中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2015.08.28
トヨタ カローラフィールダー ハイブリッド 中古車購入チェックポイント
トヨタ カローラフィールダー ハイブリッド(2013年8月~2015年4月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:ハイブリッドG[DAA-NKE165G]
初度登録:2013年8月
追加装備:〈メーカーオプション〉ルーフレール、185/60Rタイヤ&15インチアルミホイール、HIDビューアシストパッケージ、スマートエントリー&スタートシステム〈ディーラーオプション〉オーディオレスカバー、ハイブリッド車専用フロアマット
■全体のチェックポイント
関連部への衝撃の波及にも注意しながらチェック
1.外見の様子を観察する
1.外見の様子を観察する
まずは、外装に異常がないか車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意する。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリルなどを見て、立て付けもチェック。アッパーグリルやヘッドランプ、ボンネットなどの状態もチェック。下側にあるエアスパッツ(空気整流板)の破損などにも注意。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.ドアと関連部をチェック
3.ドアと関連部をチェック
ドアは、外面だけなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部の状態も調べる。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態をチェック。同時に、フェンダーブラケット(支え金具)や車体パネルもチェック。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、必ずチェック。
5.後部のチェック
バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどを慎重にチェック。
バックドアは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合をチェック。樹脂製バックドアは、損傷を負うと交換する可能性が高いことも考えて、内側やヒンジ部もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーの異常に注意しながらチェック。荷室下スペアタイヤ収納部のパネルも、腐食、歪み、修理/交換跡などがないか見る。
6.下側に要チェックポイント
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷、腐食、修理/交換跡などがないか。床下側の下に突き出ているパネル接合部の異常にも注意しながらチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
7.損傷の程度にも注意する
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や引っ掻き傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理跡などがないかチェック。
8.床下の様子も覗いて見る
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
水漏れ、オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の状態をチェック。
9.タイヤとホイールをチェック
9.タイヤとホイールをチェック
参考車両は、メーカーオプションの185/60Rタイヤ&15インチアルミホイールを装着。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷、割れ、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体が歪んでいる疑いもあるので要注意。アルミホイールは、損傷や破損などがないか。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による歪みや割れなどにも注意しながらチェック。
タイヤ/ホイールの状態によっては、ステアリングやブレーキの機能に支障が出たり、車両安定制御機構VSC/TRCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「フィールダー」は、5ドアステーションワゴンの車体構成で、バックドアは樹脂製。ハイブリッド車は、エンジンルームに1.5Lエンジン・ハイブリッドトランスミッション・パワーコントロールユニット、後席下にハイブリッド用バッテリー、その後方に燃料タンク、後席右下に補機用12Vバッテリーがある。床下とエンジンルームにはオレンジ色の高電圧ケーブルが通っている。
ハイブリッド専用フロントグリル、LEDストップランプ付リアスポイラー、LEDリアコンビネーションランプなどを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのルーフレールや15インチアルミホイールを装着。HIDビューアシストパッケージも追加しているので、ヘッドランプはプロジェクター式HID・ロービームオートレベリング機能付。フロントウインドウ内側の上部インナーミラー部にオートマチックハイビームのカメラセンサー、下部には自動点灯/消灯システムのライトセンサーが付いている。
衝撃吸収ボディにも注意したいところだが、車体構造はともかく、走行機能と関連する部分のダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、ドアを開けた瞬間にまず臭いを嗅ぎ取って、傷や損壊などがないか探っていく。ボックスやトレイ、ポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、亀裂。装飾パネルの割れ、浮き。ボックスリッドやエアコンルーバーなどの可動部破損にも注意しながらチェック。
2.後席や荷室もチェック
後席も、6:4分割シートのリクライニングや折り畳みなども試しながら周辺を丹念にチェック。座面下に駆動用バッテリーと補機用バッテリーがあることにも注意。
荷室も、傷みがないかチェック。トノカバーの脱着・収納、デッキボード(床板)の前側と後側の開閉、デッキサイドハンドルでの後席前倒しなども試してみる。
