車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2018.01.25
第2回目 AUDIまるごと。
アウディ R8
ソリッドなボディに圧倒的なポテンシャルを放つ駆動系。レースからフィードバックされた技術が注がれるアウディ珠玉のハイパフォーマンスモデルは、新たなブランドの下、その勢いを加速させる!
文●九島辰也 写真●アウディ
プレミアムブランドのスーパースポーツ部門
市販車ではSUVが目立つ最近のアウディだが、昨年彼らはサブブランドを立ち上げているのをご存知だろうか?それが「アウディスポーツ」。アウディのレース部門とレーシングカーの製造、それと一部市販車の開発をする部門である。
具体的な市販車は昨年フルモデルチェンジしたR8を筆頭とするスポーツモデルで、RSシリーズがそれに当たる。ご存知のようにスタンダードモデルとは異なるスペックの持ち主ばかりだ。
そしてそのノウハウを彼らはレース経験から手にしている。長年、ル・マン24時間レースやWEC(世界耐久選手権)で培ってきたものをそこに投入しているのである。まさに「サーキットは走る実験室」の言葉を実践しているのである。
という背景で生まれたフラッグシップのR8はド級のスポーツカー。最新の技術を載せて安全性を高めながらもスーパーカー的スペックを備える。5.2L V10エンジンの最高出力は610馬力。そう、もはや異次元の走りなのである。
R8
アウディの頂点を極めるスーパーカー
昨年フルモデルチェンジしたR8。これを機にV8エンジンはカタログ落ちし、V10のみとなった。パッケージングはこれまでと同じミッドシップで、クーペとスパイダーがある。駆動方式は当然クワトロ。610馬力のパワーで4つのタイヤを駆動させる。最高時速330km、0-100km/h加速も3.2秒と、その速さは伊達ではない。
キープコンセプトながらエッジの立ったデザインのエクステリア。もっとも進化したのはインターフェイスで、最新技術がそこに備わる。
アウディ R8 クーペ V10 プラス 5.2 TFSI クワトロ(7速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4425×1940×1240mm |
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車両重量 | 1670kg |
エンジン | V10DOHC |
総排気量 | 5204cc |
最高出力 | 610ps/8250rpm |
最大トルク | 57.1kg m/6500rpm |
サスペンション前後 | ダブルウィッシュボーン |
新車価格 | 2456万円~2906万円(全グレード) |
TT RS
サイズを超えたリアルスポーツ
アウディ TT RS
コンパクトな2ドアクーペのボディに、400馬力を発揮する2.5L直5ターボエンジンを搭載したのがこのクルマ。もはやオーバースペックとも言えるユニットでレーシーな走りを楽しませてくれる。もちろん、エンジン以外にもボディの軽量化と剛性アップ、サスペンションのチューニングに手が入る。0-100km/h加速3.7秒は見事だ。
フロントのフォーリングスはR8と同じ位置に置くことが許される。リヤはウイングとディフューザー、大径エキゾーストパイプが個性を発揮。エンジン、インテリアはRS専用で、シートにもRSの文字が入る。
アウディ TT RS クーペ(7速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4190×1830×1370mm |
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車両重量 | 1490kg |
エンジン | 直5DOHCターボ |
総排気量 | 2480cc |
最高出力 | 400ps/5850~7000rpm |
最大トルク | 48.9kg m/1700-5850rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
新車価格 | 989万円~1005万円(全グレード) |
RS MODEL
多彩に選べるアウディのスポーツモデル
R8やTTだけでなく、RSシリーズは各ラインアップにも用意される。しかもクーペ、カブリオレ、アバント、ロードスターといったようにさまざまで、今後さらに追加される予定だ。
CHECK.3 エコブランドへ導く哲学
アウディ A3 スポーツバック eトロン
完全無比なるボディワークとハイレベルなエンジニアリングの象徴ともいうべきアウディブランド。エコモデルにもそのこだわりはしっかりと息づいているのである。
文●九島辰也 写真●アウディ
レースで培われた次世代のエコ技術
レーシーなイメージのアウディだが、エコな分野でもトップランナーであることは間違いない。そのヒントになるのがe-Tron(イートロン)。2009年から彼らが次世代パワートレーン搭載のコンセプトカーとして発表してきたモデル名だ。
