2003年に市場投入されたティアナは、ローレルとセフィーロを統合するカタチで誕生した高級セダン。FFの駆動方式から推察できるように、2代目でFFに転身したセフィーロのDNAを強く継承する。
多くの日産ファンはいまも覚えているだろうが、初代J31型のキーワードは「モダンリビング」。大柄なサイズを誇るFF車ならではの広いキャビンに、高級家具をイメージさせる上質感あるインテリアを融合させることで新たな価値観を創出し、高級セダンの世界に新風を吹き込んだ。その象徴は、木目調パネルを大胆にあしらったインパネやセンターコンソールと、モダンファニチャーを思わせる造形のシートだった。
以来、キャビンの快適性とデザイン性にこだわるクルマづくりは、ティアナの伝統となる。2008年投入の2代目J32型は、「おもてなし」をテーマとして、インテリアをクルマとしての機能性に根ざしたデザインへと昇華させたのが見どころ。そして2014年デビューの3代目では、「モダンリビング」や「おもてなし」のコンセプトを継承しつつ、グローバル化への対応を進めた。
ご存じのファンも多いだろうが、現行のL33型では、ついに北米で販売されるアルティマとのモデル統合が図られた。スタイルやインテリアにスポーティさが加味されたのはそれが理由で、現行ティアナはDセグメントセダンの世界的なトレンドを反映させたモデルとなっている。
そんなティアナの最新の話題は、2月の改良における「エマージェンシーブレーキ」の新搭載。自動ブレーキおよび「踏み間違い衝突防止アシスト」の設定は、マークXやカムリなどのトヨタ勢に差をつけるポイントで、ティアナはその魅力を大きく底上げすることに成功した。
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