3.装備機能の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な機器。リモコンキーなども、機能と操作・作動具合をチェック。オートエアコンは、自動調整や調整・設定機能の具合をチェック。ECOドライブモード時は、冷暖房の作動や風量を抑制することにも注意したい。
4.装備の内容と機能も確認
全車オーディオレスで、「ハイブリッドG」は4スピーカーとオーディオ操作付ステアリングスイッチを標準装備。参考車両には、ディーラーオプションのオーディオカバーが付いている。ナビやオーディオなどを追加したければ、販売店に相談してみよう。
★細部は販売店で調べてもらう
ハイブリッド車は、ワイヤレスドアロックリモコン、マルチインフォメーションディスプレイ付2眼メーター、ステアリングDISP(ディスプレイ)スイッチ、ナノイー(微粒子イオン発生・空気清浄機能)付オートエアコン、オーディオレス(カバーレス)6:4分割ワンタッチ格納リアシート、トノカバーなどを全車標準装備。「ハイブリッドG」は、本革巻き+高輝度シルバー塗装ステアリングホイール&本革巻き+ブルー加飾シフトノブ、カーボン柄パネル・合皮巻きトリム・メッキ加飾、ステアリングDISP+オーディオ/MODEスイッチなどを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのスマートエントリー&スタートシステムや自動防眩インナーミラー(HIDビューアシストパッケージに含む)、ディーラーオプションのオーディオレスカバーなども追加している。
いずれにしても、車両を見る際は、仕様・装備内容をまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。
ハイブリッド制御と走行機能の具合を必ず確認
1.システムを始動してみる
1.システムを始動してみる
ハイブリッドシステム始動時は、エンジンスイッチ(スマートエントリー&スタートシステム装備車はパワースイッチ)の機能を確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示、警告音などにも注意。できれば、走行中のシステム状況や各機能の作動表示なども見てみたい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転補助機能もチェック
走行系は、[P・R・N・D・B]へのシフト操作具合と各ポジションでの機能動作をチェック。可能なら、走行時のハイブリッド制御(発進/低中速・通常・急加速時・減速/制動・充電・停車)や坂道発進・登坂・モーターTRCなど走行制御、[ECO MODE]や[EV MODE]などの機能動作をチェック。ECBのブレーキ回生協調制御、VSC&TRCの作動と停止[TRC(TRC/VSC) OFF]のほか、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど個別の走行装置の具合もチェックしたい。
とはいっても、機能が正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
ハイブリッド車は、1.5L[1NZ-FXE型]エンジン、ハイブリッドトランスミッション(モーター・発電機・減速機・動力分割機構)/電気式無段変速機、パワーコントロールユニット、ニッケル水素バッテリーなどを組み合わせたリダクション機構付THS II(トヨタハイブリッドシステム2)。電子制御ブレーキシステムECB、車両接近通報装置、エコ・EVドライブモード、ハイブリッドシステムインジケーター付マルチインフォメーションディスプレイ&ステアリングディスプレイスイッチなどを搭載。EBD付ABS&ブレーキアシスト、VSC(横滑り抑制VSC&空転抑制TRC)、車速感応型電動パワーステアリングなども装備。参考車両は、メーカーオプションのスマートエントリー&スタートシステムを装備している。
できれば点検整備記録も見てみたいが、とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行関連各部の整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、すべての機構を正しく点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、バックドア/トランクリッドなどは、外して修理あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2012年5月に発売した11代目「カローラ」。セダン「アクシオ」・ステーションワゴン「フィールダー」は、2012年6月に仕様装備を一部変更。フィールダーにセットオプション“エアロツアラー”を設定。2012年12月にフィールダー特別仕様車「エアロツアラー WxB(ダブルバイビー)」を設定。
●2013年8月に、「カローラ」に1.5Lハイブリッドシステム搭載車を追加するとともに、装備設定を一部変更。ハイブリッド車にセットオプション“シートヒーター装着車”を設定。フィールダーハイブリッドは、エアロツアラーの装備内容を一部変更。特別仕様車「ハイブリッドG エアロツアラー WxB(ダブルバイビー)」も設定している。
「カローラフィールダー ハイブリッド」は、ハイブリッドシステムインジケーター、ドライブモード(エコ・EV)、車両接近通報装置などのほか、内外装にハイブリッド車専用装備を採用。
ベーシックタイプ「ハイブリッド」は、ウレタンステアリングホイール&シフトノブ、トリコットシート表皮などを標準装備。上級タイプの「ハイブリッドG」は、本革巻ステアリングホイール&本革巻+ブルー加飾シフトノブ、カーボン柄・合皮・メッキ加飾、スエード調トリコットシート表皮などを装備。
セットオプションの“シートヒーター装着車”は前席シートヒーターを追加。“エアロツアラー”は、ハイブリッドGにフロントリップ/リアバンパースポイラー、フロントフォグランプ、サイドマッドガード、スモークタイプLEDリアコンビネーションランプ、前席スポーツシートなどを追加。特別仕様車ハイブリッドG「エアロツアラー WxB」は、エアロツアラーの装備に加えて、ブラック基調にホワイトを配したWxBの内装を特別装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
ハイブリッド * | DAA-NKE165G | ECVT | FF |
ハイブリッドG * | DAA-NKE165G | ECVT | FF |
ハイブリッドG エアロツアラー | DAA-NKE165G | ECVT | FF |
特別仕様車 ハイブリッドG エアロツアラー WxB | DAA-NKE165G | ECVT | FF |
●2015年4月に、「カローラ」はマイナーチェンジし、外装・内装・仕様装備を一部変更している。