車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2017.01.26

【気になる中古車試乗判定】MINI 5ドア

MINI 5ドア

2015年モデル MINI 5ドア

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は MINI 5ドア

  • MINI 5ドア

    今回取材したクルマの走行距離は約1万7000km。年式からすると走っている部類に入るが、試乗ではヤレや不具合のようなものを感じることはなかった。

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  • MINI 5ドア

  • 3ドアと同等のインテリア それこそ5ドアの価値

    MINI 5ドア コックピット

  • 3ドアと同等のインテリア それこそ5ドアの価値

     ナビ画面を納める巨大なセンターメーターは、MINIのアイコン。速度計やタコメーターなどはステアリングポスト上のメーターに集約され、さらにヘッドアップディスプレイも用意。LEDライトの色や明るさ、明滅パターンによってクルマがドライバーにコミュニケーションを図るのも特徴。

  • 後席へのアクセスのよさは 5ドア化した最大の利点

    MINI 5ドア 内装

  • 後席へのアクセスのよさは 5ドア化した最大の利点

     MINIならではのポップな世界観はそのままに、利便性が大幅に高まった5ドア。後席へのアクセスが簡単なのはもちろん、ドアが短くなっているので3ドアに比べて乗り降りの際に気を使うことも少なくなった。取材車両はシートやラゲッジにオリジナルのカバーを取り付けている。

  • エンジンのバリエーションは 驚くほど豊富です

    MINI 5ドア エンジン

  • エンジンのバリエーションは 驚くほど豊富です

     ワンには1.2L 3気筒ターボ、クーパーには1.5L 3気筒ターボ(ハッチバック以外は1.6Lターボ)、クーパーSは2L 4気筒ターボ、クーパーDおよびクーパーSDには2L 4気筒ディーゼルターボと多数のパワーユニットを用意する。トランスミッションは6速MT・ATまたは8速AT。

  • MINIらしさと乗り心地を バランスさせた足まわり

    MINI 5ドア タイヤ・装備

  • MINIらしさと乗り心地を バランスさせた足まわり

     Bセグメントの小型車でありながら、いち早くリヤにマルチリンク形式のサスペンションを導入したことも、走りにこだわるMINIらしいところ。現行型世代ならではの装備として、ナビなどの操作が手元でできるタッチパッド付きのMINIコントローラーを採用。インターネットにも接続可能だ。

MINI 5ドア 試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • 自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • じつはお二人はともに「MINI博士」と言えるほど詳しく、竹岡さんにいたってはプライベートカーとしてもMINIを所有。自動車のプロをも引き寄せる魅力がMINIには備わっている。

ますます広がり続けるMINIワールド

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、キャラクター性の高いデザインで大人気のMINIから、5ドアが登場です。お借りした車両は個人所有で2015年モデル、グレードは「クーパー」、走行距離は1万7000km強となります。今回のモデルは、新型となってから数えると「3代目」になるんですよね。

竹岡●初代がR50(01年~07年)、2代目がR56(07年~14年)、この3代目はF56(14年~、5ドアはF55)、これはBMWのコードネームと同じで2シリーズ アクティブツアラーのベースにもなっております。

九島●ちなみに「F」は「Future」の「F」ね。

編集部●ありがとうございます。どのあたりが進化したんですか?

竹岡●よりBMWっぽくなった(笑)。エンジンもそうだし、インテリアの質感とかも。

九島●高級感が出たよね。

竹岡●ナビのコントローラーもiDriveみたいなもんじゃん。

九島●(笑)

竹岡●あとはイルミネーションかな。センターメーターの周囲にLEDが仕込まれていて、クルマが色でコミュニケーションしようとしてくる。だから、慣れるとクルマと会話ができるのね。それが新しいかな。

九島●エコモードだとグリーンになったりね。

編集部●なるほど。21世紀になってMINIが復活してバリエーションが増えてきましたが、15年に登場したこの5ドアというのは、非常にエポックメイキングな存在ですね。

