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更新日:2023.06.28 / 掲載日:2023.06.28

ノートからGT-Rまで 日産のスポーツ系カスタマイズ「ニスモ/オーテック」一挙紹介!

クルマの呼称にしばしば冠される「スポーツ」の4文字。その意味合いは時代とともに変遷し、ブランドによって解釈も様々だが、現代の「スポーツ」はスパルタン/ストイックといった文言とは無縁のものがほとんど。では、速さ一辺倒ではない現代の「スポーツ」とは何か。その魅力に迫ってみよう。

●文:川島茂夫

NISSAN

「NISMO」と「AUTECH」の特装2本柱

 現在のニッサン車の標準グレード展開で明確にスポーツグレードとされるモデルは見当たらない。ロープロタイヤや大径ホイールのようにイメージ面でスポーティを演出するグレードはあっても性能は上級グレードと同じものが大半だ。そこでニッサンのスポーツ性を象徴するモデルとして展開されるのがニスモ仕様である。

 ニッサンのカスタマイズ系は「ニスモ」と「オーテック」に大別される。「ニスモ」のカスタマイズでは内外装の変更だけでなく、専用サスチューンや車体の強化、パワートレーンのチューニングなど、車種によって手の入れ方は異なるものの、ベースモデルの持ち味を失わずにニスモ流のファントゥドライブを付加しているのが特徴である。

 もう一方の「オーテック」は内外装のドレスアップを中心としたカスタマイズが特徴。スポーツ性の向上というよりも特別仕立てのプレミアムモデルというキャラ設定であり、標準系よりもスポーティな印象はあるものの、それ以上にラグジュアリー仕様の感が強い。

 なお、「ニスモ」と「オーテック」は以前はニッサン傘下の別会社だったが、現在は統合し「日産モータースポーツ&カスタマイズ」内のブランドとして展開している。

ノート オーラニスモ

【コンパクトカー】 ■ハイブリッド
●価格:298万1000円
ベース比 約28万円高 ※Gとの差額

ポイント解説
走行メカにもしっかり手を入れ
走りも価格も魅力的
 赤いドアミラーなど「ニスモ」車に共通した外観。センターマーカー付ステアリングなどスポーツのこだわりをアクセントに抑えの利いた内装。スポーツプレミアムと呼ぶに相応しい内外装だ。なお、OPでニスモ専用レカロ製シートの装着も可能だ。

 しかし、ニスモの真骨頂は走行ハードのカスタマイズ。パワートレーンは専用チューンを施したドライブモードの設定くらいだが、シャシー周りが注目。専用サスチューンだけでなく、ダンパーを単筒式に変更。車体フロアはリヤエンドに補強を加えている。タイヤサイズを変えずにホイールをワイドリム化するなど芸が細かい。

 ベースのGに対して約28万円高の設定だが、プレミアム性を求めたオーラのスポーツモデルとして、あるいはカスタマイズ内容からしても魅力的な値付けと言える。

かなり思い切ってスポーツ志向に振ったデザインで、内外装に用いられた差し色のレッドの印象が鮮烈だ。落ち着いた大人の雰囲気だったオーラがアグレッシブに変身している。

ノート オーテック クロスオーバー

【コンパクトカー】 ■ハイブリッド ※持込登録
●価格:262万5700〜292万8200円
ベース比 約38万円高 ※Xとの差額

ポイント解説
専用の内外装やサスを採用して
コンパクトプレミアムSUVに
 「オーテック」車でも異色の存在となるのが同車。最低地上高はベースモデルのプラス25㎜。タイヤサイズ分の上乗せはわずかであり、大半は専用サスによるものだ。ホイールアーチのクラッディングなど外観もSUV的仕立て。内装は「オーテック」らしいプレミアム感を演出。ベース車の約38万円高になるが、コンパクトなプレミアムSUVとして選ぶなら投資価値の高いモデルである。

クロスオーバー化しないベーシックなノート オーテック(上写真)もラインナップ。価格は259万2700〜285万1200円で、架装オプションとして助手席回転シートも用意する。

リーフ ニスモ

【2BOX】 ■EV
●価格:464万2000円
ベース比 約56万円高 ※Xとの差額

ポイント解説
パワートレーンも
足回りも専用チューン
 オーラ ニスモに比べると抑えの利いた内外装だが、それが大人味スポーツの印象を与える。過渡特性にもこだわった専用サスチューンや専用ドライブモードなど「ニスモ」の走りも売り物。「X」より約56万円高で、40kWh仕様のみの設定となっている。

リーフ オーテック

【2BOX】 ■EV ※持込登録
●価格:444万4000〜561万6600円
ベース比 約36万円高 ※Xとの差額

ポイント解説
上質感を高めた内外装で
プレミアム感を楽しめる

 内外装に「オーテック」に共通したイメージとデザインを施したプレミアム系ドレスアップ仕様だ。内装は本革で仕立てられ、3タイプの内装色から選べるプログラムも用意される。「X」の約36万円高で、40kWh仕様と60kWh仕様が用意されている。

