中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.18 / 掲載日:2015.10.02
トヨタ アイシス(2013年10月~)中古車購入チェックポイント
トヨタ アイシス(2013年10月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:2.0 G(DBA-ZGM11G)
初度登録:2013年10月
追加装備:〈メーカーオプション〉195/65Rタイヤ&15インチアルミホイール、運転席側リアパワースライドドア〈ディーラーオプション〉オーディオレスカバー、専用フロアマット
■全体のチェックポイント
2004年9月から発売している3列シート7人乗りミニバン。両側スライドドア・助手席側パノラマオープンドア+電動スライドドアやシート機構など便利機能もチェック。参考車両は、2013年10月の一部改良で車両安定制御VSC&TRCを全車に標準装備した時期のモデル。走行関連機能の具合と整備状況も忘れずに確認したい。
関連機能への影響にも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、フォグランプカバー、バンパーグリル、下側のエアスパッツ(タイヤの前にある整流板)などに損傷がないか見て、立て付けもチェック。同時に、フロントグリルやヘッドランプ、ボンネットなどもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけ)などもチェック。
3.周辺部の状態もチェック
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部も調べる。助手席側は、センターピラー(中央の柱)がないことにも注意したい。
4.スライド動作もチェック
スライドドアは、開閉スライド動作とロックの具合、外・内パネル、ブラケット(支え金具)&ローラー、レール(車体側のスライド金具)などをチェック。パワースライドドアは、電動開閉機構やイージークローザー、挟み込み防止機能などの作動具合もチェック。
5.下側に要チェックポイント
5.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷や腐食などがないかチェック。特に床下側のパネル接合部(下に突き出ている部分)の修理/交換跡に注意したい。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ(ピラー部ブレーキ/テールランプ・バンパー部ウインカー/バックランプ)、フェンダー、ピラー、ルーフなどの状態をチェック。下側のマフラーの損傷などにも注意。
バックドアは、開閉の動きとロッドダンパーの効き具合をチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。
7.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないかチェックし、ブラケット(支え金具)も見て、固定状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども必ずチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
参考車両は、メーカーオプションの195/65Rタイヤ&15インチアルミホイールを装着。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷、亀裂、欠けなどがないか見る。一部だけが極端に減るなど異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みなどにも要注意。アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による歪みや割れなどにも注意してチェックする。
タイヤ/ホイールの状態によっては、ブレーキ機構や車両安定機構などの走行制御機能などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食の状態をチェック。
★損傷や修理/交換の有無を確認する
「アイシス」は、両側リアスライドドア(右側手動・左側電動)を備えた3列シート7人乗りミニバン。助手席側は、センターピラー(中央の柱)がない“パノラマオープンドア”で、フロントドア後部とリアスライドドア前部にピラーを内蔵し、ドアロックがフロントドアに3個所、リアスライドドアに1個所ある。
「G」は、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプ(ロービーム・オートレベリング機能付)、フロントフォグランプ、リアスポイラー、樹脂フルキャップ付15インチスチールホイールなどを標準装備。参考車両は、メーカーオプションの右側リアパワースライドドアと15インチアルミホイールを装着している。
衝撃吸収ボディ・高強度キャビン・歩行者傷害軽減ボディ・パノラマオープンドア専用安全構造などといったところも注意ポイントといえるが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能もダメージがないか注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック

室内は、内装材に汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやポケット、トレーなどは、内部の状態も見る。
シート表皮の染み、破れ、穴。装飾パネルの傷、割れ、浮き。本革部分の擦れ、剥げ、ステッチのほつれ。フック類の破損。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意しながらチェックする。
2.室内後部までチェック
前席のスライド・リクライニング、運転席上下調整、助手席の背もたれ前倒し・全体前倒し(タンブル)。2列目席のスライド・リクライニング・座面跳ね上げ(チップアップ)・背もたれ前倒し。3列目席のリクライニング・背もたれ前倒しなども試しながら周辺をチェック。後部ラゲッジスペースも、傷みなどがないかチェック。3列目席床下収納機能などもチェックする。

