タントの最大の魅力、それは広大な居住スペースであることは間違いない。高い天井による頭上空間がもたらす前席の開放感も見事だが、真骨頂は後席。はじめて座ったひとは驚かずにはいられないだろう。呆れるほどの広さなのだ。
前席同様に頭上にゆとりがあるだけでなく、足元スペース(前席との距離)の広さといったら、セダンは比較にならず大型ミニバンの感覚。この後席の広さを知ってしまい、ほかのクルマに乗り換えられなくなったという声が多く寄せられるのも頷ける話だ。
同じダイハツでタントより背の低いムーヴに比べても、後席足元がゆったりしているのである。
そのうえ、利便性の面で進化しているのも見逃せない。たとえば後席ドア。2代目は助手席側がスライドで運転席側がスイング式だったのに対し、3代目は左右ともスライド化。狭い場所でも全開できて子供の乗り降りを楽にするほか、運転席に座る前、もしくは運転席から降りたあとに後席の荷物を取る際などにも都合がいい。
そして初代や2代目になかった3代目ならではのトピックは、「スマートアシストII」と呼ぶ自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の設定だ。先進かつ高度なシステムで万が一の際に事故を防ぐ同機能は、いまどきのクルマ選びで重視される安全装備。全グレードに装着車を設定(福祉車両には全車標準装備)される。中古車でも高い安全性を求めて3代目をねらう価値が十分にある。
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