輸入車
更新日:2024.02.26 / 掲載日:2021.09.04

フィアット 500|語り継がれる名車の系譜 vol.9|

語り継がれる名車の系譜 フィアット 500のメインカット

文●ユニット・コンパス 写真●フィアット
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年8月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年10月号の内容です)

生活の道具である小型車。しかしそれをデザインの国イタリアが手がけると、思わず欲しくなる名車となってしまう。

世紀をまたぎ受け継がれる庶民派名車の志

経済的でありながら相棒になり得る存在感

 イタリア生まれの小さなネズミが世界の都市を駆け抜ける。
 時は1936年。世界恐慌の影響でイタリア経済は冷え込み、一般庶民には、大きく豪華なクルマを購入するゆとりはとてもなかった。そんなときにフィアットから登場したのが、当時量産市販車としては世界最小サイズの「500(チンクエチェント)」だった。500は「小さなネズミ」と呼ばれながら、庶民の暮らしを支え人々に愛された。
 500の名が再び登場したのは1957年。新しい500という意味の「ヌオーヴァ500」こそ、現在の500につながる存在だ。この2代目にも、庶民のために低コストで良いクルマを提供しようという志は受け継がれている。愛らしい曲線を主体としたスタイリングにも意味がある。四角い車体に比べて少ない鋼板でボディを構成することが可能で、なおかつより高いボディ剛性を実現しているのだ。当然、軽く仕上がるため、非力なエンジンやシンプルな足まわりでも走りはよくなる。かくして500は名車となった。
 そして2007年、500は現代に復活する。安い価格、愛らしいデザインと小気味いい走りはまさに500そのもので、世界中から喝采をもって受け入れられた。
 そして、その存在は未来へとつながっていく。すでに本国デビューした新型は、初の電気自動車である。電動化時代にも500のコンセプトは受け継がれていくのだ。

フィアット500はこんなクルマ

  • フィアット 500の外観

  • フィアット 500のリアカット

 パワートレインは、69馬力の1.2L8Vまたは85馬力の2気筒875cc8Vターボのツインエアに5速デュアロジックの組み合わせ。

500Xクロスの走行シーン

SUVライクなスタイリングを備えたバリエーションモデル500Xも存在。写真は、よりアウトドアニュアンスを高めた500Xクロス。

フィアット500のインテリア

現行型には7インチタッチパネルモニターを備えるインフォテインメントシステムを搭載。スマホと無線で連携し、スマホのナビを利用可能。

[フィアット 500が名車になった理由]小さいことを利点にした設計と群を抜くデザインセンス

  • MoMAに展示された2代目500

    2代目は美術館で常設コレクションになっています

    チンクエチェントは単なる1商品の枠を超えてイタリア自動車業界のアイコンとなった。その功績を称えられ、2017年には2代目500がMoMA(ニューヨーク近代美術館)の常設コレクションとして加わっている。

  • フィアット 500の走行イメージ

    小さいからこそ込み入った街中で使いやすい

    500の初代から変わらない価値が車体の小ささ。小さいからイタリアだけでなく、欧州の古い街によくある狭い路地裏でも大活躍。それでいて車内には大人4人が座れる空間が確保されているのも歴代500のチャームポイント。

  • フィアット 500のフットワークのイメージ

    軽さを活かしたフットワークで機敏に走る

    ヨーロッパには昔から超小型車がたくさん存在してきた。それらと500の大きな違いが走行性能。キビキビとしたハンドリングは、走りにうるさい欧州ユーザーも納得。高性能版のアバルトが存在するほどポテンシャルは高い。

  • フィアット 500の前後シート

    大人4人が乗れデザインにも優れたインテリア

    導入コストの低さは小型車の大きな魅力。500も新車価格200万円から(8月時点)と輸入車のなかで最も安価な部類。それでいながらデザインには一切手抜きがなく、素材も特別なものでないのに素敵に見えるのだから流石。

  • フィアット 500のGucciとのコラボレーションモデル

    毎年のように登場した限定車も魅力のひとつ

    現行型500が登場したのは2007年のこと。それでも人気が衰えないのは、元々のスタイリングが優れているから。加えて数多くの魅力的な限定モデルの存在も花を添えている。写真はGucciとのコラボレーションモデル(2012年)。

  • フィアット500Cのイメージ

    歴代モデルをフィーチャーしたオープン版も存在

    バリエーションモデルも存在。500Cと名付けられたオープンモデル。ファブリックのルーフパネルが後方に畳まれる簡易的なものだが、それもまた500なら似合ってしまうからおもしろい。ほどよくプライバシー感があるのも嬉しい。

いま買いの中古車たち

500

500

10年以上にわたって販売されていただけあって中古車の数は非常に多く、グーネットに登録されていた物件は8月上旬時点で700台以上!価格もコミコミ50万円から探せる。また、個性的な限定車も豊富だ。
中古車参考価格帯:30万円~260万円(08年~21年 500全グレード)

500X

500X

500のデザインをベースにしたコンパクトSUV。1.4Lターボエンジンを搭載。FFに加えて4WDもラインアップしている。都会的なデザインのノーマルモデルのほか、力強さを高めた写真のクロスも存在。
中古車参考価格帯:120万円~300万円(15年~21年 500X全グレード)

500C

500C

電動でソフトトップが開閉できる500C。標準車と比べると中古車はグッと少なくなるが、それでも100台から流通している。価格も標準車よりおよそ30万円ほどアップする。幌の色にもこだわりたい。
中古車参考価格帯:45万円~230万円(09年~21年 500C全グレード)

500S

500S

500の魅力を大いに高めているツインエアエンジンをさらに楽しめるのが500S。ロボットATのデュアロジックに加え5速MTも用意。まるでアバルトのようなスポーティなデザインのバンパーを採用している。
中古車参考価格帯:90万円~220万円(13年~19年 500S全グレード)

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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