中古車購入チェックポイント
更新日:2018.09.21 / 掲載日:2014.01.10

トヨタ プリウス (2011年12月~) 中古車購入チェックポイント

  • トヨタ プリウス (2011年12月~) 中古車購入チェックポイント

    トヨタ プリウス

    DAA-ZVW30
    参考車両:G
    初年度登録:2012年10月
    追加装備:<メーカーオプション>プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)、レーダークルーズコントロール、HDDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム、タッチトレーサーディスプレイ、インテリジェントパーキングアシスト、ヘッドアップディスプレイ (2012年10月)

  • トヨタ プリウス

■全体のチェックポイント

参考車両は、3代目プリウスZVW30型が2011年12月にマイナーチェンジした時期のモデル。まず、外装・内装をしっかりチェック。大切なのは、肝心なハイブリッドシステムの制御をはじめ、車両安定性制御機構など走行機能に異常や不具合がないこと。特に、トヨタハイブリッドシステムを正しく点検・整備しているかどうか確認したい。

外見だけでなく関連部にも注意しながらチェック

  • 1.車体のバランスを見る

    トヨタ プリウス (正面)

  • 1.車体のバランスを見る

     まずは、外装に異常がないか探ってみる。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意したい。

  • 2.隣接部も同時にチェック

    トヨタ プリウス (正面左)

  • 2.隣接部も同時にチェック

     バンパーは、角や下部に損傷がないかチェックし、立て付けも調べる。ウインカーやフォグランプ、下側にあるスパッツ(空気整流板)などもチェック。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁やタイヤハウス内も覗いて、損傷や修理跡などがチェック。

3.車体の内側もチェック

 車体前部は、ボンネットも、修理や交換していないかチェック。フェンダーの内側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態も調べる。エンジンルーム最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートも要注意ポイントだ。

  • トヨタ プリウス (内側1)

  • トヨタ プリウス (内側2)

  • トヨタ プリウス (内側3)

  • 4.ドアと周辺を調べる

    トヨタ プリウス (ドアと周辺)

  • 4.ドアと周辺を調べる

     ドアは、外面だけなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理、あるいは交換していないか、ヒンジやネジもチェック。同時に、ドアキャッチ(ロックの受け側)など関連部やピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など周辺の状態もチェックする。

5.下側に要チェックポイント

 車体側面は、下部に装着しているサイドマッドガードに損傷がないか、修理や交換していないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。さらに、ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。

  • トヨタ プリウス (下側1)

  • トヨタ プリウス (下側2)

6.開閉具合もチェックする

 後部も、バンパー、テールゲート(バックドア)、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。 テールゲートは、解錠・施錠と開閉の具合、全開状態で下がってこないかチェック。テールゲートやヒンジ部に損傷や修理跡がないかチェック。パネル接合部の状態に注意しながら開口部も慎重にチェック。

  • トヨタ プリウス (開閉具合もチェック1)

  • トヨタ プリウス (開閉具合もチェック2)

7.傷の程度と範囲にも注意

 ドア開口部は、乗り降りによる傷や凹み、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、損傷の程度と範囲を確認。左リアフェンダーは、フューエルリッドと給油口周辺もチェック。

  • トヨタ プリウス (ドア開口部)

  • トヨタ プリウス (フューエルリッドと給油口周辺)

★損傷箇所や修理歴を確認

 車体の骨格部を修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換していないか販売店に聞いてみよう。傷や修理箇所などを記載した評価表を備えている車両なら不安は少ないといえる。

室内の状態と装備機器の機能をチェックする

  • 1.隅まで細かくチェック

    トヨタ プリウス (室内)

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスなどは内部も見る。
     シートは、染み、擦れ、破れ、盛り上がっているサポート部の傷みや縫い目のほつれなどに注意。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などは、可動部の破損にも気を付けながら動き具合もチェック。

2.装備機器の作動を確認

 ヘッドランプ、ウインカー、ブレーキランプなどの保安装置はもとより、ワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど、基本的な電装機器の作動状態をチェック。電子キーによる各部動作も確認。オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整機能をチェックする。

  • トヨタ プリウス (室内1)

  • トヨタ プリウス (室内2)

  • トヨタ プリウス (室内3)

  • トヨタ プリウス (室内4)

3.全席をもれなくチェック

 前席周辺だけでなく、室内後部も丹念にチェック。後席は、センターアームレストや6:4分割可倒の折り畳み具合などもチェック。 ラゲッジルームは、トノカバーやデッキフックなどもチェック。床のデッキボードを開けて、アンダートレイ周辺もチェック。左側のサイドトレーや右側の補機用バッテリー収納部も、カバーを開けて内部の状態を見ておきたい。

★販売店で細部まで調べてもらう

 装備機器類の作動状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックする。どこかに不具合などがないかは、販売店に聞いて確認しよう。

★追加装備の機能も確認

 参考車両は、メーカーオプションの[HDDナビゲーションシステム]、[JBLプレミアムサウンドシステム]、[パーキングアシスト]、車速や走行レーンなどをフロントガラスに映写表示する[ヘッドアップディスプレイ]、ステアリングスイッチの操作状況をメーターに表示する[タッチトレーサーディスプレイ]、衝突予防と衝突被害軽減に役立つ[ミリ波レーダー方式プリクラッシュセーフティシステム]、レーダーセンサーで感知して車間距離などを制御する[レーダークルーズコントロール]を追加装備している。それぞれの機能および連携・関連機能がすべて正常か確認したい。

