中古車購入チェックポイント
更新日:2018.12.02 / 掲載日:2013.07.12

トヨタ クラウン マジェスタ (2009年3月~) 中古車購入チェックポイント

  • トヨタ クラウン マジェスタ (2009年3月~) 中古車購入チェックポイント

    トヨタ クラウン マジェスタ

    DBA-URS206
    参考車両:Cタイプ
    初年度登録2010年12月
    追加装備:<メーカーオプション>プリクラッシュ セーフティシステム(ミリ波レーダー方式)、クリアランスソナー&サイドモニター、レーダークルーズコントロール、ITS スポット対応DSRC ユニット (2010年12月)

  • トヨタ クラウン マジェスタ

■全体のチェックポイント

トヨタブランドの最高級セダン”として開発した5代目「マジェスタ」。車体まわり、内装、装備をしっかりチェック。基本的な走行機能のほか、運転支援機構などの整備状況も確認。参考車両は、オプション装備の状態も要確認。購入するなら、整備付・保証付の車両を選びたい。

外観だけでなく車体骨格のダメージにも注意する

  • 1.車体のバランスを見る

    トヨタ クラウン マジェスタ(正面)

  • 1.車体のバランスを見る

     まずは、外装のずれや歪みなどにも注意しながら、車体まわりの様子を見る。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスをチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意。

2.下側に要チェックポイント

 車体側面は、下部に設けているサイドマッドガードも、傷や破損、修理/交換跡などがないかチェック。重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)も調べる。

  • トヨタ クラウン マジェスタ(下側1)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(下側2)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(下側3)

3.関連部も慎重にチェック

 バンパーは、ずれていないか立て付けを見て、角や下部に損傷がないかチェック。フェンダーも、膨らんでいるホイールアーチの縁あたりに損傷や修理跡がないか見る。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側にあるライナー(泥よけカバー)の状態もチェック。 車体前部は、エンジンルーム内も、ダメージや修理/交換跡などがないか見る。

  • トヨタ クラウン マジェスタ(関連部1)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(関連部2)

  • 4.ドアと同時に周辺を見る

    トヨタ クラウン マジェスタ(ドア)

  • 4.ドアと同時に周辺を見る

     ドアは、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理・交換していないか、ヒンジのネジもチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、ドア開口部や関連部も必ずチェックする。

5.トランクリッドを開閉してみる

 後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。デュアルエキゾーストテールパイプの損傷などにも注意。 トランクリッドは、開閉具合をチェックし、ダメージがないか内側も見る。カバーで覆われているが、開口部も修理跡がないか慎重にチェックする。

  • トヨタ クラウン マジェスタ (開閉具合もチェック1)

  • トヨタ クラウン マジェスタ (開閉具合もチェック2)

  • 6.損傷の程度にも注意

    トヨタ クラウン マジェスタ(ドア開口部)

  • 6.損傷の程度にも注意

     リアフェンダーは、ドア開口部に後席への乗り降りで付けた傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡や修理跡にも注意しながらリアフェンダー周辺を修理していないかチェック。

7.修理歴がないか確認する

 車体骨格を修理/交換していれば修復歴車になるが、修復歴に該当しなくても、修理/交換している部分がないか確認しておきたい。

インテリアの状態と装備機器の機能をチェック

1.隅まで細かくチェック

 室内は、内装材に汚れや傷などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスやポケットなどは内部も見る。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意しながら動き具合をチェック。 シート表皮は、染み、擦れ、縫い目のほつれ、破れなどがないか。本杢パネルの傷、ステアリングホイールの皮革の剥げなど、細かい部分の傷みにも注意したい。

  • トヨタ クラウン マジェスタ(室内1)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(室内2)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(室内3)

  • 2.装備機器の作動を確認

    トヨタ クラウン マジェスタ(室内4)

  • 2.装備機器の作動を確認

     パワーウインドウ開閉、ドアロック、室内ランプ点灯など基本的な部分のほか、キーレスエントリーによる各部の作動、フルオートエアコン、パワーシート、ドライビングポジションシステム、前後ドア/トランクリッドイージークローザーなども正常に作動するかチェック。

3.後席やトランク内も見る

 前席だけでなく、後席周辺も丹念にチェック。リアセンターアームレストを引き出し、コントロールスイッチを操作して、エアコン、シートリクライニング、サンシェード、オーディオなどの機能もチェック。 トランク内も汚れや傷みがないかチェック。ラゲッジネットやフックの状態も見る。床マットを開けて、アンダートレイ周辺もチェック。

  • トヨタ クラウン マジェスタ(後席1)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(後席2)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(トランク内)

4.追加装備の機能も確認

 「Cタイプ」は、HDD ナビ・3メディア-VICS+クラウンスーパーライブサウンドシステムを標準装備。ナビ・TV・DVD/CD・AM/FM などの機能と動作をチェック。参考車両は、オプション装備のITSスポット対応DSRC ユニット(ETC機能付)の機能も要確認。

5.販売店に聞いてみる

 装備類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、不具合などがないかは販売店に聞いてみよう。

走行機能のコンディションと整備状況を確かめる

  • 1.エンジンをかけてみる

    トヨタ クラウン マジェスタ(エンジン)

  • 1.エンジンをかけてみる

     エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示/警告灯類の点灯や表示なども注意して見る。スマートエントリー&スタートシステムやエンジンスイッチの具合もチェック。不明な点や疑問があれば、販売店スタッフに聞いてみよう。

