中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.12 / 掲載日:2005.03.25
トヨタ チェイサー90系 中古車購入チェックポイント
トヨタ チェイサー90系 中古車購入チェックポイント
■全体のチェックポイント
トヨタ チェイサー90系は、マークIIなどと兄弟車。完成度が高く、価格もリーズナブルだった。バブル期に開発されたこともあって、豪華仕様だし、売れゆきがよかったことから、現在の中古車市場には溢れるほどの数が出回っている。台数が多いということは、中には程度のよくない車両もあるし、事故車が混ざっている可能性も大きい。特に低年式車になると、価格がこなれてきているので、迷いを生じる。できるだけ多くの車両をチェックしてターゲットを絞ろう。
1.クルマの雰囲気で程度を見る
1.クルマの雰囲気で程度を見る
まずは、ボディ外板のハリやツヤなどを中心にクルマを全体的に見てみよう。大事故などを起こしたクルマは、車体が傾いていたり歪んで見えたりすることもある。徹底的に見回して、そ雰囲気をくみ取るのだ。どこかが部分的にくすんでいたり、ツヤが違って見えたら修理したことも考えられる。ナンバープレートは曲がっていないか?バンパーは真っ直ぐ取り付けられているか?鉄板と鉄板の隙間(チリ)は均一か?ヘッドライトの色は左右同じか?不自然な部分がないか、じっくり探ってみよう。
2.ボンネットを交換しているのはフロントまわりを事故った可能性大
2.ボンネットを交換しているのはフロントまわりを事故った可能性大
通常、ボンネットを外して整備を行うことは希。ボンネットを外した跡があったら、フロントをぶつけたダメージで変形したために、ボンネットを交換した確率が高い。取り付けボルトに工具をかけた形跡があったら、ボンネットを外した証拠。状況を知るために、ショップに確認してみよう。ボンネットを外すほどの大がかりなメンテナンスが行われていたら、作業時にメンテナンスノートに記入するのが普通だ。
3.色の違いから修理を推測 部品交換状態も確認
3.色の違いから修理を推測 部品交換状態も確認
ボンネットを開けて、まず左右のフェンダー、そして左右のフェンダーを繋げてラジエターを固定しているラジエターサポートの色を見てよう。ボディや各部の色を比べて、違う部分があれば交換や修理して再塗装したと推測できる。再塗装してあることから、事故を起こした可能性が推測できるわけだ。また、ボディパーツの継ぎ目に盛られているシール材も点検しよう。修理の際に塗ったシール材は、新車組み立て時に比べて乱れている場合が多い。車体の左右を見比べてみるのもいいだろう。シール材に爪を立ててみよう。柔らかくて「プチッ」と音を立てるようなら、修理していると判断できる。機械的な部分では、細かく見ていくと、ゴムホースやベルトの劣化、バッテリーターミナルの腐りなどを発見するかもしれない。まわりに比べてきれいな部品が取り付けられているようなら、トラブルを起こして交換したと考えられる。修理状況をショップのスタッフに聞いてみよう。
4.事故を起こすと高い確率で損傷するラジエターサポート
4.事故を起こすと高い確率で損傷するラジエターサポート
フロントグリルの後ろにあるラジエターサポートは、前部をぶつけると修正か交換してある可能性が高い。エンジンルーム内の塗装と色が違っている場合は疑ってみよう。基本的には真っ直ぐ見えるはずだが、修正してある部分は歪んで見えることがある。フェンダーとの接合部や、ヤスリがけの跡がないかもチェックしよう。
5.エンジンまわりのオイル漏れ 修理は後で出費になる
5.エンジンまわりのオイル漏れ 修理は後で出費になる
このチェイサーは、各部からオイルがにじみ出ている。これは、暖気運転しないでアクセルを踏むような運転をしたときに現れる症状だ。金属部分の急激な温度変化によって、部品の合わせ目に入れてあるオイル漏れを防ぐシールがヘタっているためだ。増し締めして直ることもあるが、シール交換となるとかなりの出費だ。オイル漏れは、納車前に修理してもらったほうがいいだろう。
6.フェンダー交換の形跡はボルトと色をチェック
6.フェンダー交換の形跡はボルトと色をチェック
フロントフェンダーは、ぶつけやすく交換の容易な部分だ。フェンダーを固定しているボルトの頭にスパナをかけた跡があったり、フェンダーの色合いが他の部分と異なっているようなら、修理あるいは交換していることが考えられる。ただし、フェンダーをぶつけた程度なら、クルマの性能に問題はない。
7.Cピラーに歪み発見
