【ホンダ】燃料電池自動車の活用Power Exporter 9000とは

Power Exporter 9000は、2016年3月に発表されたホンダの圧縮水素を燃料とする、
燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」と組み合わせることで、
蓄えられた電気を外部へ供給するためのインバータです。

水素エネルギー社会に向けた自動車開発に向けて掲げた、
「つくる」「つかう」「つながる」の3つのコンセプトのなかで、
水素と「つながる」というコンセプトを担います。

Power Exporter 9000は、災害時など電気が確保できない時に、
外部電源として「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」で発電した直流電圧を、
外部へ交流電圧として供給するために使用します。

電力網の復旧までの非常電源として、避難場所などで幅広い使い方が可能です。

主な特徴は以下の通りです。

・車両の電気（直流電圧）を家庭用電源（交流電圧）に変換（インバータ）
・高品質で安定した良質な電力のため、非常時には医療機器にも電力供給が可能
・合計最大9.0kVAの出力が得られるため、規模の大きな避難所などにも対応できる
・「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」と接続すれば、一般家庭で約7日分の電力供給が可能
・平常時では屋外イベントやアウトドアなど、さまざまな場所で活用できる
・排気ガスが出ないため、静かで自然環境にも配慮

定格出力：9.0kVA
出力電圧：AC100・200V（単相三線式）
周波数：50/60Hz（切替式）
電力変換方式：インバータ方式
重量：50.8kg
全長×全幅×全高：755×387×438mm
出力端子：100V×6口/200V×1口
適用規格：電動自動車用充放電システム
　　　　　ガイドライン V2L DC版
価格：1,092,593円（税別）

Power Exporter 9000の接続確認済みの車両（2017年1月現在）は以下の通りです。
自動車メーカーの枠を超えた車種と接続が確認されています。

・クラリティ フューエル セル
・フィットEV

・MIRAI

・リーフ
・e-NV200

・アウトランダー PHEV

Power Exporter 9000などの外部電源システムは、
2011年の東日本大震災以降、自動車メーカー各社が積極的に開発している分野です。

電源確保が必要な非常時に、
車が電気の供給源となりライフラインをも支える役割を担うことができる、
非常に意義のあるシステムです。

今後も予知できない災害に備えて、
走る電源として燃料電池自動車やプラグインハイブリッドカーから、
効率よく電気を取り出す電源供給システムとして、進化と普及が望まれます。