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更新日:2021.10.01 / 掲載日:2021.10.01
UDトラックス ユーロ5対応の新型「クエスター」「クローナー」を世界販売
UDトラックスは9月30日、欧州連合(EU)が定めるEU圏内統一排出ガス規制「ユーロ5」に準拠した大型トラック「Quester(クエスター)」と中型トラック「Croner(クローナー)」の新型モデルを海外の主要市場で発売すると発表した。今回投入するモデルは、車両の稼働率や燃費効率のさらなる向上、総保有コスト(TCO)の最適化、さらに環境負荷の低減を実現。各国で厳格化する各種政策を念頭に、各国での制度リスクの低減と社会的な要求が高まる環境課題への対応を両立したものとなっている。
「ユーロ5」対応の新型「クエスター」と「クローナ」は2021年9月より、東南アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカの主要市場において順次発売開始される。
「ユーロ5」の採用で世界的な競争力を向上
世界が直面する最も大きな健康上の脅威として挙げられるのが大気汚染。国際エネルギー機関(IEA)は「グローバル・エネルギー・レビュー 2021」 で、2021年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量は前年比4.8%増加する見込みだと発表しており、この増加率は過去10年間で最大の増加率となっている。輸送部門からの排出量だけでも、2021年のCO2排出量は1.5%以上増加すると予想されているという。
そういった危機感を反映して設定された「ユーロ5」基準では、「ユーロ4」基準比で43%のNOx排出量の削減が求められており、よりクリーンなトラックの導入が求められている。
UDトラックスの「ユーロ5」モデルは、2004年にトラックメーカーとして世界で初めて導入した尿素選択還元型触媒システム(SCR)技術を搭載。環境保護と燃費性能を大幅に向上させたSCR技術は、NOx排出量を効果的に削減する技術として高い信頼を得ているという。
テーマ | SCR技術の特性 |
燃焼効率の改善と TCOの最適化 |
• メンテナンスサイクルの長期化による運用コストの低減 • 燃焼の最適化を通じたパワーとトルクの改善 • 燃焼効率の改善による燃料費の低減(燃料費は営業費のおよそ60%で最大の経費) |
稼働率の改善 | • 稼働時間の最大化によるメンテナンスサイクルの長期化 • 安定したアドブルー(AdBlue)供給網(※)の拡大による稼働率の改善。 |
環境性能の改善 | • 燃料中の硫黄分の影響を受けにくい、よりクリーンで堅牢なエンジン設計により、エンジンの長寿命化を実現 |
今回発表した新型「クエスター」と新型「クローナ」は、SCR技術を採用した「ユーロ5」対応システムに加えて、リアルタイムの「燃費コーチ」機能を加えた新たなインストルメントパネルを採用しており、この機能によって燃費改善のための最適な運転方法をドライバー自身で確認することが可能となった。
※アドブルーとは、SCR技術を搭載した車両で使用される有害な排出ガスを抑制する安全なディーゼル排気ガス用の高品位尿素水です。アドブルーはUDトラックスの正規販売店でお求めいただけます。
また、アドブルーは、ガソリンスタンド、ワークショップ、オンラインでも購入できます(販売形態は、国によって違います)。
新型「クエスター」は従来モデル比最大10%の燃費向上を実現
大型トラック「クエスター」は高い燃費性能と耐久性を兼ね備えたモデルで、今回の新型モデルでは今日の輸送課題や環境問題に対応すべく、最新の「ユーロ5」対応と新型インストルメントパネルの導入によって、さらなる進化を遂げた。
革新的な車両総合管理ツール「UDテレマティクス」の搭載により、リアルタイムの車両追跡とジオフェンシングを実現し、輸送効率を向上。サステナブル面においては、電子制御式トランスミッション「ESCOT」をはじめとする数々の機能により、燃費改善を実現、空荷重量の軽量化や駆動系の最適化により、旧モデルの「クエスター」と比較して最大10%の燃費向上を図った。
さらに、「ESCOT」によって運転中は適切なギアを自動的に選択、マニュアル運転で必要とされる1日に平均1,000~1,500回ものシフトチェンジをする必要がなくなり、ドライバーのストレス軽減および安全性の向上に寄与する。
多様でカスタマイズ可能なラインナップを揃える新型「クローナ―」
信頼性と高い汎用性を備えた中型トラック「クローナ―」は、新型モデルで最新の「ユーロ5」対応と新型インストルメントパネルを導入、ドライバーに最高の運転体験を提供する。
特定用途に合わせたさまざまなカスタマイズ需要に対応するラインナップで、生産性向上のための最適化を提供。
空気力学に基づいたキャブ設計により燃費性能を向上、従来のモデルに比べて空気抵抗係数を5%低減した。
また、運転性能においてはアリソン社製オートマチックトランスミッションと優れたエルゴノミクスにより快適性を改善し、疲労軽減と生産性向上が図られた。そのほか、ドライバーの快適性を第一に設計されたキャビンは居住性・快適性・利便性の向上に寄与、数々のアクティブおよびパッシブな安全機能を備えることで、ドライバーや荷物、周囲の交通などの安全性を高めた。
環境への影響を最小限に抑えつつビジネスの復元力を高められる新型モデル
今回発表した新型2モデルについて、UDトラックス海外販売シニアバイスプレジデントのジャック・ミッシェル氏は「新型コロナウイルス感染症後における経済・社会の復興を促進するために、より持続可能なアプローチが提唱されるなど、サステナビリティという視点がこれまでに以上に関心を集めています。よりモダンで効率的な物流は、変化の激しい時代において社会を動かすために不可欠です。環境への影響を最小限に抑えつつ、ビジネスの復元力を高めることができる新型モデルの投入は、こうした社会的要請に対応するものです」とコメント。
さらに「UDトラックスは86年にわたり、お客様に選ばれるトラックブランドとして成長してきました。私たちは、“現場”精神に基づき、“Better Life”を提供することを新たなパーパスとして追求し続けます。また、スマートで持続可能な物流ソリューションを通じ、お客様、ビジネスパートナー、従業員、そして社会に対し『究極の信頼』を付加価値として提供することをお約束します」と語った。