21世紀に入り、日本を代表するカルチャーとして世界中に広まった「カワイイ文化」。7年半ぶりにフルモデルチェンジしたアルトラパンは、日本のカワイイ文化が創り出した“女性のためのクルマ”といっていいだろう。とても日本らしい。
ラパンはいわゆる「セダンタイプ」の軽自動車でワゴンRやスペーシアなど背の高いモデルでは入庫できない一般的な機械式立体駐車場も使えるパッケージング。プラットフォームは新型アルトと共用し、車体は徹底的な軽量化が施され、わずか650kg(Gグレード)という軽さ。おかげで走りは軽快で燃費も乗り心地も軽自動車トップ水準だ。
先代までの累計で約64万台が販売されているが、そのユーザーの9割以上が女性。かわいらしさを具現化したエクステリアからインテリアの雰囲気まで、女性向けを前提としたクルマづくりがおこなわれている。
女性ニーズの反映は見た目だけではない。たとえば快適装備として、女性に評判の「ナノイー」はスズキの新型車として初採用。日焼けを嫌う女性のニーズを反映し、紫外線を約99%カットし日焼けを防ぐガラスをフロントドアの窓に装備(フロントウインドウも同様の効果がある)している。また、車両を真上から見下ろすような俯瞰画像を表示して安全確認や車庫入れを助ける全方位モニターもスズキの新型車として初めてオプションで設定した。
激戦区の軽自動車界でラパンは、ターゲットを絞った明確なコンセプトで大きな存在感を身につけているのである。
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