竹岡●そうだよね。クラシックミニの時代からこれまで5ドアっていうのはなかったんだから。

九島●昔はミニといえば3ドアのあの形を指したけど、いまや「MINI」というブランド名だもんね。

竹岡●3ドア、5ドア、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバー、ペースマン。新車では買えなくなったけどロードスター、クーペ、クラブバン。しかもそれぞれにワンがあって、クーパーがあって、クーパーSがあって、ディーゼルや4WDがあって、JCWがあるから(笑)

九島●さらにMTとATも。

編集部●「MINI」といっても、色まで含めればその組み合わせはじつは何万通りもあるわけですね。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

竹岡●デザインが凝ったクルマだから、同じようなクルマが街中にたくさんいるとどうなのかなって思ってたけど、あまりにもバリエーションが豊富だから、かえって同じMINIを探すほうが大変(笑)

九島●そこはまあビジネスだし、MINIはクルマの骨格がいいからいろいろバリエーションができるという側面もある。これまでライフスタイルの変化によってMINIを手放さざるを得ないひとがいたわけじゃない。そこを1ブランドでカバーしようということで、5ドアとかクラブマンが生まれたんだろうね。

竹岡●5ドアは3ドアにいちばん形が近いでしょ。これまで3ドアだからって理由で家族に反対されていたひとにはいいと思うな。

九島●5ドアは実際便利だし。

編集部●それでは、そろそろ試乗のほうをよろしくお願いします。


編集部●さて、試乗基地にMINI5ドアが戻ってきました。さっそくお二人に感想を伺ってみましょう。クーパーは1.5Lの3気筒ということで、エンジンが気になるひとも多いと思います。その辺はどうですか?

竹岡●十分に速いよね。

九島●クーパーとしては速すぎるくらい。下からトルクがあるから、アクセルをゆっくり踏んでもビュンビュン走る。

竹岡●私は仕事柄、MINIに多く乗る機会がけっこうあって、知ってるがゆえに細かいところで気になることはあるのね。たとえばトランスミッションがロックアップ領域で息継ぎする感じとか。

九島●完璧なわけではないと。

竹岡●一方で足まわりのセッティングは上手になったよね。初代はガチガチで、2代目はちょっと緩かった。3代目はちょうどいいところに落としてきたかなと。乗りやすいし。

九島●そうだね。MINIが言う「ゴーカート・フィーリング」はそのままに、快適性とのバランスは上手に取れてると思う。

編集部●では、お二人のパーソナルチョイスを教えてください。

九島●僕はコンバーチブルに乗りたいな。ソフトトップにユニオンジャックのヘリンボーン柄が織り込まれてて格好いいんだよ。

竹岡●私は来年新しく出るクロスオーバー・・・・・・と言いたいけど、いま手に入るなかから選ぶとすると、クーペかペースマンがいいな。

編集部●今回の5ドアはどんなひとにオススメですか?

竹岡●これまで3ドアということで諦めていたひとかな。

九島●ズバリ、それしかないね。

※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

MINI 5ドア レビュー評価

MINI 5ドア

MINI 5ドア

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるMINI 5ドア レビュー評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

MINIは公私ともに縁が深いという竹岡さん。今回紹介するクーパー5ドアについても、いいところとちょっと気になるところを的確に挙げてくれました。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 MINI 5ドアって、クラシックミニの時代にも存在しなかったモデル。現代のニーズに応えたMINIなんです。3ドアだと家族では使いにくいから・・・と、あきらめていたMINIファンを救い、ユーザー層の拡大に貢献しました。中途半端なんていう方もいますけど、実際は利便性とMINIらしさを兼ね備えている、その隙間産業的なところがいいんです。

装備 10点

 3世代目MINIは、イルミネーションを使ってユーザーとコンタクトするという、新しいインターフェイスを取り入れたモデルなんですが、インパネ等は3ドアとまったく同じなので、MINIの世界観が満喫できます。後部座席のドアは小さめだけれど、このボディサイズが活躍する街中にはピッタリ。狭いところでの乗り降りもしやすく機動性が高いです。

