【中古車目利き講座】トヨタ クラウン アスリート


上質車両を見極める 中古車目利き講座
トヨタ クラウン アスリート
DBA-GRS184
参考車両:3.5 アスリート
初年度登録 2006年3月

トヨタ クラウン アスリート

高級セダンは手入れが行き届いている可能性が高いといえるが、内外装の傷み具合などから車両がどのように扱われていたかを見極めるのがポイント。スポーティタイプとなれば、走り方も推測したいところだ。記録簿を調べて、販売店でしっかり点検整備を受けているかどうかも確認しよう。ただし、頻繁に点検整備しているようでも、不具合などを修理している場合もあるので、点検整備の内容にも注意したい。

●1999年9月の11代目「クラウン」発売時に、新タイプとして設定された「アスリート」シリーズ。外装にエアロパーツを装着し、大径ホイールやスポーティサスペンションなどを組み込んで、スポーティに仕立てているのが特徴だ。2003年12月にクラウンが12代目へとフルモデルチェンジした時も、アスリートは継続設定。専用のメッシュタイプフロントグリル、丸型リアコンビネーションランプ、前後バンパースポイラー、サイドロッカーモール、リアスポイラー、18インチアルミホイールなどを採用。電子制御サスペンションAVSを標準装備している。参考車両は、その後2005年10月にマイナーチェンジした後のモデルで、それまでの3.0エンジンは新設計3.5エンジンに替わっている。
●エンジンは、2.5(2499cc)と3.5(3456cc)の2種。2.5は、6速ATを組み合わせたFR(後輪駆動)と5速ATの4WDがある。3.5は、6速ATとFRの組み合わせだ。仕様グレードは、「アスリート」が標準タイプで、「i-Four」は4WD仕様車を表している。「Gパッケージ」は、上級仕様として本革シートや電動リアサンシェード、後席パワーシート、リアオートエアコンなどを追加装備している。

●参考車両と同時期の仕様グレード設定(2005.10)
グレード 型式 シフト 駆動
・2.5(2499cc)
アスリート DBA-GRS180 6AT FR
アスリート i-Four DBA-L575S 5AT 4WD
アスリート i-Four G パッケージ DBA-GRS181 5AT 4WD
・3.5(3456cc)
アスリート DBA-GRS184 6AT FR
アスリート G パッケージ DBA-GRS184 6AT FR

●「アスリート」シリーズの主な変更とモデルタイプ
 ◇2003年12月:12代目「クラウン」新発売とあわせて2代目「アスリート」も設定。◇2004年2月:平成17年基準排出ガス50%低減レベル車に認定。◇2004年8月:2.5エンジン車に4WD「i-Four」を新設定するとともに一部改良。◇2004年12月:クラウン生誕50周年記念特別仕様車「プレミアム50thエディション」を発売。◇2005年10月:マイナーチェンジ。新3.5エンジンを追加。◇2006年4月:トヨタ店創立60周年記念特別仕様車「60thスペシャルエディション」を発売。◇ 2007年4月:特別仕様車「プレミアムエディション」を発売。2008年2月:「クラウン」は13代目へとフルモデルチェンジ。

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車両の雰囲気から探る

 やや離れた位置から、全体の様子を観察しよう。車両の周囲をひと巡りして、外装部品の立て付けや塗装面の状態などをチェック。不自然に見えたり、違和感のある部分などがないか探ってみよう。

 正面からは、ボンネット/グリル/バンパー/ヘッドライト/フェンダーなどが並んでいるバランスと、左右対称になっていることを確認。ライト類が片方だけ新しい場合は(交換の疑い)、その側の車体部を修理している疑いがある。ナンバープレートの傷や変形、修正の形跡なども、車体部の修理/交換を推測するヒントになる。

角度を変えると見える

 車体まわりは、見る角度を変えながらチェックしよう。プレスラインのずれや崩れ、微妙な立て付けの狂いなども確かめやすい。

 車体表面を斜めから透かして見ると、浅くて広い凹みや波打ち(しわ)なども見落とすことがない。

 しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡。塗装面の艶が周囲と違っている部分や、ザラザラと肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある

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整備状態を確かめる

 定期点検整備記録と突き合わせて、消耗部品を中心に、エンジンルーム内を点検。オイルの滲みや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども確認したい。

