新型エスクードに乗って驚いたのは、その走りのレベルの高さ。高速道路を走れば放たれた矢のように突き進む直進安定性のよさに驚き、峠道ではドライバーの意図したとおりに旋回する正確な操縦性に安心できる。どっしりと構えた運転感覚は、長距離移動でも疲れない出来のいい欧州車のような乗り味だ。
フルモデルチェンジですべてを刷新した新型は、もはや従来のエスクードとは別のクルマと言っていいほどメカニズム面で先代までとの共通項は少ない。
先代までのエスクードは「ラダーフレーム+FRベースのエンジン縦置きレイアウト+直結ローモード付きの4WD」で本格オフロード車といえるメカニズムを採用していた。しかし新型は大きく方向転換し、車体をひとまわり小さくすると同時に完全なるモノコック化。パワートレインは横置きFFとそれをベースにした4WDと改められている。言うなれば、流行のクロスオーバーSUVに生まれ変わったのである。
従来のファンはその変化にショックを隠せないかもしれないが、乗り心地と燃費、そして舗装路での操縦性は大幅にレベルアップ。より乗用車ライクとなった乗り味は大多数のユーザーには歓迎されるに違いない。
操縦性に関しては、新型は欧州市場を主力としハンガリーで生産される「欧州セッティング」になっていることも大きく影響しているだろう。そんな“欧州車”がレーダー式のクルーズコントロールまで備えて212万7600円からという値段も、きわめて魅力的である。
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