【総合評価】
いわゆる生活4駆では能力に不満があり、遊び心も満たされない。かといって、ジムニーでは本格派すぎる。そんなニーズを満たす存在として、ひと昔前にはKei(ケイ)がラインナップされていたが……今の時代ならハスラーで決まりだ。高い走破性を実現するカギは、2WDで180mm、4WDで175mmという余裕のロードクリアランスと、ちょっと大径のタイヤ。加えて4WDのCVT車には、急坂を下るときに頼りになるヒルディセントコントロールも標準装備される。
それらの要素が、機能面からみたハスラーの才能だが、より以上に光っているのは……。やはり、キュートなルックスや、気分をウキウキとさせてくれるようなムードだろう。「こんな楽しそうな軽はなかった!」と、老若男女の支持を集めて人気が爆発した。
【良い点】
加速の力感や高速走行のゆとりを求めるならターボだが、日常生活を中心とした使い方なら自然吸気ユニットで事足りる。2WDなら車重800kgと十分に身軽で、発進からけっこう元気な走りを提供してくれる。スズキのR06A型ユニットは、いかにもフリクションが小さそうな軽やかな回転フィールとサウンドが美点で、クルージング時の静粛性も満足できるレベルにある。
そしてシャシー性能。高速道路やワインディングをちょっと飛ばし気味のペースで走っても、不安を抱かせない操縦安定性の能力を備える。ジョイントなどの鋭い凹凸は苦手とするが、全体としてみれば乗り心地にもカドはなく、十分な快適性を実現している。
【悪い点】
4WDターボモデルに乗るとあまり気にならないが、NAの2WDモデルはステアリング中立の応答性と手ごたえ感があいまいなのが気になるところ。4WDを含めて、ステアリングのフリクションが、自然な操舵フィールやセンタリング感、そして挙動のつながり感をややスポイルしている印象がある。
そのほかの面では、低速の微少なアクセル操作でたまに顔を出すCVTのつっかかり感や、エネチャージが回生時に発する高周波ノイズがちょっと気になる点。これらの点を洗練させていけば、ハスラーはもっと魅力的で、さらにみんなに愛されるクルマになる。
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