 周囲と比べて新しく見える部品は、交換が疑える。消耗部品か、不具合があったか、事故などでダメージを受けたのか、交換した理由を整備記録でも探ってみよう。

車体内側の鉄板部を確認

 左右のインナーパネルや室内側のダッシュパネルなど、車体の骨格となっている車体内側の鉄板部もチェックしよう。ダメージを負っていれば事故車、修理していれば修復歴車になっているはずだが、念のために、歪みや修理/交換跡などがないか確認。

 樹脂カバーで覆われているので細部まで調べるのは難しいが、カバーの交換や外装部品の修理/交換などにも注意しよう。

ボンネットのチェック

 外面だけでなく、裏面側に修理跡などがないかも確認。外と内のパネルを貼り合わせている接合部の状態に注意。

 外して修理、あるいは交換することもあるので、ヒンジ部のネジを脱着していないかもチェック。ヒンジを交換していれば車体側のダメージにも注意。

 ボンネットを修理/交換していれば、ボンネット単独の損傷なども考えられるが、車体部の修理/交換を伴っていないか、前部一帯を慎重に調べる必要がある。

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前部の要チェックポイント

 エンジンルームの最前部で車体左右に繋がっているラジエターサポートは、車体前部に大きな衝撃を受けると影響が及びやすく、修理/交換する確率が高い。樹脂カバーで覆われているのでラジエターサポート本体を確認するのは難しいが、隙間から覗いてフレームやメンバー(補強部材)などの状態もチェック。ヘッドライトやバンパー、フェンダーなど関連部品の修理/交換などにも注意。

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取り付け状態を確認

 フロントフェンダーは、内側に腐食や修理跡などがないかチェック。同時に、取り付けネジも確認。ネジを脱着している形跡があれば、フェンダーを外して修理、あるいは交換している可能性がある。カバー類やブラケット(フェンダーを支えている台座金具)の状態にも注意。

 フロントフェンダーは、重要な補強部材とはなっていないので、修理しても修復歴にはならないが、大きな衝撃を受けて修理/交換していれば、車体内側にダメージが及んでいないか確かめる必要がある。

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隙間の幅と色調を比べる

 例えば車体前部側面は、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ(立て付けが狂っている)、どれかにダメージを負ってずれているか、修理あるいは交換している可能性がある。フェンダーからドアに繋がるプレスラインやサイドモールのずれなどもヒントだ。

 隙間を境に、隣り合うパネルの色調も比べてみよう。修理や交換で塗装していると、色艶が違って見えることがある。

縁も覗いてチェック

 フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ部(タイヤを囲っている縁)を傷付けることも多い。傷があれば、凹みを伴っていないか、フェンダーに歪みがないか確認。さらに、鉄板を内側に折り込んでいる部分に修理跡などがないかもチェック。縁に設置しているカバーの脱着や、タイヤハウス(フェンダー内)に付着した塗装の飛沫なども、修理しているヒントだ。

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側面のチェックポイント

 ドアに大きな損傷を負うと、外して修理することもあり、交換してしまうことも多い。ドアヒンジ部のネジをチェックしよう。

 ただし、ドアの立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを修理/交換しているとは断定できない。ドア自体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(ドア下にある梁)など、周辺も調べて判断する必要がある。

内側のほうが重要

 ドアの下にあるサイドシルガーニッシュ(サイドスポイラーとも呼ぶ樹脂部品)に傷や破損などがないかチェック。取り付け状態も確認。

 損傷などは車両の価値を下げるが、ガーニッシュは単なる“飾り板”だ。ガーニッシュで覆われているサイドシル(車体下に通っている梁)のダメージに注意したい。

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リアフェンダーのチェック

 リアドアの開口部を調べよう。乗り降りなどで傷付けることも多い。傷や凹み、補修や修理跡などがないかチェック。

 マスキング跡が残っていれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している。周辺を詳しく調べよう。ステップ部(サイドシルとの接続部付近)に修理跡があれば交換の疑いもあるので要注意。

 車体左側は、フューエルリッド(給油口カバー)も開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないか調べよう。

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後部のチェックポイント

 後部も前部と同様に、バンパー/トランクリッド/コンビネーションランプ(テールライト)/フェンダーなどのバランスをチェック。後部ナンバープレートは、封印の傷(プレートを付け直した形跡)に注意。

 トランクリッドの立て付けが全体に狂っていれば、リッドがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。左右片側だけに隙間の異常箇所があれば、その部分の車体部を修理/交換している。