2.オートマチックと関連機能をチェック

 マニュアルモード付8速ATは、可能なら試乗して、オートマチック動作をチェック。[S]ポジションでのシフトアップ[+]・ダウン[-]の具合およびマニュアル動作も走行中にチェック。走行制御スイッチも操作して、[ECO MODE]・[SPORT]・[SNOW]、車高レベル[HEIGHT HIGH]、トラクションコントロールのTRC・TRC/VSC[OFF]など各機能の作動状態と車両の挙動をチェック。とはいっても、不具合を判断するのは難しいので販売店で調べてもらうほうがいい。

  • トヨタ クラウン マジェスタ(オートマチック1)

  • トヨタ クラウン マジェスタ(オートマチック2)

  • 3.整備状態を確かめる

    トヨタ クラウン マジェスタ(エンジン周辺)

  • 3.整備状態を確かめる

     遮音カバーがあるので細部までは見づらいが、とりあえず見える範囲だけでも、オイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺をチェック。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認しよう。

  • 4.タイヤとホイールをチェック

    トヨタ クラウン マジェスタ(タイヤとホイール)

  • 4.タイヤとホイールをチェック

     タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検。傷、異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体の歪みやサスペンションの異常などにも注意する必要がある。 アルミホイールは、傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がりなどにも注意。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも要注意。

  • 5.床下の様子も探ってみる

    トヨタ クラウン マジェスタ(床下)

  • 5.床下の様子も探ってみる

     外見だけではわからない部分にダメージ痕が残っていることもある。念のために床下を覗いて、車体パネルや補強部材など鉄板部、マフラーやサスペンションなどの部品類、カバー類も、損傷がないか、修理/交換していないかチェック。

6.サスペンション機能も確認

 「マジェスタ」は、減衰力制御AVS機能付電子制御エアサスペンションを標準装備。サスペンションの作動状態だけでなく、ナビ協調制御(コーナープレビュー、段差学習)、ロール姿勢制御、オートレベリング・車高制御モードなど、関連機能もすべて正常か販売店で調べてもらおう。

7.不具合の兆候にも注意

 オイルやグリスなどの漏れによる油汚れ、樹脂やゴム部品の劣化や破損などにも注意。錆があれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、範囲と腐食状況を見ておきたい。

8.販売店できちんと点検・整備して納車してもらう

 エンジンの不調やATの不具合などを判断するのは非常に難しい。走行に関わる機構としては、エンジン・ステアリング・ブレーキなどを統合制御するVDIMや駆動力統合制御システムDRAMSなどのほか、ヘッドランプコントロールAFS、ヒルスタートアシストコントロール、音声ガイダンス機能付バックガイドモニターなど多数ある。参考車両は、オプションのクリアランスソナー&サイドモニター、レーダークルーズコントロール、プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)なども追加装備している。車両の購入を決めるなら、すべての機構を正しく点検・整備してもらうようにしよう。

目利きはココを見る!

「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • 「塗装の状態」を見る

  • 「塗装の状態」を見る
    ●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部などは、塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。

  • 「取り付け状態」を見る

  • 「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修正跡や修理跡がないか調べる。

  • 「接合部」を見る

  • 「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、パネルの接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

■今回の車両のプロフィール

●中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
●2009年3月のフルモデルチェンジで5 代目となったクラウンシリーズの「クラウン マジェスタ」。基本となるFR(後輪駆動)車は、新採用4.6Lエンジン+動力統合制御DRAMSを備えたマニュアルモード付8速AT。4WD車は、4.3L+マニュアルモード付6速AT を搭載。車両安定制御VDIMや減衰力制御AVS 機能付電子制御エアサスペンションなどを全車に標準装備している。●仕様グレードの「Aタイプ」は、ファブリックシート、HDD ナビ、クラウンサウンドシステムなどが標準装備のスタンダードモデル。「Lパッケージ」では、ギヤ比可変ステアリングVGRS、アクティブステアリング統合制御付VDIM、電動ルーフ、本革シート、専用アルミホイールなどを追加する。「Cタイプ」は、HDD ナビ・3 メディア-VICS、トヨタサウンドシステム、全ドアイージークローザー、リアオートエアコンなどを装備した上級タイプ。「G タイプ」は、プリクラッシュセーフティシステムやプレミアム本革シートなども標準装備した最上級タイプ。「Fパッケージ」では、後席コンフォータブルエアシート・助手席/後席ヒーター付のプレミアム本革シート、後左席電動オットマン、大型リアセンターコンソールなどを装備し、4人乗りとなる。「i-Four」は、4WD。基本装備はCタイプに準じるが、寒冷地仕様(リアフォグランプ、ウインドウデアイサーなど)を装備し、電子制御ブレーキECBは非装備となっている。●2010年12月の一部改良でナビ機能を向上。ITS(高度道路交通システム)スポット対応DSRC(狭域通信)ユニットをオプションとして設定したが、基本的な仕様装備に大きな変更はない。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
AタイプDBA-URS2068AT-MFR
LパッケージDBA-URS2068AT-MFR
CタイプDBA-URS2068AT-MFR
GタイプDBA-URS2068AT-MFR
FパッケージDBA-URS2068AT-MFR
I-FourDBA-UZS2076AT-M4WD

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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