車のエンタメ
更新日:2018.11.12 / 掲載日:2016.04.28
新型「XC90」は目の前を走るクルマがエネルギーチャージ!?
2015年に誕生したボルボのクロスオーバーSUV「XC90」。約13年ぶりにモデルチェンジを受けた2代目ということで注目を集めているが、アメリカではPHV(プラグインハイブリッド)モデルである「T8」の「特殊な能力」が話題になっている。
YouTubeのVolvo Car USA公式チャンネルで公開された動画では、XC90のT8はガソリンと充電池、さらに「他車」から動力を得ることができるっていうんだけど……。他車ってどういうこと?
答えは、ハイウェイの一部に振動エネルギーで発電する装置を設置して、走行するクルマから発生する「無駄になってるエネルギー」を電力に変換、XC90 T8の充電に使っちゃおうというプロジェクトなのだ。
実践の場となったのは、カリフォルニアのハイウェイ。道路の脇の殺風景な景色のなかに、白いXC90 T8が見える。プラグインハイブリッド充電用のノズルを差してはいるが、ハイウェイを走ってくるクルマのドライバーからはほとんど認識できなさそうだ。
XC90の奥には大きなディスプレイがあって、ハイウェイの段差をクルマが通過すると「THANK YOU BLUE VOLKSWAGEN(ブルーのフォルクスワーゲン、ありがとう)」とか「THANKS FOR THE EXTRA MILE, JEEP(ジープのオーナーさん、エクストラマイルをありがとう)」ってな感じに車種を指定した「ありがとうメッセージ」が表示されるんである。走っているクルマのドライバーたちは、自分に向けてメッセージが表示されているらしいことには気づいているものの、なにが起こっているのかはまったくわからないようで、いぶかしげな表情を浮かべながら走り去っていく。そのうちに、XC90 T8が眠りから覚醒したかのようにライトを点灯して、ハイウェイへ……。
クルマが走るときの振動って、けっこうなエネルギーなんだなぁ。充電にどのぐらいの時間を要したのかわからないし、ほかのクルマに向けたお礼のメッセージを表示させないでそのぶんの電力も充電にまわしてたらもう少し短い時間で走り出せたんじゃないかと思ったりもしたけれど、それでも車両重量が2300kgを超えるXC90 T8が走り出せるぐらいの電気をつくり出せてるっていうのは単純にすごい!
高速道路全体を振動発電装置にして、発電した電気を高速道路の照明とかSAやPAの急速充電スタンドに供給するなんてことができたら、電力不足や地球温暖化という現代社会の問題を少し緩和できちゃうかもしれない。そんな循環型のクルマ社会、実現したらいいと思いませんか?