中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.18 / 掲載日:2015.03.27
日産 マーチ 中古車購入チェックポイント
日産 マーチ(2013年6月~2014年5月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:G(DBA-K13)
初度登録:2014年1月
追加装備:〈ディーラーオプション〉日産オリジナルメモリーナビ+4スピーカー
■全体のチェックポイント
2010年7月に発売した4代目(K13型)が、2013年6月にマイナーチェンジした後のモデル。[PURE DRIVE]エンブレムを付けた“エコマーチ”と呼ばれているアイドリングストップ搭載車は、低燃費もポイント。車体・内装・装備機器の状態を調べるほか、基本的な走行機能や低燃費機構などの具合も確認しよう。
関連部にもダメージが及んでいないか確認する
1.外見から探っていく
1.外見から探っていく
まずは、外装に異常がないか注意しながら車体まわりを見ていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部あたりに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。バンパーのロアグリルやアッパーグリル、ヘッドライトなどもチェック。下側にあるスポイラーの破損などにも注意。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)なども、損傷や修理跡がないか見る。
3.ドアまわりをチェック
ドアは、外面だけでなく、接合部に注意しながら内側のパネルもチェック。外して修理/交換していないかネジやヒンジもチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など車体側の関連部もチェックする。
4.下側に要チェックポイント
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に傷、凹み、腐食、修理跡などがないかチェック。特に、下に突き出ているパネル接合部に交換した形跡がないか注意したい。
同様に、ドア開口部のステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
5.損傷の程度を確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。
左リアフェンダーは、フューエルリッドもチェック。給油口周辺も、修理跡やマスキング跡がないか見る。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、コンビネーションランプ、バックドア、フェンダー、ピラーなどに異常がないかチェック。下側のマフラーの損傷などにも注意。
バックドアは、解錠・施錠、開閉の動き、跳ね上げ(ロッドダンパーの効き)の具合をチェック。バックドアの内側やヒンジ部周辺もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラー、塗装の状態に注意しながらチェック。さらに、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡などがないかチェックしたい。
7.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品なども、慎重にチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「マーチ」は、165/70Rタイヤ&フルホイールカバー付14インチスチールホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不良や車体の歪みなどにも要注意。
ホイールは、ホイールカバーに損傷や破損などがないか見て、ガタなどがないか固定状態もチェック。ホイール自体も、錆やリム(タイヤと接している部分)の曲がりなどに注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態をチェック。
★損傷や修理歴の有無を確認する
「マーチ」の車体は、5人乗り5ドアハッチバックの作り。ハロゲンヘッドランプ、フルホイールカバー付14インチスチールホイール、ロッドアンテナなどは全車の標準装備。アイドリングストップ搭載車のバックドアには[PURE DRIVE]エンブレムが付いている。「G/G Four」は、フロントバンパーロアグリルメッキ加飾、ドアロック連動自動格納機能付ドアミラー、リアドア/バックドアプライバシーガラス、メッキドアハンドル&バックドアカラードドアハンドルなどを装備している。
車体まわりのチェックでは、外装のほか、車体骨格やサスペンションなど走行に関わる部分もダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやポケット、ボトルホルダーなどは、内部の状態も見る。
シート表皮の染み、ほつれ、破れ。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの開閉機構部破損。頑固な汚れや染み、樹脂部品の深い傷や割れなど、修繕が難しい傷みにも注意しながらチェック。
2.室内後部までチェック
2.室内後部までチェック
前席だけでなく、後席も、リアシート、フロントシート背面、ドア、床、天井まわりまで見る。可倒式リアシートの折り畳みなども試しながら周辺の状態をチェック。同様に、後部のラゲッジスペースも、傷みなどがないかチェックする。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ミラー、ブレーキ/バックランプ/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備の作動状態をチェック。インテリジェントキーの機能と各ドアの解錠・施錠、ドアハンドルのリクエストスイッチ機能の具合などもチェック。
