中古車購入
更新日:2018.10.18 / 掲載日:2010.04.16
ホンダ オデッセイ 中古車購入チェックポイント
ホンダ オデッセイ 中古車購入チェックポイント
DBA-RB3
参考車両:M(カスタムパーツ装着)
初年度登録:2009年8月
■全体のチェックポイント
”走りのミニバン”として、中古車市場では人気モデルの上位に入っている。スポーティタイプが売れ筋だが、ユーザーは若い層が中心。参考車両のように、ベーシックタイプをカスタマイズしている例も少なくない。どちらかといえばクルマ好きに支持されているともいえるが、仕様グレードによっても異なる。外装、内装ともにしっかりチェック。車両の使い方や走り方も推察したいが、ユーザー歴を販売店で聞いてみるのもいいだろう。もちろん、エンジンや走行機能系のコンディションと整備状態も、必ず確認しよう。
1.全体の雰囲気から探る
1.全体の雰囲気から探る
車体の全体が見える、やや遠目から、車両を観察しよう。車両の周りをひと巡りして、外装部品の立て付け、塗装面の状態、車両の傾きなどをチェック。違和感や不自然に見える部分などがあれば、近寄って詳しく調べよう。
前面は、バンパー/グリル/ボンネット/ヘッドライト/フェンダーなどが並んでいるバランスをチェック。左右対称になっていることも確認。
左右ライトの片方だけが新しい場合(交換)は、その側の車体部を修理している可能性もある。ナンバープレートの変形や修整跡なども、車体部の修理を疑ってみる。バンパーの下側や角付近の損傷や破損などにも注意。
2.後面のチェックポイント
2.後面のチェックポイント
前部と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)/フェンダーなどのバランスをチェック。
テールゲートの立て付けを見て、全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。左右片側だけに隙間が狂っている箇所があれば、その部分の車体部を修理/交換していると考えられる。
後部ナンバープレートは、封印の傷(プレートを外した形跡)に注意。バンパーとマフラーエンドとの隙間も確認。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
定期点検整備記録と突き合わせて、エンジンと周辺をチェック。エンジンオイルの滲みや汚れ(オイル漏れの兆候)などにも注意。できれば、冷却水やブレーキの液量なども点検したい。
周囲と比べて新しく見える、交換している部品があれば、消耗品か、故障など不具合か、それとも事故などでダメージを受けたのか、整備記録も探ってみよう。
4.内側の鉄板を調べる
左右フェンダー側や室内側にあるパネルやフレーム、前部のメンバー(補強部材)など、エンジンルーム内の鉄板を調べよう。ダメージを負うと走行に支障が生じる重要な部分だ。修理していれば修復歴車と明示しているはずだが、念のために、歪みや修理/交換の形跡などがないか確認。特に、溶接やシーラー、塗装などの状態を慎重にチェックしよう。
5.取り付け状態を確認
フロントフェンダーは、取り付け部をチェック。エンジンルーム側の固定ネジは、カバーがあるので見えないが、カバーの脱着や交換に注意。フロントドア側のピラー(柱)部にあるネジおよびピラーの状態もチェック。
フロントフェンダーは重要な車体補強部材とはなっていないので、傷や凹みを補修しても修復歴にはならないが、外して修理、あるいは交換していれば、車体内側の骨格部にダメージが及んでいないか確かめる必要がある。
6.前部の必須チェックポイント
6.前部の必須チェックポイント
エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターサポートをチェックしよう。車体前部に大きな衝撃を受けると、影響が及びやすく、修理/交換する確率が高い。上部にカバーを設置しているので細部までは見えないが、左右フレーム側に伸びている部分と接続部付近を慎重にチェック。ラジエター本体やフロントグリル、ヘッドライト、バンパー、フェンダーなど、関連部の状態にも注意しよう。
7.ボンネットのチェック
7.ボンネットのチェック
外面だけでなく、裏面側に修理跡などがないかも確認。外と内のパネルを貼り合わせている接合部(特にシーラー)の状態に注意。
ヒンジ部のネジを脱着していないかもチェック。ボンネットを交換していれば、ボンネット単独の修理も考えられるが、車体部を修理/交換していないかも調べる必要がある。
ヒンジおよび衝撃吸収構造になっているヒンジ取り付け部の状態もチェックしよう。
8.角度を変えると見える
8.角度を変えると見える
車体まわりは、見る角度を変えながらチェックしよう。プレスラインのずれや崩れ、微妙な立て付けの狂いなども確認できる。表面を斜めから透かして見ると、浅くて広い凹みや波打ち(しわ)なども見落とすことがない。
しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡。塗装面の艶が周囲と違っていたり、ザラザラと肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある。
9.隙間の幅と色調を比べる
9.隙間の幅と色調を比べる
立て付けを見る時は、例えば車体前部側面では、バンパー、ヘッドライト、ボンネット、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを負ってずれているか、あるいは修理/交換している可能性がある。
隙間を境に、隣り合う外板パネルの色調も比べてみよう。修理や交換で塗装していると、色艶が微妙に違って見えることがある。
10.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ部(タイヤを囲っている部分)を傷付けることも多い。傷があれば、凹みを伴っていないか、フェンダーに歪みが生じていないか確認。鉄板を内側に折り込んでいる部分に修理跡などがないかもチェック。フロントは、内側に設置しているフェンダーライナー(泥よけ)の取り付け状態にも注意しよう。
11.側面のチェックポイント