走り 9点

 ガチガチだった初代と、マイルドに振った2代目の中間あたりに位置する乗り心地を備えながら、ちょっと敏感すぎ?と思えるくらい、MINIならではのキビキビ感、ゴーカートフィーリングはきっちり盛り込まれているので、期待を裏切りません。1.5Lターボとは思えないほどエンジンもパワフル。高速クルージングもラクにこなしてくれます。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

自動車ジャーナリスト 九島 辰也

身につけるアイテム同様、クルマにもファッション性を求める九島さん。「一周まわってオーソドックスなコンバーチブルがいまいちばんカッコいいかもね」。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●男性ファッション誌副編集長を経験するなど、ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 10点

 相変わらずファッショナブルで、乗り手のライフスタイルに合わせてカスタマイズできるところもいい。自分らしさを表現できるというのは、じつはとても大事なことだからだ。ハッチバックの5ドアは、MINIらしさはそのままに使い勝手が大幅によくなっているところが嬉しい。荷物を気軽に後席に積める便利さは、ファミリー以外にもオススメだ。

装備 10点

 3代目はデザインの個性をキープしながら、BMWブランドにふさわしい上質さを手に入れている。手触りの質感もいいし、各部の使い勝手にも優れる。とくに手元のコントローラーで操作できるナビゲーションは、BMWのそれと同様とても使いやすい。LEDを使ったイルミネーションでムードを変化させるのは、MINIだからこそ効果的なアイデア。

走り 9点

 今回試乗したのは1.5Lターボの3気筒エンジンだったが、力不足どころか速すぎると感じるほどだった。もちろん、MINIが得意とするゴーカートフィーリングも健在で、5ドアであることは後ろを振り返ることをしなければ意識することはないだろう。乗り心地も快適で、クラシックミニに乗っていたひとが試乗したらびっくりするに違いない。

GooWORLD編集部

担当は初代R50系を自分で所有していた経験からも5ドアの便利さを実感。MINIは中古車市場も安定して高評価で、乗り換え時にも高額査定が期待できます。

ポジショニング 10点

 MINIというスタイルはそのままに、5ドアの利便性を手にいれたのが本モデル。ホイールベースを拡大して後席用ドアを追加したことで、格段に利便性がアップ。後席ドア以外は3ドアと同様というところがファンにとってはポイントです。これでもう、「MINIはほしいけど3ドアは家族が許してくれない」という言い訳はできません(笑)

装備 10点

 MINIは、サイズとしてはBセグメントに相当するのですが、本来実用的な小型車であることが多いほかと違って、非常に装備が充実しているのもポイント。先進装備についても積極的で、3代目となった現行型では衝突被害軽減ブレーキやアクティブ・クルーズコントロールも選択可能。8.8インチワイド液晶のナビシステムも使いやすい。

走り 9点

 燃料消費とパフォーマンスの効率を追求する流れはMINIにもおよび、ワンは1.2L 3気筒ターボ、クーパーは1.5L 3気筒ターボを搭載しています。そこで力不足を心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、ワンでも十分、クーパーでは十分以上によく走ります。5ドア化しても走りのテイストはしっかりゴーカートフィーリングで楽しいものです。

MINI 5ドア DETAIL CHECK

MINI 5ドア

2015年式 MINI クーパー5ドア(6速AT)

全長×全幅×全高4000×1725×1445mm
ホイールベース2565mm
車両重量1260kg
エンジン直3DOHCターボ
総排気量1498cc
最高出力136ps/4400rpm
最大トルク22.4kg m /4300rpm
サスペンション前/後ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク

中古車参考価格帯

200万円~400万円(2015年~2016年 ※5ドアのみ)

モデル主要変遷(MINI)

2014.03フルモデルチェンジ
2014.07追加モデル「ワン」
2014.09追加モデル「クロスオーバー」「ペースマン」
2014.10追加モデル「5ドア」←今回の中古車
2014.12追加モデル「ワン 5ドア」
2015.03追加モデル「クロスオーバー」
2015.05追加モデル「JCW」
2015.08一部改良
2015.09追加モデル「クラブマン」
2016.01一部改良
2016.03追加モデル「コンバーチブル」
2016.05一部改良

※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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