7.Cピラーに歪み発見
ルーフの後部を支えている柱Cピラー。このチェイサーは、写真ではわかりにくいが、上部が歪んでシワがよっている。このようなことは、事故車でなければあり得ない。修理した時にこの部分を接合したのだ。左右とも同じ状態だったので、後部を広範囲に渡って修理したと推測できる。
8.トランクリッドの脱着も事故の可能性
8.トランクリッドの脱着も事故の可能性
トランクリッドの取り付け部にあるボルトに脱着した跡がある場合は、トランクリッドを交換している可能性が濃厚で、後部をぶつけたと考えるのが妥当だ。しかし、このチェイサーにもトランクリッドを脱着した形跡があったが、ショップに確認したところ、色あせていたので交換したという理由だった。
9.各面の合わせ部分を見ても何らかの事故を推測できる
写真を見ても、左右のボディとトランクの隙間が違うのは、ひと目でわかるだろうが、これで、何らかの状況で後部を修正したことが疑える。ただし、トランクリッドだけの歪みなのか、ボディ全体に歪んでいるのかは判断しにくい。全体から把握するしかないのだが、車体の面をよく見て、隙間の違いに注目しよう。隙間を「チリ」というが、これが判断材料としても重要な部分だ。ちなみに、このチェイサーの場合は、トランクリッドを交換しているので、それだけなら正確に取り付けていないとも考えられるが、バンパーの色の違いやCピラー部の歪みなどから判断して、後部を大幅に修理していると結論づけることができる。
10.再塗装跡は見破る
10.再塗装跡は見破る
このチェイサーは、バンパーとボディ外板部分の塗装のツヤと色が違っている。微妙な塗装の違いが修理の痕跡として残るわけだが、さらにテールランプとフェンダーが接している部分に、部分塗装するときに張るマスキングテープの跡の段差があった。これが、再塗装したことを決定づけている。
11.トランクの床をめくって後部の事故をチェック
11.トランクの床をめくって後部の事故をチェック
スペアタイヤが収まっているトランクルームの床下を点検すると、歪みなどで後部に受けたダメージを見つけることができる。外観はきれいに修正しても、見えない部分まで手を付けないことが多いからだ。
12.ドアを固定しているボルトを点検してみよう
12.ドアを固定しているボルトを点検してみよう
ドアに大きくダメージを負った側面の事故は、ほとんどの場合、ドアを交換修理してしまう。そうすると、ボルトを緩めた後が残る。車体の左右両側を見比べてみれば判断しやすい。ただし、新車組み立て時にもこのボルトを脱着するし、事故ではなくヒンジを調整することもまれにあるので、修理の形跡があるときはショップに問いただしてみるといい。
チェイサー90系のコンディションはここで見極める!
1.保管状態によっては内装のヘタリが早い
インテリアの内装材は実用に十分耐える耐久性があるはずだが、保管状態などによっては、それも帳消しになることもある。直射日光をガラス越しに受け、室内が80度以上になることもしばしば。それが続けば、内装材は曲がったり劣化してしまう。インテリアも、しっかりチェックしておきたい。
2.ステアリングホイールのヘタリで走行距離を疑ってみる
2.ステアリングホイールのヘタリで走行距離を疑ってみる
ステアリングホイールは、運転中は必ず握っている。つまり、確実に手で研磨していることになる。握っている部分だけ光ってくることも多いので、走行距離との関連の判断材料になる。走行距離が短いのに、異常に磨かれている状態なら、前オーナーに妙な癖があったか、表示された走行距離も疑える。
3.エンジンとミッションは絶対確認
3.エンジンとミッションは絶対確認
エンジンを始動してみよう。異音がしたり、大きな振動がするようならトラブルを抱えている可能性もある。実際に走ってみるのが望ましいが、できなければエンジンが暖まってから少しアクセルを踏んでみて、スムーズに回転が上下するか試してみよう。また、ATのセレクトレバーをNからDへ、NからRに動かし、シフトショックが激しくないかもチェックだ。
4.車体の下も見ておこう
4.車体の下も見ておこう
エンジンやトランスミッションなどのオイルの漏れやにじみがないかチェック。同時に、フレームなどにダメージや修理跡がないか点検しよう。部分的に塗装が新しいようなら、事故を起こして修理したとも考えられる。ショップの店頭でクルマの床下をのぞき見るのは難しいが、徹底的に調べるには、懐中電灯を持参して、しっかりと細部まで見逃さないことだ。さらに、試走して、異音の発生やプロペラシャフトのガタなども発見できれば、中古車の目利きは完璧だ。