クラウンは日本の頂点に立つセダンである。・・・と書くと「レクサスがあるじゃないか?」と思う人もいるだろう。しかし、やはり日本の頂点はクラウンだ。
なぜなら、レクサスの各モデルは「日本」だけではなくグローバルに展開しているブランドであり車種だから。対してクラウンは一部で海外展開があるものの、脈々と受け継がれているのは国内専用車の血筋。日本人の体形に合わせてドライビングポジションが設計されていたり、日本の狭い道でも楽に扱えるように小まわりが利くように作られていたり、「エアコン」、「車両設定」、「オーディオ」など操作系スイッチの一部が日本語で表記されていたりと、日本で乗りやすいように作られている。
そんなクラウンの、現行モデルである14世代目の最大のポイントは、ハイブリッド化とエンジンのダウンサイジングである。
先代でハイブリッドを用意してはいたものの、普及モデルとい開発の根底にあるのはうよりはアイコン的な存在。販売比率も高くはなかった。しかし現行型は4気筒エンジンを組み合わせた省燃費タイプのハイブリッドで価格設定もリーズナブルな仕様とし、販売台数もグッと増加。いまやハイブリッドがクラウンのスタンダードになっている。
また、先ごろ登場した後期型ではハイブリッド以外のモデルでもついに4気筒エンジン(2.0Lターボ)を搭載。時代の波に乗ったダウンサイジングで、「クラウンといえば6気筒」というお約束はすっかり過去のものになった。
過去に縛られず時代に合わせたパワートレインの搭載、個性的なフロントマスクのデザイン、そして他車に先駆け時代を先取りするタッチパネル操作系の採用。
クラウンというと保守的なクルマと思われがちだが、じつは時代を先取りするアバンギャルドな血筋でもあるのだ。
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