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更新日:2024.03.13 / 掲載日:2024.03.13
ポルシェ911ダカール 砂漠を走り抜ける!パリダカ制覇モデルをオマージュした限定車
PORSCHE 911 Dakar【グーワールド コラム/ニューモデル】
文●九島辰也 写真●内藤敬仁、澤田和久
問い合わせ:ポルシェコンタクト TEL:0120-846-911
URL:https://www.porsche.com
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年4月号の内容です)
パリ・ダカでの活躍が蘇る最新911注目のホットモデル
かつてWRCが今よりも盛り上がっていた時代があった。高性能4WDスポーツカーが鎬を削っていたグループBあたりがそうだろう。参加車両はアウディ スポーツ クワトロ、フォード エスコートRS、プジョー 205 T16、フェラーリ 308 GTBあたり。あまりに事故が多かったことからわずか4年で終わったカテゴリーだ。
その流れから生まれたモデルが別にある。当時ポルシェがパリ・ダカールラリーに参戦するために開発されたロスマンズポルシェのカラーリングをまとった953や959だ。911の背を高くしたボディが、雪道や砂漠を駆け回る姿はかなりセンセーショナルだったといえる。ちなみに、ポルシェは1984年のパリダカで総合優勝している。
そんな時代のオマージュとして生まれたのがこの911ダカールである。披露されたのはロサンゼルスモーターショー。2022年11月のこととなる。
ではそのスペックだが、スリーサイズは全長4530mm、全幅1864mm、全高1338mmとなる。車両重量は1680kg、ロールケージの入った車内は2シーターでハンドル位置は左のみ。そしてエンジンは3L水平対向6気筒ツインターボ。最高出力は480馬力で最大トルクは570Nmに達する。組み合わされるギアボックスは8速PDKで、駆動方式は当然4WDだ。
ユニークなのはサスペンションで、通常の911よりも50mm嵩上げされるほか、油圧式のリフトシステムで前後のアクスルをさらに30mm上げることができる。実際にそれを試したが、目に見えて変化がわかった。ここがダカールの醍醐味であることは明白だ。
では実際に走らせるとどうかだが、3点式とはいえホールド性の高いバケットシートと背後のロールケージから予想されるように、まんまラリーカー。一般道でも溝の深いオールテレインタイヤが小石を跳ね上げタイヤハウスの内側でそれが踊り出す。よって当然乗り心地は硬めなのだが、それでもダンパーが効いていてひどい突き上げなどはない。この辺の塩梅は絶妙で、あえての普段使いもできそうだ。タイヤはピレリのスコーピオン。銘柄だけ見たらカイエン?ってことになるが、オプションでPゼロの夏タイヤも用意している模様。ラリー競技に出る予定がなければそちらのほうが使い勝手はいいだろう。
そんなダカールの価格は3099万円。試乗車はラリーデザインパッケージを筆頭に総額500万円以上のオプションが付いていた。なかなか痺れる価格だが、すでに完売という声が聞こえている。