  • トヨタ プリウス (追加装備1)

  • トヨタ プリウス (追加装備2)

ハイブリッドシステムと走行機能が正常か確認

  • 1.システムを始動してみる

    システムを始動してみる

  • 1.システムを始動してみる

     ハイブリッドシステムの始動時には、電子キーとパワースイッチの具合をチェック。表示・警告灯やインジケーター類、エコドライブモニター、警告メッセージ表示、警告ブザーなどにも注意したいが、わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。

2.各モードの機能もチェック

 電気式無段変速機は、エンジン/動力分割機構/発電機/モーターを電子制御することで無段変速機として機能する…といった難しい話はさておき、シフトレバーの操作具合をまずチェック。可能なら試乗して、ハイブリッド制御(停車/発進/低速走行・通常走行・急加速・減速/制動)をチェック。シフトレバーの[R・N・D・B]と[P]ポジション(電気式パーキングロック)スイッチのほか、パワーモード[PWR MODE]、エコドライブモード[ECO MODE]、EVドライブモード[EV MODE]なども、走行時に正常に機能するかチェックしたい。 とはいっても、異常を判断するのはまず無理なので、販売店で点検してもらうほうがいい。

  • 各モードの機能もチェック1

  • 各モードの機能もチェック2

  • 3.タイヤとホイールをチェック

    ダイハツ ムーブ ホイール

  • 3.タイヤとホイールをチェック

     タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検。傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いも考えられるが、車体の歪みなどにも要注意。
     ホイールキャップ付アルミホイールは、ホイールキャップの損傷と取り付け状態をチェック。アルミホイールは、リムの縁(タイヤと接している部分)の曲がり、事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。

  • 4.床下の様子も覗いて見る

    ダイハツ ムーブ 床下

  • 4.床下の様子も覗いて見る

     車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
     油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)や水漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。

  • ★整備状態を確認する

    整備状態を確認する

  • ★整備状態を確認する

     トヨタのハイブリッドは、モーターとエンジンで駆動すると共にモーター走行しながら発電する“シリーズパラレルハイブリッド”と呼ばれるシステム。1.8Lエンジン、動力分割機構、駆動用モーター・発電用モーター、パワーコントロールユニットなどをエンジンルームに収めて、駆動用バッテリーと補機用バッテリー(システム稼働や電装品の12V系電源を供給)は車体後部に置いている。せめて日常点検項目くらいは見てみたいが、とりあえずオイル漏れなどにも注意しながらエンジンルーム内をチェック。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認しよう。

★正しく点検・整備してもらう

 車両の購入を決めるなら、ハイブリッド関連機構はもちろん、ステアリング協調車両安定性制御システムS-VSCやヒルスタートアシスト機能なども含めて、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。ハイブリッド車の点検整備には特定の資格や専用工具などが必要なので、販売店が対応できるかどうかも確認したいところだ。

■最初に車両の現状を確認する

 中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • 書類

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • 書類

  • 「立て付け」を見る

    「立て付け」を見る
    ●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。●パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • 「立て付け」を見る

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • 「取り付け状態」を見る

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート/トランクリッドなどは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺の状態も調べる。

  • 「取り付け状態」を見る

  • 「接合部」を見る

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際には溶接部分を外すことがあるので、パネル接合部を調べる。●スポット溶接(丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • 「接合部」を見る

■今回の車両のプロフィール

●2009年5月に発売した3代目ZVW30型「プリウス」。1.8Lガソリンエンジンと高出力モーター、リダクションギヤ(モーターの力を増幅する減速機)を組み合わせた[リダクション機構付THS II(トヨタ ハイブリッドシステム2)]を搭載し、運転支援機能なども充実。車体の最適化し、燃費・環境性能、走行性能、安全性能を向上している。

●2011年12月のマイナーチェンジで内外装を一部変更。車体を強化し、乗り心地・操縦性・走行安定性を向上。車両接近通報装置を全車標準装備。オプションのナビを変更し、JBL プレミアムサウンドシステムを設定した。
仕様グレードの「L」は、ハロゲンヘッドランプ、ウレタンステアリングホイール、ワイヤレスドアロックリモコン&スマートスタートなどが標準装備のベーシックタイプ。「S」は、ディスチャージヘッドランプ、リアドア/バックドアプライバシーガラス、スマートエントリー(運転席)&スタートシステムなど装備したスタンダードタイプ。「G」は、フロントフォグランプ、本革巻きステアリングホイール、スマートエントリー(運転席/助手席/バックドア)&スタートシステム、クルーズコントロール、スエード調ファブリック×合成皮革シート、運転席電動シートなどを標準装備した上級タイプ。
セットオプションとして設定している「ツーリングセレクション」は、LED ヘッドランプ、リアバンパースポイラー、17インチアルミホイールを追加。「ツーリングセレクション・レザーパッケージ」では、さらに、タッチトレーサーディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、プリクラッシュセーフティシステム、レーダークルーズコントロール、本革シート、インテリジェントパーキングアシスト、HDD ナビゲーションシステムなどを追加装備する。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
LDAA-ZVW30ECVTFF
SDAA-ZVW30ECVTFF
S ツーリングセレクションDAA-ZVW30ECVTFF
GDAA-ZVW30ECVTFF
G ツーリングセレクションDAA-ZVW30ECVTFF
G ツーリングセレクション・レザーパッケージDAA-ZVW30ECVTFF

●2012年10月には、オプション設定を一部変更。特別仕様車「マイコーデ」を設定している。

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グーネットマガジン編集部

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