中古車購入チェックポイント
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2021.02.10

日産 デイズ(先代)/2013年~20【ONE MAKE MARKET RESEARCH】

Profile 工藤貴宏:学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス、日産
(掲載されている内容はグー本誌 2021年2月発売号掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年1月調べ。


日産「デイズ」は、軽自動車販売ランキングの上位に名を連ねる人気モデル。手ごろな価格も魅力だが、実用性や上級装備の積極採用も見どころだ。

2019年式 日産 デイズ S 4WD(CVT)全長×全幅×全高:3395×1475×1620mm ●ホイールベース:2430mm ●トレッド前/後:1300/1290mm ●車両重量:890kg ●排気量:659cc ●エンジン:直3DOHC ●最高出力:49ps/6500rpm ●最大トルク:6.0kgm/5000rpm ●サスペンション前/後:ストラット/トルクアーム3リンク ●ブレーキ前後:ディスク/ドラム ●タイヤ前後:155/65R14 ●中古車参考価格帯:30万円~140万円(13年~19年 ※全グレード)

走りと安全装備を高めた人気の軽ワゴン

三菱と共同開発した渾身の商品企画

編集部●今回は軽自動車をチェックしましょう。中古車市場でも大人気ですからね。ピックアップした車種は日産デイズ。ひと言でいうと、どんなクルマでしょうか。
工藤●基本はシンプルなキャラクターだね。日産の軽自動車は今、ルークスとデイズの2車種があって、デイズは背の低いほう。いわゆるハイトワゴンだ。スーパーハイトのルークスと違って、スライドドアやとびきり広い後席はない。とはいえ、実際に乗ってみると後席も意外に広くて驚いたりして。あと値段が安めで手が届きやすいね。
編集部●日産が本格的に企画した初めての量産軽自動車なんですよね。
工藤●そうそう。デイズ以前も日産は軽自動車を用意していたけれど、それらは他社が販売しているベース車から顔つきなどを変えただけの仕様だった。いわゆるOEM(相手先ブランド製造)ってやつだ。
編集部●デイズは違うんですか?
工藤●デイズは日産と三菱自動車が共同で設立した組織が企画。つまりクルマを開発する初期から日産がかかわっているのが大きな違いだね。
編集部●クルマの特徴はどんなところでしたっけ?
工藤●先進装備と上質感!
編集部●それは具体的には?
工藤●先進装備としては、カメラを使ってルームミラー内の画面やナビ画面で車両の周囲360度が確認できる「アラウンドビューモニター」。上質感としてはタッチパネル操作式のオートエアコン。どちらも軽自動車として初採用だ。ただ……。
編集部●ただ?
工藤●今回の撮影車両はどちらも付いていないけど……。
編集部●この撮影車両は中間グレードの「S」ですからね。
工藤●質実剛健なデイズもアリだ。

スーパーハイトなデイズルークスにも注目

 日産の展開するもう1台の軽自動車がデイズルークス(現行モデルは「ルークス」に改名)。デイズに比べると背が高い設計で、後席がひとまわり広くなっているのに加えてスライドドアを組み合わせて乗り降りがしやすいのも魅力だ。もちろんスライドドアは電動式も用意する。
中古車参考価格帯:50万円~170万円(13年~20年 ※全グレード)

[モデルヒストリー]

2013年6月:ニューモデル

 日産が商品企画、デザイン、開発の初期から関わった初めての量産軽自動車として登場。三菱「eKワゴン」「eKカスタム」とは基本設計を共有する兄弟車。eKシリーズは顔つきなどが異なる。

2015年10月:マイナーチェンジ

 初のマイナーチェンジでは、周囲の状況に応じてヘッドライトのハイ/ローを切り替える機構を軽自動車として初採用。従来はメーカーオプションだった衝突被害軽減ブレーキなどを全車標準装備。

2017年1月:一部改良

 「ハイウェイスターGターボ」にクルーズコントロールを標準装備化。新色として「ブロッサムピンクメタリック」などを追加し、「S」は従来展開していたFFがなくなり4WD専用グレードに。

2018年5月:一部改良

 衝突被害軽減ブレーキのセンサーを赤外線からカメラ方式に変更し性能アップ。対応速度上昇と歩行者検知機能の追加が特筆すべき機能向上だ。ハイウェイスター系には車線逸脱警報も組み込まれた。

2018年5月:フルモデルチェンジ「2代目デイズが登場」

 フルモデルチェンジで2代目に進化。車体もエンジンも全面的な新設計となった。軽自動車としては初めて、高速道路走行時などに車線の中央を走るようにハンドル操作をアシストする機能(プロパイロット)を搭載。緊急時のボタン操作、もしくは大事故を検知すると自動で専門の窓口へ緊急通報を送るシステムも採用している。
中古車参考価格帯:90万円~180万円(19年~20年 ※全グレード)