ドアに大きな損傷を負うと、外して修理、あるいは交換してしまうことも多い。ドアヒンジ部のネジをチェックしよう。ただし、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを修理/交換しているとは断定できない。ドア自体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(ドア下にある梁)など、周辺も調べて判断する必要がある。
12.下側に注意ポイント
12.下側に注意ポイント
車体側面は、サイドシル(車体前後方向に通っている梁)に損傷や腐食、修理跡などがないかチェック。床下側も必ず覗いて確認すること。ドアを開けて、ステップ部の状態もチェック。
サイドガーニッシュ(ロアスカートとかサイドスポイラーとも呼ぶ付加部品)などを装着している場合は、部品に損傷や破損などがないか調べると同時に、取り付け状態を慎重にチェックしよう。
13.リアフェンダーのチェック
リアドアの開口部を調べよう。乗り降りなどで傷付けることも多く、引っ掻き傷や打ち傷などを見つけることもある。簡易補修や修理跡などがないかも確認。
開口部にマスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している。周辺を詳しく調べよう。
車体左側は、フューエルリッドを開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないかチェック。リッドを交換していないかも注意。
14.テールゲートのチェック
14.テールゲートのチェック
解錠/施錠の具合をまずチェック。開閉して、テールゲートの動きをチェック。全開状態でしっかり止まっていることも確認。
閉まり具合がよくない(閉める時にカチッと収まらない)場合は、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。ずれているだけなら調整するなどで直ることもあるが、車体が歪んでいる車両を選んではいけない。
15.開口部を慎重にチェック
開口部の左右を見ると、鉄板の接合部がある。溶接やシーラー、塗装の状態に注意して、修理/交換の形跡などがないかチェックしよう。疑わしい部分があれば、車体の左右同じ場所を比べてみるのもいいだろう。
開口部の下半分は、鉄板部が見えないので確認できないが、コンビネーションランプやバンパーの取り付け状態に注意しよう。
後方から強い衝撃を受けると、キャビン(室内)やルーフにまで波及することもある。修理/交換の形跡があれば、後部周辺だけでなく、ダメージが及んだ範囲を広く探る必要がある。
16.取り付け部もチェック
16.取り付け部もチェック
テールゲートの裏面側に修理跡などがないか。交換の形跡がないかチェック。ヒンジおよびヒンジ取り付け部周辺に歪みや修整/修理の形跡がないかも調べよう。
17.床下を覗いて確認
17.床下を覗いて確認
フレームやメンバー(補強部材)など、鉄板部に損傷や歪み、修理跡などがないかチェック。前後バンパー裏側の奥も覗いてみよう。マフラーやサスペンションなど部品類、ブラケット(ステー)など支え金具類に損傷や曲がり、歪み、交換の形跡などがないかもチェック。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れの兆候)やゴム部品の劣化(ひび割れ)などにも注意。錆が発生していれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食状態に注意しよう。
18.タイヤとホイールのチェック
18.タイヤとホイールのチェック
タイヤは、ウェアインジケーター(使用摩耗限界)を目安に、残り溝の深さを点検。傷、異物の刺さりや噛み込み、ひび割れなどがないかもチェック。摩耗状態も調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているか、あるいは車体が歪んでいるのか、異常摩耗の原因を確かめる必要がある。
ホイールは、ホイールキャップに傷や破損などがないか調べるが、ホイールのリム部(タイヤと接している縁の部分)に曲がりなどがないか必ず確認。アルミホイールの場合は、変形などにも注意したい。
19.不具合の兆候を探る
19.不具合の兆候を探る
エンジンをかけて、始動具合やアイドリング回転などをチェック。始動時には、各種表示/警告灯の点灯などにも注意。スマートキーシステムを装備している場合は、キーとエンジンスイッチの操作具合を確認。
容易にエンジンがかからなければ、バッテリーが弱っている場合もあるが、他の要因も調べる必要がある。不安定なアイドリング回転、異音、大きな振動などは、なんらかのトラブルを抱えていると考えられる。
電子制御系の異常などを判断するのは難しいので、販売店で点検、確認してもらおう。
20.装備機器類の機能を確認
20.装備機器類の機能を確認
ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど、保安機器類が正常に作動することをまず確認。電装機器や電動機構などは、スイッチを入れるだけでなく、操作して機能を確かめよう。パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯など、細部のチェックも忘れないこと。キーレスエントリーやスマートキーでの各部操作具合も確認。
全タイプともオーディオレスが標準だが、ほとんどの車両が、新車購入時にカーナビを付けている。オプションなど追加装備の有無は、事前にチェックしておこう。
21.トランスミッションのチェック
21.トランスミッションのチェック
エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、各ポジションに切り替えて、引っかかりなどがないか、セレクトレバーの操作具合をチェック。
できれば試走して、オートマチックの動作も確かめたい。CVTは、変速ショックを感じたら不具合が起きている。ATは、大きな変速ショックや滑っている感じなどが不具合の兆候だ。
マニュアルモード付ATの場合も、マニュアルシフト操作具合と同時に、マニュアルモードの動作を、走行時にチェックしたい。
