中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2015.05.29
トヨタ カローラアクシオ ハイブリッド(2013年8月~)中古車購入チェックポイント
トヨタ カローラアクシオ ハイブリッド (2013年8月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:ハイブリッド(DAA-NKE165)
初度登録:2013年8月
追加装備:〈メーカーオプション〉ウォッシャー連動間欠リアワイパー、オーディオレス(カバーレス)・4スピーカー〈ディーラーオプション〉オーディオレスカバー、ハイブリッド車専用フロアマット
■全体のチェックポイント
2012年5月に発売した11代目「カローラ」に、2013年8月に追加されたハイブリッド車。肝心なのはハイブリッドシステムだが、運転補助機構など走行機能全般の具合も必ず確認したい。「アクシオ」は、比較的丁寧に乗っている車両が多いとも言われているが、車体まわり・室内・装備機器などの状態も、もちろん慎重にチェックする。
走行機能に関わる部分にも注意しながらチェック
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか車体まわりを観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリルなどと同時に、アッパーグリルやヘッドランプ、フェンダーなどの状態も見て、立て付けもチェック。下側のエアスパッツ(タイヤの前にある整流板)の破損などにも注意。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.ドアと関連部をチェック
3.ドアと関連部をチェック
ドアは、外面だけなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など周辺の状態も調べる。
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、床下側も覗いて、サイドシル(梁)に損傷や腐食などがないかチェック。特に、下に突き出ているパネル接合部の修理/交換跡に注意したい。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
5.関連部の損傷にも注意
5.関連部の損傷にも注意
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺の状態も調べる。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどを慎重にチェック。ガーニッシュやナンバープレート、エキゾーストテールパイプの損傷などにも注意。
トランクリッドは、開閉具合をチェック。内側やヒンジ部もチェック。開口部も、パネル接合部に溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡などがないか見る。さらに、トランクフロア下周辺のパネルも、腐食、歪み、修理/交換跡などがないか調べる。
7.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないか見て、固定状態も調べる。フェンダーブラケット(支え金具)や周辺の車体パネルもチェック。
最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品なども、要チェック。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
ハイブリッド車は、175/65Rタイヤ&樹脂フルキャップ付15インチスチールホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御VSC/TRCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
ホイールは、キャップに傷や破損、緩みなどがないかチェック。ホイール自体も、錆や損傷、リムの縁(タイヤと接している部分)の曲がりなどに注意しながらチェックする。
9.床下の様子もチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
水漏れ、オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の状態を見る。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「カローラアクシオ ハイブリッド」は、4ドアセダンの車体構成。外装は、専用フロントグリル、ハロゲンヘッドランプ、サイドターンランプ付電動格納式ドアミラー、LEDリアコンビネーションランプなどを標準装備。“シナジーブルー”トヨタマークやHYBRID SYNERGYDRIVE エンブレムがハイブリッド車を表している。
エンジンルーム内には、1.5Lガソリンエンジン、ハイブリッド用トランスミッション、パワーコントロールユニット、高電圧エアコンプレッサー。後席下に高電圧ニッケル水素バッテリー。その後方にガソリンタンク。後席下右に補機用12Vバッテリーがある。床下とエンジンルームにはオレンジ色の高電圧ケーブルが通っている。
衝撃吸収構造なども要点といえるのだが、車体構造はともかく、走行機能に支障があるダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換した箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、破損などがないかチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮の染み、擦れ、破れ。装飾パネルの割れ。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは、動き具合や可動部の損壊にも注意しながらチェックする。
2.後席やトランク室も見る
2.後席やトランク室も見る