[インテリア]開放的な室内空間で居心地がいい

インパネは助手席の前に収納スペースが多く用意されていて実用的。「S」や「J」はダイヤル式の空調スイッチを組み合わせる。広い足もとも開放的だ。工藤’sコメント「インパネには収納部がたくさんあって実用的ですね!」

 インテリアは快適で居心地がいいことを最大のテーマとして作られている。インパネは上面も乗員側もできるだけフラットにすることで圧迫感をなくし、リラックスできる雰囲気。「X」や「ハイウェイスター」などの上級グレードはピアノブラックのパネルにタッチスイッチ式のエアコン操作パネルを組み合わせた先進かつ上級な演出も特徴だ。
 フロントシートは背もたれのサイズが大きく、立体形状で姿勢保持性がいいので疲れにくい。後席は厚いクッションが美点。

フロントシートは運転席と助手席の座面の間に隙間がないベンチタイプ。後席はふくらはぎまで保持してくれる形状が特徴で、厚い座面が心地よい座り心地だ。左右独立のリクライニングを採用。工藤’sコメント「足を組めるほど足もとゆったり!シートはソファーのような高級感あるデザイン」

後席格納は背もたれを前に倒すだけのワンタッチ式。左右独立でたためて荷室が広くなる。前後調整機能も組み込まれるが、スライドは左右一体だ。

[セーフティ]軽自動車初の歩行者検知可能な踏み間違い衝突防止アシストを搭載

 衝突被害軽減ブレーキは2014年12月に特別仕様車として設定された「Vセレクション+Safety II」で初搭載。その後、2015年10月のマイナーチェンジから全車に標準採用されている。ただし当初のシステムは赤外線センサーを“目”として使った仕掛けゆえに上限速度が約30km/hと低く、歩行者検知もできなかった。2018年5月以降はカメラ方式に変更され、対車両の作動速度を約80km/hまでアップ。さらに歩行者検知能力も備わり安全性を高めた。

中古車は台数豊富、好みに合わせて選べる

工藤●ところでデイズには標準仕様のほかに「ハイウェイスター」と呼ばれるスポーティ仕様があるから、好みで選べばいい。
編集部●グーネットを見ると、車両自体は約4000台と豊富。そのうち半分ほどがハイウェイスターなので、中古車も予算や好みに応じて選べる状況になっていますね。
工藤●日常生活のパートナーなら自然吸気エンジンでもいいけれど、高速道路を走るような人ならターボエンジンがオススメかな。
編集部●ターボエンジンとなると、中古車市場での比率は12%ほど。
工藤●ちょっと少なめだけど、価格は新車時に比べて割安感があるね。

[インプレッション]比較的リーズナブルでインテリアは心地いい。気軽に乗れる実用車

 日産の商品戦略が巧みだなと思うのは、この「デイズ」とスーパーハイトワゴンの「ルークス(デイズルークス)」との棲み分けが明確になっていること。広い室内やスライドドアの実用性が欲しいならばルークスを選べばいいし、そこまで必要がないのであればデイズがぴったりとハマる構成になっているのだ。
 具体的にはシンプルで上質なインパネの雰囲気や開放感など居心地のよさはデイズでも十分に感じられえるし、後席もルークスほど広くないとはいえ、大人がゆったり座れる空間が用意されている。唯一と思えるウイークポイントは、自然吸気エンジンだと加速感が物足りないこと。特にデビュー初期のモデルにその傾向が強い。

[マーケットデータ]

  • 年式
    どの年式も万遍なく物件が揃う先代デイズ。特に2015年式と2018年式が多い傾向にある。

  • グレード
    「X」グレードのほか、人気のハイウェイスターも物件数が充実。しかしターボ系グレードは数が少ない。

  • 走行距離
    生産期間が長いわりに低走行車が目立つ。3万km未満が半数以上を占め、相場も落ち着いている。

工藤貴宏が注目するデイズの「ココが○」

その1:心地よい室内空間。フロントシートは疲れにくく、リアシートでも快適
その2:インパネ周辺の秀逸さ。収納部が多くて実用的で、上級仕様は質感も◎
その3:リーズナブルな価格。スーパーハイトワゴンに比べて新車価格が低い

取材協力:日産ステージ足立鹿浜

低価格かつ良質な日産車が揃う販売店
 東京都足立区にある「日産ステージ足立鹿浜」は、良質な物件を取り揃えているディーラー系中古車販売店。環状七号線沿いにあるため、アクセスも良好だ。今回紹介したデイズはもちろん、人気のノートなども展示されているので、足を運んでみよう。
住所:東京都足立区椿2-2-5 TEL:03-3899-1405 定休日:火曜日

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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