 開閉して、トランクリッドの動き具合も確認。閉める時にうまく収まらない場合は、テールゲートのずれだけなら調整で直ることもあるが、車体の歪みに要注意。

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床の中もチェック

 トランクルームの床を開けて、スペアタイヤ収納部周辺を調べよう。しわや歪み、修理跡などがないかチェック。底に貼ってある防振シートの切り接ぎや貼り直した形跡にも注意。塗装跡があれば、錆などの補修か、修理跡か、状況を詳しく調べよう。

トランクリッドのチェック

 ボンネットと同様に、裏面側に修理跡などがないか確認。交換している形跡がないか、取り付け状態も確認。ヒンジおよびヒンジを固定しているトランクリッド開口部付近の状態にも注意しよう。

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左右を見比べてチェック

 開口部の左右を見ると、鉄板の接合部がある。修理/交換の形跡などがないかチェックしよう。特に、シーラーとスポット(溶接)の状態に注意。不審な箇所があれば、左右同じ場所を見比べると判断しやすい。下部のコンビネーションランプやバンパーの取り付け状態にも注意。

 後方から強い衝撃を受けると、キャビン(室内)やルーフにまで波及することもある。修理/交換の形跡があれば、メージが及んだ範囲を広く探る必要がある。

床下を調べる

 フレーム(車体骨格)やメンバー(補強部材)など、鉄板部に歪みや修理跡などがないか。左右サイドシル(ドア下に通っている梁)の下部、前後バンパーの裏奥も、覗いて確認。マフラーやサスペンションなど部品類に損傷や交換の形跡などがないかもチェックしよう。

 油汚れや滲み(オイルやグリス漏れの兆候)、ゴム部品の劣化(ひび割れ)などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食状態に注意しよう。

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タイヤとホイールをチェック

 タイヤは、減り具合(残り溝の深さ)をまず点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかもチェック。同時に、減り方も調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減っている偏摩耗を起こしていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているのか、あるいは車体が歪んでいる(前部インナーパネルの変形など)のか、原因を確かめる必要がある。

 ホイールは、リム部(タイヤと接している縁)を傷付けやすいが、傷があれば、リムに曲がりなどがないか確認。アルミホイールは、過度な衝撃を受けると生じることもある変形や割れなどにも注意。

不具合の兆候を探る

 エンジンをかけて、始動具合やアイドリング回転などをチェック。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く踏んで、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。

 容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っているだけなら問題は少ないが、元凶を調べる必要がある。不安定なアイドリング回転、異音の発生、大きな振動などの症状があれば、トラブルを抱えている。なんらかの異常を感じたら、販売店で確認してもらおう。

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オートマチックのチェック

 エンジンをかけてブレーキを踏んだまま各ポジションに切り替えながらセレクトレバーの操作具合をまずチェック。

 できれば試走して、オートマチックの動作も確かめたい。ギヤが切り替わる時の大きなショックや、アクセルペダルを踏んだ時の滑っている感じなどは、不具合が起きている兆候だ。異音の発生にも注意。

 マニュアルモードも、走行中の操作具合と動作を確認したい。

装備機器類の機能を確認

 ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど、保安装置の作動具合をまずチェック。

 電装機器や電動機構などは、スイッチをオン/オフだけでなく、操作して機能を確かめよう。

 エアコンは、寒い日でも冷房の効き具合を必ず確認。パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯、リモコンキーなども忘れずにチェックしよう。カーナビを装備している場合は、地図の発行時期も確認。オプションなど後付け装備の有無は、事前に確かめておこう。

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隅まで細かくチェック

 室内は、シートや内装材などに汚れや傷、染み、穴などがないか、運転席周辺だけでなく、後席も念入りにチェック。ドアや床、天井など、細部の状態まで慎重に調べよう。染み付いた臭いは簡単には取れないので、タバコや芳香剤などの臭いも確認。エアコンの冷暖房吹き出しの臭いにも注意。傷や染みなどがあれば、簡単な補修や修繕で済むか、交換が必要か、ダメージの程度を見極めたい。

車両の情報をチェック

 備え付けの書類は、「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で保証内容や期限を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションなど追加装備の説明書が揃っていることも確かめよう。

 「定期点検整備記録簿」は、必ず記載内容を調べよう。車両がどのように使われ、どのように扱われてきたかがわかる。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。

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車両チェックの勘どころ
塗装

●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。

●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。

●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ

●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。

●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー

●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。

●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。

●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。

●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。

●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け

●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。

●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。

●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

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