前席と同様に後席周辺も、シート、ドア、床、天井まわりまでチェック。後席座面下にハイブリッドバッテリーと補機バッテリーがあることも、いちおう考えておこう。
車体まわりをチェックする際にトランクリッドを開けた時には、トランク室の状態も見ておく。
3.装備機能の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。ワイヤレスドアロックリモコンによるドア解錠・施錠など、それぞれの機能と作動具合をチェック。
オートエアコンは、自動調整や調整・設定機能やナノイー(パナソニックの空気清浄微粒子イオン)発生機能の作動具合をチェック。エアフィルターの交換状況などにも注意したい。
4.追加装備の状態も確認
4.追加装備の状態も確認
参考車両には、メーカーオプションのオーディオレス・4スピーカー(標準装備は2スピーカー)とディーラーオプションのオーディオカバーが付いている。ナビやオーディオを追加したければ、販売店に相談してみよう。
★細部は販売店で調べてもらう
参考車両は、スタンダードタイプの「ハイブリッド」。メーカーオプションのリアウォッシャー連動間欠ワイパーとオーディオレス・4スピーカー(ハイブリッドGは標準装備)、ディーラーオプションのオーディオレスカバー(空いているナビ/オーディオユニット装着場所を塞ぐカバー)とハイブリッド車専用フロアマットを追加している。いずれにしても、中古車をチェックする際は、車両の装備内容を販売店で確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器に異常がないか確認したい。
ハイブリッド制御と走行機能の具合を必ず確認
1.システムを始動してみる
ハイブリッドシステム始動時は、エンジンスイッチの機能を確認。表示灯・警告灯、メーター、インジケーターなどを見るほか、ハイブリッドやエコ運転の状況なども表示するインフォメーションディスプレイやステアリング(メーター操作)スイッチ機能などもチェック。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転補助機能もチェック
走行系は、[P・R・N・D・B]へのシフト具合と各ポジションでの機能動作をチェック。可能なら試乗して、ハイブリッド制御(発進・低中速・通常・急加速・減速・制動・充電・停車)、走行制御(坂道発進・登坂・モーターTRC)、エコドライブモード[ECOMODE](エアコンも抑制)、EVドライブモード[EV MODE]などの具合をチェック。VSC&TRCと[TRC OFF]、EBD付ABS&ブレーキアシスト、EPSといった運転補助装置などの作動具合もチェックしたい。
とはいっても、異常を判断するのはまず無理。走行機構各部は販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
ハイブリッド車は、1.5L直列4気筒・アトキンソンサイクル・VVT-iエンジン、ハイブリッド用トランスミッション(モーター、発電機、減速機、動力分割機構)、パワーコントロールユニット、ハイブリッド用高電圧ニッケル水素バッテリーなどで構成した1.5Lハイブリッドシステム[リダクション機構付THS II(トヨタハイブリッドシステム2)]を搭載。VSC(横滑り防止)&TRC(空転防止)、EBD付ABS&ブレーキアシスト、ヒルスタートアシストコントロール、車両接近通報装置、車速感応型電動パワーステアリング、モードスイッチ(エコドライブモード・EVドライブモード)などを備えている。
各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行機能関連各部の整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、すべての機構をきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2012年5月に発売した11代目「カローラ」。先代よりもコンパクト化し、内外装を一新。セダンの「カローラアクシオ」(以下アクシオ)は1.3Lエンジン〔CVT・2WD(FF前輪駆動)〕と1.5L〔5速MT・2WD、CVT・4WD〕、ステーションワゴンの「カローラフィールダー(以下フィールダー)」は1.5L〔5MT・2WD、CVT・4WD〕と1.8L〔7速マニュアルモード付CVT・2WD〕を設定。2012年6月に1.5L〔2WD・CVT〕を追加し、アイドリングストップ(メーカーオプション)を設定。
●2013年8月に、「アクシオ/フィールダー」に1.5Lハイブリッドシステム搭載車を新設定。
「アクシオ ハイブリッド」は、ハイブリッド専用フロントグリル、ワイヤレスドアロックリモコン、マルチインフォメーションディスプレイ付2眼メーター&ステアリングディスプレイスイッチ、ナノイー機能付オートエアコン、フルキャップ付15インチスチールホイールなどを全車に標準装備。
仕様グレードの「ハイブリッド」は、ウレタンステアリングホイール&シフトノブ、幾何学調シボインパネ、トリコットシート表皮、オーディオレス・2スピーカーなどが標準装備のスタンダードタイプ。
「ハイブリッドG」は、高遮音性・トップシェード付フロントガラス、本革巻ステアリングホイール&ブルー加飾シフトノブ、網目柄パネル、合皮巻インパネ、スライドアームレスト付センターコンソールボックス、ベロア調トリコットシート表皮、ステアリングオーディオスイッチ、オーディオレス・4スピーカーなどを標準装備している上級タイプ。
両グレードに、“シートヒーター(前席)装着車”なども設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
ハイブリッド | DAA-NKE165 | eCVT | FF |
ハイブリッドG | DAA-NKE165 | eCVT | FF |
●2015年4月に「アクシオ/フィールダー」はマイナーチェンジし、内外装および装備設定を一部変更。1.5L・2WD・CVT車は、新開発1.5Lエンジンを採用。ハイブリッド車は、ハイブリッドシステムを効率化し、燃費を向上している。