3.電装機器の作動を確認
3.電装機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備。スマートキーの機能および各ドアの解錠・施錠具合などもチェック。
オートエアコンは、自動調整や設定機能、プラズマクラスター(イオン発生・空気清浄)機能の作動具合などもチェックする。
4.追加装備もチェック
全車オーディオレスで、参考車両はナビ/オーディオ取り付け穴をオーディオレスカバーで塞いでいる。「G」はステアリングスイッチを装備しているが、オプションナビ/オーディオを付けないと機能しない、といったところにも注意したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
「アイシス」は、スマートエントリーシステム(運転席/助手席/バックドア ワイヤレスドアロックリモコン・ハザードアンサーバック機能付)、助手席タンブル(前倒し)シート、6:4分割チップアップ(座面跳ね上げ)セカンドシート、5:5分割床下収納サードシートなどを全車標準装備。
「G」は、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、木目調センターパネル/ドアトリム、プラズマクラスター(空気清浄機能)付オートエアコン、ステアリングスイッチ、オーディオレス・カバーレス・4スピーカーなどを標準装備。参考車両は、メーカーオプションの運転席側パワースライドドアを追加装備しているので、自動開閉スイッチが2つ(助手席側用・運転席側用)がある。ディーラーオプションのオーディオレスカバーと専用フロアマットも付いている。
いずれにしても、チェックする車両の装備内容を、販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器・電動装置の作動具合に注意したい。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、スマートエントリーとエンジンスイッチの機能を確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示なども見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.制御機能の具合を確認
7速マニュアルモード付CVTは、[P・R・N・D・M-+・-]各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら、走行時の無段変速・ロックアップ(省燃費機能)、登降坂変速などの制御、マニュアルモードのシフトアップ・ダウンと制御などの具合をチェック。
車両安定制御VSC&TRCの作動およびTRC/VSC[OFF]などのほか、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど、走行関連機構に異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのは非常に難しい。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

「2.0」は、2.0Lエンジン・直列4気筒・Dual VVT-i(吸気・排気可変バルブタイミング)・バルブマチック(吸気連続可変バルブリフト)+7速マニュアルモード付CVT(無段変速機)+2WD(FF前輪駆動)を搭載。電子制動力配分EBD付アンチロックブレーキシステムABS&ブレーキアシスト、電動パワーステアリング、車両安定制御(横滑り抑止VSC&空転抑止TRC・VSC/TRC[OFF]スイッチ)、スマートエントリー&スタートシステムなどは全車標準装備。7速マニュアルモード付CVT装備車には、マニュアルシフト表示灯&変速段表示付メーターが付いている。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。できれば点検整備記録も探ってみたいが、とりあえずオイル漏れなどに注意しながらエンジンルーム内だけでも見て、走行関連各部の整備状況を販売店に聞く。車両の購入を決めるなら、すべての走行機構をきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、パネルの接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2004年9月に新発売した「アイシス」は、両側リアスライドドア・助手席側パノラマオープンドアや各種シート機構を採用。1.8Lエンジン+4速ATと2.0Lエンジン+CVT(無段変速機)・7速マニュアルモード付CVT(以下CVT-7M)を設定。◇2005年11月:装備設定を若干変更。◇2007年5月:マイナーモデルチェンジ。外装・内装・装備を一部変更。◇2009月9月:外装を一部変更。1.8/2.0エンジンをバルブマチック付に変更。1.8にCVTを採用。CVT-7Mにパドルシフトを設定。◇2011年6月:外装・装備・グレードを一部変更。◇2012年6月:1.8/2.0エンジンを改良。装備設定を一部変更。1.8はCVT・2WD(FF前輪駆動)/4WD。2.0は全車CVT-7M・2WDになり、パドルシフトを廃止した。
●2013年10月に一部改良。内装および装備設定を一部変更。車両安定制御機構VSC&TRCを全車に標準装備している。
1.8「L」は、ハロゲンヘッドランプ、ウレタンステアリングホイール、トリコットシート表皮、オートエアコン、オーディオレス、15インチスチールホイールなどが標準装備のベーシックタイプ。
1.8/2.0「G」は、ディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、リアスポイラー、本革巻ステアリングホイール、木目調加飾、プラズマクラスター付オートエアコンなどを標準装備した上級タイプ。
1.8/2.0「プラタナ」は、エアロバンパー、サイドマッドガード&ワイドフェンダー、ハロゲンヘッドランプ、ジャージシート表皮、シルバーメタリック加飾、アルミホイール(1.8は15インチ・2.0は16インチ)などを標準装備したスポーティタイプ。
セットオプションの「Xセレクション」は、1.8Lに黒色ドアミラー/ドアハンドルを装着し、一部装備を省略して廉価仕様に仕立てる。「Vセレクション」は、プラタナにディスチャージヘッドランプ、スポーツオプティトロンメーター、本革巻ステアリングホイール、サイバーカーボン調加飾、プラズマクラスター付オートエアコンなどを装着する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
1.8 L “X” | DBA-ZGM10G | CVT | FF |
DBA-ZGM15G | CVT | 4WD | |
1.8 G | DBA-ZGM10G | CVT | FF |
DBA-ZGM15G | CVT | 4WD | |
1.8 プラタナ “V” | DBA-ZGM10W | CVT | FF |
DBA-ZGM15W | CVT | 4WD | |
2.0 G | DBA-ZGM11G | CVT-7M | FF |
2.0 プラタナ “V” | DBA-ZGM11W | CVT-7M | FF |
※当ページでは、特別仕様車は省略しています。