モーターショー
更新日:2021.11.19 / 掲載日:2021.11.19
新型電気自動車「エアトレック」 広州モーターショーで世界初披露
三菱自動車の中国における生産・販売合弁会社である広汽三菱汽車有限公司(以下、広汽三菱)は、11月9日~11月28日の会期で開催中の広州モーターショーにおいて、SUVタイプの新型電気自動車(EV)「エアトレック」を世界初披露(参考出品)した。
参考記事:三菱 電気自動車の新型SUV『エアトレック』デザイン公開 中国専用で年内発売予定
3つの “e” からなる「“e”-cruising SUV」
新型「エアトレック」は、“Electric(電気自動車の「電気」)” “Expanding(カーライフの「拡張」)” “Expressive(三菱自動車らしさの「表現」)”という3つのキーワードからなる「“e”-cruising SUV」というコンセプトを元にデザイン。フロントフェイスの「ダイナミックシールド」や、テールゲートの六角形モチーフに代表される、一貫した三菱自動車のデザインアイデンティティを取り入れ、機動力と安定性を兼ね備える三菱自動車らしい走りを表現するスタイリングとした。
三菱自動車の加藤隆雄社長は今回の初公開に際し、「新型『エアトレック』は、電気自動車を柱とする新エネルギー車によって環境対応を加速させる中国に向けた三菱自動車からの提案です。走行中のCO2排出量ゼロのEVでありながら、最大約520kmの航続距離を実現しています。車名の由来には自由に冒険をするという意味が込めてあり、その名の通りアクティブなカーライフを是非お楽しみいただきたいと思います」とコメントした。
高級感を主張したインテリア 航続距離は最大520kmに
インテリアでは、開放感があり前方の視界がよく、運転姿勢がつかみやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。人が触れる部分にソフトパッドを採用して質感を向上、ステッチを細部にまで多用するなど、高級で上質な居住空間を実現した。また、ロングホイールベースと幅広い全幅によって、ゆったりと家族で過ごせる広々とした室内空間に仕立てた。
EVコンポーネントとしては、70kWhの大容量の駆動用バッテリーを搭載し、中国独自の自動車排ガス試験走行サイクルである中国CLTC基準で、最大約520kmの航続距離を実現。フロア中央に搭載することで、低重心で理想的な前後重量配分とした。軽量高剛性なボディに、モーター、インバーター、減速機を一つの軽量コンパクトなユニットにし、出力とトルクを向上させた駆動システムと組み合わせ、電気自動車ならではの力強く滑らかな走りと、キビキビとした操縦性を一層際立たせている。
現在のアウトランダーに通ずるオールマイティなSUV
「エアトレック」は元々、国内では2001年6月から2005年まで販売されていたガソリンエンジン搭載のクロスオーバーSUV。「自由な空間と走りの創造」をコンセプトに開発され、オフロードに対応する走行性能とミニバンの利便性を兼ね備えたモデルとして発売されていた。
デビュー時よりFFと4WDをラインアップし、エンジンも直噴タイプの2.4L 直4DOHCとECI制御の2L 直4OHCの2タイプが用意されるなど、多彩なバリエーションも特徴に。後年には、ランサーエボリューションと同型式の2L 直4DOHCターボエンジン搭載車「ターボR」や、2.4Lエンジンを搭載しRVテイストを強調した「スポーツギア」も追加されている。
内装もグレード特性に合わせて、ベージュ基調やブラック基調、カーボン調、ブルー木目調など趣の異なる内容を揃えていた。
2005年の廃止に伴う国内販売終了後、後継モデルとして登場したのが、現在の三菱のフラッグシップSUV「アウトランダー」である。