具体的には、電気自動車とプラグインハイブリッドモデルを指す。要するに大型リチウムイオン電池を積んでモーターを動かすパワーソースということだ。ハイブリッド車との違いはそこで、e-TronはEV走行を重視する。これまでA6/A8/Q5にハイブリッド車をラインアップしたが、それとは別物だ。
上の写真のA3スポーツバックe-Tronは、まさに彼らが考える次世代実用パワーソースの1台だ。そしてアウディが他ブランドと違うのはこうした技術をサーキットで培ってきたこと。長年、ル・マン24時間レースでもハイブリッドユニットを採用してきた。が、それもついに次のステージに到達。この冬からはいよいよフォーミュラEへのワークス参戦がはじまっている。
A3 SPORTBACKe-Tron
アウディの豊かさが凝縮されたエコカー
アウディ自慢の1.4L直4ターボユニットTFSIと電気モーターを組み合わせたのがこのクルマのパワーソース。外部充電が可能なプラグインハイブリッドなのだ。そしてその基本メカニズムは兄弟車であるゴルフシリーズのゴルフGTEと大部分を共有する。同じMQBプラットフォームということを考えれば当然の話。ただ走りはアウディらしさ満載だ。
重量バランスを考え運転席後方にリチウムイオン電池を配置。電気だけで最大約53kmの走行が可能となる。
200Vプラグで約3時間、100Vプラグで約9時間という充電時間を要する。充電状況はスマホで確認が可能。充電ポートがフォーリングスの裏側にあるというのもユニークなポイントだ。
アウディ A3 スポーツバック eトロン(6速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4330×1785×1465mm |
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車両重量 | 1570kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1394cc |
エンジン最高出力 | 150ps/5000-6000rpm |
エンジン最大トルク | 25.5kgm/1500-3500rpm |
モーター最高出力 | 109ps |
モーター最大トルク | 33.7kgm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
新車価格 | 564万円(全グレード) |
ECO FOR FUTURE
EVでもクワトロを堅持するアウディ
今年4月の上海モーターショーでアウディはアウディe-Tronスポーツバックコンセプトを発表した。写真のクルマがそれで、4ドアクーペといったスタイリングはA7スポーツバックに近い。駆動方式は前後に2つのモーターを配したクワトロシステムで、0-100km/h加速は4.5秒、最高時速は210km。2019年に市販されるか?
日ごろの成果を世界の舞台で発揮!サービス技能コンテストAudi Twin Cup
高度なテクノロジーとハイクオリティを誇るアウディ。だからこそサービスにも高度なものが求められる。アウディでは、正規ディーラーのサービスをプレミアムにふさわしいものとするべく、継続的な取り組みを行っている。
文●グーワールド 写真●アウディ
アウディの魅力である精緻でスムーズな走行フィーリングやクワトロに代表される高度なメカニズムは、適切なメンテナンスなしでは維持できない。そこでアウディでは、プレミアムを標榜するブランドとしてそれにふさわしいアフターサービス体制を築き、維持するために正規ディーラーのメカニックのスキル向上を目的とした競技会「Audi Twin Cup」を開催している。
競技会は、世界40カ国で行われる国内予選と予選を勝ち抜いた代表選手によって行われるワールドチャンピオンシップによって構成。名前は「サービス部門」と「テクノロジー部門」というふたつの競技が行われることに由来する。
「サービス部門」では、オーナーからクルマを預かる際のコミュニケーションスキルと正確な診断技術を競い、「テクノロジー部門」ではメカニックによって整備技術が競われる。筆記試験と実車を使った実技双方の得点によって、世界一のディーラーが決定する。
なお日本勢としては、2014年の第10回大会でサービス部門が、2011年の第7回大会ではテクノロジー部門が優勝を果たしている。
アフターサービスもプレミアムであるために世界のAudi正規ディーラーが技術を競う
最近のクルマには専用テスターを使っての診断が欠かせない。エラーコードから不具合箇所を想定し、適切な対処を取る。
積み重ねた知識と経験をもとに、注意深く点検を行なっていく参加者たち。ひとつひとつの項目を確実にチェックしていく。
Twin Cupには世界各国のディーラーから参加者が集まるため、会場は国際色豊か。だが、プロフェッショナリズムはいっしょだ。
Audi Twin Cupとは
アウディが、「専門メカニックによる作業」、「専用テスターによる正確な作業」、「安心と信頼のお客様対応」を実現するべく世界規模で実施している競技会。