新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.07.16 / 掲載日:2023.07.16

デリカミニのライバル全評価! スペーシアギア・ハスラーほかSUVルックの軽自動車比較

「遊び」から「普段使い」まで便利に使える実力車がズラリ

スーパーハイト軽の便利さに、カジュアルな魅力をプラスしたデリカミニ。軽自動車としてはかなり贅沢なモデルだが、その実力はトップ級であるのは間違いない。ここではデリカミニとキャラが近いライバルたちをピックアップ。それぞれの強みを見ていこう。

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭史

MITSUBISHI デリカミニ

●価格:180万4000~223万8500円

デリカミニのライバルはズバリ、このモデルたち!

SUZUKI スペーシア ギア

●価格:172万5900~192万2800円

DAIHATSU タント ファンクロス

●価格:172万1500~193万500円

SUZUKI ハスラー

●価格:138万7100~177万3200円

DAIHATSU タフト

●価格:135万3000~173万2500円

軽クラスでも“SUVルック”が人気になるのは間違いなし!
 明確にデリカミニのライバルといえるのが、スーパーハイト軽+SUVルックという共通点を持つ、スズキ・スペーシアギアとダイハツ・タント ファンクロス(以下ファンクロス)だ。

 ともにベース車の標準仕様と比べると、専用のフロントマスクやルーフレール、ドアパネルの幅広プロテクターなどを採用してタフネスさを演出。フロア高や最低地上高、タイヤサイズは標準系と共通だが、カスタム系とは嗜好の異なる、もうひとつの上級仕様として人気を集めている。お手軽な軽自動車でレジャーなどの遊びで使い倒したいという狙いは、デリカミニと同じと言っていい。

 デリカミニを含めた3モデルを比べた時に、違いを感じるのは走行性能の考え方だ。NAエンジン、ターボエンジンを選べるラインナップは同じで、高速道路上で重宝するACC+LKAも同等レベルの機能が備わっているが、デリカミニは、悪路向けの走行機能として電子制御LSD機能を備えたグリップコントロールや、ヒルディセントコントロール(自動降坂制御)を標準採用しており、ラフロードへの適性が一枚上手。それがデリカミニの優位性になっている。

ハスラー&タフトも十分ライバルになりうる
 ただ、スズキとダイハツは、それぞれハスラーとタフトを別にラインナップしており、SUVルックやレジャー用途を求めるユーザーのニーズを上手に棲み分けている。デリカミニの最低地上高は160mm(4WD車)だが、ハスラーは180mm、タフトが190mm。さらに両モデルとも4WD車にはグリップコントロールを採用し、ハスラーはヒルディセントコントロールも装備している。デリカミニよりも重心が低いこともあって、ラフロードの走行性能に限ればデリカミニ以上といえ、スペーシアギアとファンクロスの少し弱いところを上手にカバーする体制を整えている。

 ハスラーとタフトをデリカミニと比べると、デリカミニは高い室内高やスライドドアの恩恵でキャビン実用性は勝るが、悪路対応力は中途半端に感じる。さらに価格設定もハスラーとタフトは、デリカミニよりもおおよそ50万円ほども安価に設定されている。スーパーハイト軽までの使い勝手を求めない向きにとっては、こちらの方が魅力的というユーザーも結構いるだろう。

 いずれにせよ、スーパーハイト軽のパッケージとアウトドア趣味が注がれるSUVルックは親和性が高く、今後定番化が進むのは間違いない。その流れを受けて登場したデリカミニは、先行していたスペーシアギアとファンクロスを確実に捉えながら、性能面での多少の上乗せを実現しているのがうまい。ミツビシの大名跡である「デリカ」の名を冠していることも納得できる。

 なおスーパーハイト軽を語る上で外すことができないホンダ・N-BOXには、SUVルック仕様の設定はまだない。キャビン実用性や基本的な走行性能で選ぶユーザーにとってはさほど問題はないだろうが、この先のスーパーハイト軽のトレンドを考えると、なんらかの動きがあるだろう。

SUZUKI スペーシア ギア

アウトドアの演出が巧み
デリカミニのライバル筆頭だ
 丸形ヘッドランプなどハスラーやジムニーのイメージを上手に反映した外観を持つ。走行性能はカスタム系に準じているが、撥水加工シートや防汚フロアなども採用し、アウトドアを意識した工夫も見どころ。NA車とターボ車にそれぞれ1グレードを設定。ACCなども標準装備されている。

DAIHATSU タント ファンクロス

装備設定に物足りなさもあるが基本性能の高さは歴然
 ヘッドランプやグリル周りのデザインを変更することでSUV風を強調。センターピラーレススライドドア(助手席側)を筆頭とした、タントで高く評価されている実用装備機能をそのまま継承している。DNGA由来のシャシー性能はライバルをリードするが、ACCやLKAなどが全車OPとなるのは少々残念だ。

SUZUKI ハスラー

軽+SUVを最初に実践したクラスをリードする功労車
 乗用車プラットフォームを用いた軽SUVの先駆として誕生。2020年に登場した現行型が2代目となる。高い最低地上高やグリップコントロール、ヒルディセントコントロールなどで悪路対応力を強化。ジムニーを除いた軽自動車の中ではトップクラスの走破性能を持つ。全グレードACC/LKAが標準になるなど装備設定も優秀だ。

DAIHATSU タフト

見た目はもちろん使い勝手も優秀な生活が楽しくなる一台
 高い最低地上高設計とグリップサポートで悪路走破性を強化。乗用車プラットフォームを持つ軽SUVの中ではハスラーと並ぶ走破性能を持つ。見晴らしの良さ&取り回しに優れる運転感覚、ボディ後席格納時の積載性にこだわったキャビン設計など、実生活での使い勝手の良さを持つことも見どころだ。

【参考】HONDA N-BOX

このクラスの絶対王者
SUVルック仕様に期待

 スーパーハイト軽としては比較的新しい設計で、装備機能も全車にACCやLKAを含むホンダセンシングを標準装着。走りと実用性能のバランスの良さに秀でている。近年、軽自動車販売ランキングで不動の1位を独占しているが、SUVルック仕様は設定されていない。次期型でSUVルック仕様が投入される可能性は高そうだ。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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