オートエアコンは、特に冷房の効きに注意して、調整・設定機能の具合をチェック。アイドリングストップ搭載車は、エアコンを制御する機能があることにも注意したい。
4.追加装備の機能も確認
4.追加装備の機能も確認
参考車両には、ディーラーオプションの日産オリジナルメモリーナビゲーション+4スピーカーが付いている。ナビをはじめ、オーディオ、ヴィジュアル、接続、通信など、付随・連携する機能も異常がないか確認したい。
★細部は販売店で調べてもらう
参考車両の「G」は、インテリジェントキーやオートエアコン、メーター内ディスプレイ(燃費、フレンドリーメッセージ、サービスインターバル、タイヤアングル、半ドアポジションを表示)、6:4分割可倒式リアシートなどを標準装備。ディーラーオプションの日産オリジナルメモリーナビ(ナビ、CD/DVD・FM/AM・TV・SD/USB・Bluetooth)+4スピーカーを追加している。いずれにしても、販売店で車両の装備内容をまず確認。電装機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。
走行関連機能各部の調子と整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合をチェック。インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター装備車は、スタート・ストップ機能も確認。表示・警告灯の点灯、メーターやディスプレイの表示なども見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転補助機能もチェック
2.運転補助機能もチェック
エンジンをかけたら、CVTの[P・R・N・D・L]レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速動作をチェック。Dレンジの時に使える[SPORT]モード(セレクトレバーボタンの下にON-OFFスイッチ)の制御具合もチェック。
アイドリングストップ搭載車は、エンジン自動停止・再始動やアイドリングストップ[OFF]スイッチ、坂道発進時後退抑制などの機能も正常か確認したい。
とはいえ異常かどうか判断するのは難しいので、走行関連機構は販売店で細かく点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「マーチ」は、1.2L直列3気筒エンジン、副変速機(2段変速)付CVT(自動無段変速機)、発電電圧可変制御(減速エネルギー回生充電機能を含む)、EBD(電子制御制動力配分システム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)、ブレーキアシストなどを搭載。2WD車「X/X Vセレクション/G」は、アイドリングストップ装置を装備している。各機構の構造はともかく、それぞれの機能が正常かチェックしたい。とりあえずはエンジン周辺だけでも見て、走行系各部の点検整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、走行関連機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、パネルの接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2010年7月に発売した4代目(K13型)「マーチ」。新設計の車体に、新開発1.2Lエンジンや新世代CVT(無段変速機)を搭載するなど、すべてを一新。2WD(FF前輪駆動)と電動(モーターアシスト方式)4WD「Four」を設定。2WD車には、日産が推進する“エンジン進化型エコカー”「PURE DRIVE ピュアドライブ」第1弾となるアイドリングストップ搭載車を設定。従来型車と同様のオーテック カスタムカー「ボレロ」も設定。その後、2011年6月30日、2012年4月、2012年12月に一部改良や仕様変更をしている。
●2013年6月にマイナーチェンジ。内外装デザインや装備を一部変更。グレード名も変えている。ハロゲンヘッドランプ、LEDハイマウントストップランプ、マニュアルエアコン、オーディオレス、14インチスチールホイールなどを全車に標準装備。
仕様グレードの「S」は、電動格納式ドアミラー、リモコンエントリーシステム、リア可倒式ベンチタイプシートなどが標準装備のベーシックタイプ。
「X/X Four」は、ドアロック連動自動格納機能付ドアミラー、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキーなどを装備したスタンダードタイプ。「Vセレクション」は、リアドア/バックドアプライバシーガラスやオートライトを追加装備。
「G/G Four」は、フロントロアグリルメッキ加飾、リアドア/バックドアプライバシーガラス、オートライト、メーター内ディスプレイ、リア6:4分割可倒式シートなども標準装備した上級タイプ。
「ボレロ」は、X/X Fourをベースに、内外装をドレスアップし、フルオートエアコンやプライバシーガラスなども装備するオーテック カスタムカー。
「ニスモ(NISMO)」は、2013年12月に発売したスポーツバージョン。Xがベースの低燃費仕様「ニスモ」と、専用1.5Lエンジン+5速MTを搭載してサスペンションや車体もチューニングしたパフォーマンス仕様「ニスモS」を設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
S | DBA-K13 | CVT | FF |
X | DBA-K13 | CVT | FF |
X V セレクション | DBA-K13 | CVT | FF |
X Four | DBA-NK13 | CVT | 4WD |
X Four V セレクション | DBA-NK13 | CVT | 4WD |
G | DBA-K13 | CVT | FF |
G Four | DBA-NK13 | CVT | 4WD |
ボレロ | DBA-K13 | CVT | FF |
DBA-NK13 | CVT | 4WD | |
ニスモ | DBA-K13 | CVT | FF |
ニスモS | DBA-K13 改 | 5MT | FF |