エクストレイル オーテック

【SUV】 ■ハイブリッド ※持込登録
●価格:448万8000〜532万9500円
ベース比 約58万円高〜 ※Gとの差額

ポイント解説
オーテックならではの装備で
実質的な最上級グレードだ
 カスタマイズ手法は他の「オーテック」車と大きな違いはなく、イメージカラーのブルーをアクセントに用い、大人っぽいラグジュアリーを演出した内外装に仕立てている。

 同仕様の最も大きな特徴はグレード展開。ベーシックとなる「S」系以外に設定されているのだ。「X」系ベースがオーテック、「G」系ベースがオーテック・アドバンスドパッケージとなり、仕様差はベースグレードの装備差がほとんどである。要するに「オーテック」という内外装グレードアップOPのような設定。エクストレイルの実質的な最上級グレードと位置付けてもいいだろう。

 ベースグレードとの価格差は仕様によってばらつきがあるが、オーテックがおおよそ70万円、オーテック・アドバンスドパッケージが同58万円。付加価値の多くが嗜好的要素だが、さらに高いプレミアムを求めるにはいい。

ブルー基調の色づかいを始め、内外装の仕立てはオーテック仕様のセオリーに則ったもの。ホイールは標準車が18インチ/19インチなのに対し、20インチを履く。

【オフ系スポーツ】エクストリーマーX

●価格:440万1100〜453万2000円 ※持込登録

 外装のプロテクター類や防水シートなど、タフでワイルドな装備を満載。持込登録で全車4WD、シートは2列と3列が選べる。

キックス オーテック

【SUV】 ■ハイブリッド ※持込登録
●価格:340万7800〜367万700円
ベース比 約41万円高 ※Xとの差額

ポイント解説
使い勝手はそのままに
ひとクラス上の質感を獲得
 「X」系をベースに内外装をカスタマイズしたドレスアップ仕様だ。他の「オーテック」車同様の大人プレミアム系だが、ブルー/ブラックのコンビシートなどキックスらしいカジュアルさも備える。ベースグレードとの価格差は約41万円となっている。

セレナ オーテック

【ミニバン】 ■ガソリン ■ハイブリッド ※持込登録
●価格:373万3400〜415万300円
ベース比 約46万円高 ※ハイウェイスターVとの差額

ポイント解説
人気のハイウェイスターに
オリジナルエアロを装着
 セレナの売れセンとなるハイウェイスターをベースに内外装をカスタマイズ。内装は「オーテック」に共通したテイスト。ベース車以上にエアロ感の利いた外観が印象的だ。ベース車の約46万円高であり、エアロ系でプレミアムを楽しみたいユーザー向けだ。

エルグランド オーテック

【ミニバン】 ■ガソリン ※持込登録
●価格:520万5200〜614万1300円
ベース比 約102万円高〜 ※ハイウェイスターとの差額

ポイント解説
本革シートを始めフル装備
もっとも贅沢なエルグランド
 ハイウェイスター系をベースにエアロ感強化の外観と黒基調のレザーシートなどのオーテック専用内装を採用。ベースグレードに対して100万円以上高価なモデルだけあって、シート仕様はセカンドキャプテンの7名定員仕様のみの設定となっている。

キャラバン オーテック

【バン/ワゴン】 ■ガソリン ■ディーゼルターボ ※持込登録
●価格:352万1100〜465万9600円
ベース比 約36万円高〜 ※プレミアムGXとの差額

ポイント解説
働くクルマをドレスアップ
メカニズム的な変更はなし

 パワートレーンやシャシーはベースモデルと共通。内外装のプレミアム感を高め、さらにオプションでエアロパッケージも用意する。5ドア仕様は商用バンのみの設定で、ディーゼル仕様には4WD車も用意されている。ベース車を踏襲した内装の安価な仕様もある。

【ガチ勢】伝統的「スポーツ」派

純粋な速さにもこだわって動力性能/運動性能を追求したモデル。スポーティグレードではなくスポーツカーと呼ぶべきタイプだ。

フェアレディZ

●価格:524万1500〜646万2500円

伝統の名を継ぐ
FRスポーツクーペ
 国産スポーツカーを代表するモデル。Z伝統のFRスポーツカーらしいスタイルと走りが見所。全グレードとも405PSを発生するV6の3ℓターボを搭載。バージョンS/STは機械式LSDの装備やタイヤ/ホイールのグレードアップでスポーツ性を強化している。

GT-R

●価格:1375万〜2138万700円

性能追求型の頂点モデル
派生仕様が多数

 サーキットに於ける限界性能を追求して開発されたスーパーカー級スポーツカー。パワートレーンは全車に共通しているが、Tスペック及びトラックエディションは専用強化サスを装備。トラックエディションは剛性向上車体やフロント機械式LSDなども採用する。

専用チューンの最強仕様となる「ニスモ」は2865万600〜2915万円(持込登録)だ。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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