トヨタ クラウン
●13代目となる現行のクラウン・ロイヤルサルーンシリーズ。そのデビューは平成20年の2月で、2.5L、3.0 L、3.5Lの3つのV6エンジンで構成される。中古車の流通量は、2.5L と3.0L を中心にかなり豊富で探しやすい状況にある。中古車価格の相場を考察すると、平成20年式の底値は約250万円、平均相場は340万円という状況。買い得感が高いのは3.5Lエンジン搭載グレードで、3.0Lモデルとあまり変わらぬ相場を示している。
中古車マニアでもある清水草一が各著名人と対談し、
クルマ談議に花を咲かせるトークコラム!
- 今号のゲスト
- 自動車ジャーナリスト 小沢コージさん
- 本田技研退社後、『NAVI』誌編集者を経てフリーに。
「バラエティ自動車ジャーナリスト」を名乗る。
クラウン・バンザイ!の巻
清水 小沢君はロールス・ロイスを持ってるんだよね。
小沢 持ってますけど置物です。
清水 ロールスと言えば世界の最高級車だけど、日本の最高級車と言えば、やっぱりクラウンかな?
小沢 だと思いますね。レクサスは輸入車的だから。
清水 俺さ、クラウンみたいな古き良き国産車って死ぬほど嫌いだったんだよ。
小沢 好きになるわけないですよね、体制そのものなんだから。
清水 そう、体制そのものじゃん。自民党の55年体制みたいなさ。若いモンがそんなクルマを喜ぶなんてもってのほかだったんだけど、そんな我々もとっくにオヤジになってるわけで。
小沢 この年になってみると、クラウンってフグ刺のような存在ですよ。
清水 フグ刺?
小沢 噛めば噛むほど味が出る。そしてラク。乗り心地がすごくいい。不快さはすべてシャットアウトされてる。
清水 確かにね。
小沢 クラウンが好きな層って、無条件にクルマに憧れていた世代でしょう。
清水 主に団塊の世代かな。初の国産乗用車・トヨペット・クラウンとともに歩んだ世代ね。
小沢 トヨタって客に合わせてクルマを作る会社だけど、その究極がクラウンなんですよ。
清水 ベンツみたいに自己の理念を押し付けることなく、ひたすらもてなすとゆうね。それにさ、この歳になるともう体制への反逆心みたいのも消えて、クラウンの保守本流感とか権力サイドの感覚がすごく心地いいんだよね、なにしろそういうのを味わったことないから新鮮だし。
小沢 わかります(笑)。
清水 クラウンで高速の追い越し車線走ってたら、なぜか前にクルマがいないのね。前のクルマがすぐどいてくれるっていうんじゃなくて、最初からいないの。なんでだろ、おかしいな〜と思ってたら、バックミラーにクラウンがチラッと映った段階で、もうみんな避けてくれてんだよ!
小沢 覆面パトと間違えてる(笑)。
清水 そう。ベンツだったら、オラオラってアオれば避けるって感じじゃない。ところがクラウンは違う。何もしなくても事前に避けてくれてる。これは凄いなと思ったね。
小沢 国家権力の象徴ですね。
清水 クラウンの中古って、実はものすごくステキな選択なんじゃないだろうか。
小沢 究極の堕落ですけどね(笑)。