22.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材などに汚れや傷、染み、穴などがないか。運転席周辺だけでなく、2列目や3列目シート、ラゲッジスペースまで、念入りにチェック。床や天井の状態も確認。各部に設置しているボックスやポケットは、内部もチェック。ボックス類の蓋やエアコンの吹き出し口など、可動部の破損にも注意。細部まで慎重にチェックしよう。
■車両の情報をチェック
備え付けの書類は、「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で保証内容や期限を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションなど追加装備の使用説明書が揃っていることも確かめよう。
「定期点検整備記録簿」は、必ず記載内容を調べよう。車両がどのように使われ、どのように扱われてきたかがわかる。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合は、周辺の状態を慎重にチェック。エンジンルームやスペアタイヤ収納部などは、新車時から外装とは塗色が異なってることがある。●ドアの開口部など、外から見えない部分にマスキング(塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)した跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、何らかの理由で塗装している。●部品などに塗料が付着している場合も、周辺を詳しく調べる必要がある。●車種によっては、スペアタイヤ収納部などに、塗装の飛沫が付着しているように見える、新車時から仕上げが荒くなっている部分もある。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくい。傷や錆に注意して、関連する近隣のネジや、車体左右の同じ部品のネジと見比べる。
溶接とシーラー
●修理/交換で溶接している(熱を加えた)部分は、錆が発生しやすくなっている。特に床下は、溶接部の塗装の剥がれや浮きに注意する。●鉄板の接合部分に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で再溶接すると塗り直すので、不自然に見える。●爪で押して、表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を比べてみる。●スポット溶接(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)は、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理/交換すると、組み付ける際に誤差が出ることがある。隣接するパネルの隙間(チリと呼ぶ)の幅が均等になっていなければ、修理/交換している可能性がある。●バンパーなどは、ぶつけたり、押されてずれることもある。たとえ修理/交換していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●プレスライン(外板パネルが折れ曲がっている角の線)や、モール類(ドアなどに付いている飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。
■今回の車両のプロフィール
●2008年10月にフルモデルチェンジした4代目。バンパー中央部にメッキをあしらったフロントグリルのV字ラインと、サイドのラインが後部で段がついてリアフェンダーが膨らんでいるように見えるのが特徴。従来よりもパワーアップした2.4Lエンジンに、トルクコンバーター付CVTトランスミッションを採用し、低燃費を達成。フロントピラーが細くなり、広い視界を確保。3列目乗員の快適性や乗降性を向上し、ラゲッジスペースの見直しなどで使い勝手も高めている。
●仕様グレードは、スタンダードタイプの「M」が、キーレスエントリーシステム、フロントオートエアコン+リアマニュアルクーラー、16インチスチールホイールを装備。「L」は、スマートキーシステム、クルーズコントロール、フルオートエアコン、運転席8ウェイパワーシート、本革巻きステアリングホイール、16インチアルミホイールなどを装備。「Li」は、Lの装備に、1列目シートサイドエアバッグ+1-3列目カーテンエアバッグ、クルーズコントロール+車線維持支援システム+マルチインフォメーションディスプレイ、追突軽減ブレーキ+運転席/助手席プリテンショナーなどが加わる。スポーティタイプの「アブソルート」は、ハイパワー(プレミアムガソリン仕様)エンジン+5速マニュアルモード付4速ATを搭載。前後エアロバンパー、サイドシルガーニッシュ、チューニングサスペンション、マフラーエンド、18インチアルミホイールなど、専用パーツを装着。クルーズコントロール、キーレスエントリーシステム、本革巻きステアリングホイール&ATセレクトレバー、メタル調パネル、1列目スポーツシート、ステンレスペダルパッド&フットレストなどを装備している。
なお、参考車両は、純正アクセサリーのエアロバンパーとウエルカムライト付ロアスカートを装着し、メーカーオプションのHDDナビ/リアカメラ/ETCやディーラーオプションのドアバイザーなどを追加装備している。
●その後2009年9月に一部改良し、Mに16インチアルミホイールとコンフォートビューパッケージを標準装備。新タイプ「Mファインスピリット」を設定。MとMファインスピリットに「エアロパッケージ」を設定。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
M | DBA-RB3 | CVT | FF |
DBA-RB4 | 5AT | 4WD | |
L | DBA-RB3 | CVT | FF |
DBA-RB4 | 5AT | 4WD | |
Li | DBA-RB3 | CVT | FF |
DBA-RB4 | 5AT | 4WD | |
アブソルート | DBA-RB3 | 5AT-5M | FF |
DBA-RB4 | 5AT-5M | 4WD |