタリック ■フラメンコレッドメタリック □アイスホワイト |