アウディ　次世代の電気自動車「A6 e-tron コンセプト」を上海モーターショーにて発表

　現行のA6はこれまでセダンとアバントを筆頭に、オールロード、スポーツバック（A7 スポーツバック）とモデルラインナップを拡充、2011年にはフルハイブリッドバージョンが、そして2019年にはプラグインハイブリッドのA6 TFSIeが登場した。

　今回発表されるA6 e-tron コンセプトはPPEをベースにした純粋な電気自動車で、TFSIeとは異なることを明確にしており、さらには現行モデルのA6と共通しているのは全長4.96m、全幅1.96m、全高1.44mのサイズのみで、アウディの最新のデザイン言語の体系的な進化を明確に表現したコンセプトカーだという。

　また、このコンセプトカーはPPEを採用したことによってファーストカーとしての実用性を備えながらも、ダイナミックなドライビングパフォーマンスを全身で表現することが可能になったとし、走行性能の向上をほのめかす。

　条件によってはWLTPモードで700kmを超える航続距離を実現し、もっともパワフルなモデルは0-100km/hをわずか4秒未満で加速するとしている。

　A6 e-tron コンセプトのプロポーションは、22インチの大径ホイールと短いオーバーハング、フラットなキャビン、そしてクーペの広いルーフラインによって、スポーツカーを連想させるものに。明確なエッジが存在しないデザインにより、凸面と凹面がスムーズにつながり、ボディパネル全体にソフトな陰影がもたらされている。
　また、Dピラーは、ショルダーラインから上方へと立ち上がり、流れるようなラインを描きながらルーフへとつながる。印象的なquattroブリスターは、ボディの幅広さを強調すると同時に、ボディサイドに有機的な曲面を形成する。

　今回のコンセプトカーには、“Heliosilver”（ヘリオシルバー）と呼ばれるボディカラーを採用。車両の立体感と奥行きの深さを強調し、シングルフレームグリルとディープマットブラックのフレームとのコントラストも印象的なヴィジュアルを生み出している。
　この塗料は太陽光をかなりの割合で反射するため、車内の温度の上昇をやわらげる効果があり、エアコンの使用頻度を抑えられるという。

　PPEの大きな特徴は前後アクスル間に搭載された容量約100kWhのバッテリー容量で、比較的フラットなバッテリーレイアウトを実現可能に。バッテリーサイズやホイールベースも柔軟に変更できるため、乗用車やSUVなどさまざまなセグメントの車両に採用することが可能だという。

　また、長いホイールベースが設けられるため、乗員コンパートメントに広々としたスペースを作り出すことができ、快適な居住性の創出にも寄与している。

　Audi A6 e-tron conceptについては、350kWの合計出力と800Nmの最大トルクを発生する、2基の電気モーターを搭載。サスペンションは、フロントには電気自動車用に最適化された5リンク式サスペンションが、リヤにはマルチリンクタイプのサスペンションが採用された。さらに、このコンセプトカーは、アダプティブダンパーを備えた、アウディエアサスペンションも装備するとしている。