中古車目利き講座 三菱 アイ

上質車両を見極める 中古車目利き講座
アイ
参考車両 : M
初年度登録2006年5月
MITSUBISHI
I 
CBA-HA1W
三菱 アイ
個性的な外観で価格が高めということがポイント。クルマ好きやこだわりを持つ人が乗っていた車両は、意外に手入れがよく、良質なことがある。しっかり点検整備しているかどうかが車両の程度を判断する決め手になるだろう。外観の細かい傷などをチェックするのも大切だが、エンジンやトランスミッションなどにトラブルを抱えていないかも確かめよう。特にターボエンジンは、オイル交換を頻繁にしているほうが好ましい。整備記録を調べてみよう。室内の汚れや傷なども、車両の扱い方を探る参考になる。
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●参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード 型式 シフト 駆動
S CBA-HA1W 4AT RR
  CBA-HA1W 4AT 4WD
M CBA-HA1W 4AT RR
  CBA-HA1W 4AT 4WD
G CBA-HA1W 4AT RR
  CBA-HA1W 4AT 4WD
特別仕様車      
M プレイエディション CBA-HA1W 4AT RR
  CBA-HA1W 4AT 4WD
リミテッド CBA-HA1W 4AT RR
  CBA-HA1W 4AT 4WD
RR:リアミッドシップ後輪駆動
●2006年1月に新発売された個性的なデザインの軽自動車。エンジンは660(659cc)ターボで、トランスミッションは4速AT。駆動方式には2WD(後輪駆動)と4WD(4輪駆動)がある。
 グレードは、ベーシック「S」、ミドル「M」、上級「G」の3タイプ。Mは、Sではオプション設定の運転席シートハイトアジャスター、バニティミラー、オーディオなどを標準装備。Gは、ディスチャーヘッドランプやリアワイパー、アルミホイール、本革巻きステアリングなどを備えている。
 特別仕様車「プレイエディション」は2006年5月発売で、Mをベースにオーディオ一体HDDナビとiPodナノ専用スロットを装備。
 2006年7月には、Sをベースに専用オーディオを付けた特別仕様車「リミテッド」を発売。この時期に、限定1台でハローキティ特別仕様車「PrincessKitty i (プリンセスキティ アイ)」も販売されている。
 その後、2006年10月に小変更。自然吸気エンジンも追加されたが、車体下部のカラー化がターボ車(車体下部が黒い)との識別点だ。
車両の雰囲気を観察する
 少し離れた位置から車両全体の様子を観察して、外観各部に異常はないか、確認しよう。
 バンパーやヘッドライトなどが並んでいる、それぞれの部品の立て付けをチェック。左右対称になっていることもポイントだ。
 左右のヘッドライトを見比べて、片方だけ新しく感じたら(交換の疑い)、その側の車体部を修理ている可能性もある。
 また、車体前面は、バンパーやボンネット先端部、フロントグリル周辺などの飛び石などによる小さな傷にも注意。フロントガラスにも飛び石を受けた傷がないか、チェックしよう。
アイ
アイ 斜め方向からも見る
 車体の表面は、見る角度を変えながらチェックしよう。
 斜め方向から透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹みや小さな凹み、あるいは波打ち(しわ)なども確認できる。
 しわが寄っているのは、衝撃を受けているか、板金修理跡だ。
 また、塗装の艶が周囲と違っていたり、変色、色むら、荒れ(ざらざらしている)など、部分的に異常や違和感がある箇所も、補修や修理跡の可能性がある。
整備状態を確かめる
 アイのボンネットを開けると、エンジン本体はなく、補機類だけが設置されている。
 定期点検整備記録簿ともつき合わせて、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキ、パワーステアリング、ウォシャー液量などを点検したい。
 周囲と比べて新しく見える部品は、交換している疑いがある。記録簿を調べて、部品交換の状況、トラブルが発生した箇所や修理の経緯などを確かめよう。
アイ
鉄板部分を見逃さない
 多数の機器が入っているので見えにくいが、隙間から鉄板部の状態を探ってみよう。修理の痕跡がないかをチェック。
 部品やネジなどに塗装の飛沫が付着している場合は、周辺に修理跡がないか、探ってみる。
 大きな衝撃を受けると修理/交換することが多いラジエターコアサポート(バンパーの後ろにある)も必ずチェック。外観がきれいでも、ここを見れば車体前部のダメージを推察できる。
アイ 取り付け状態も見てみる
 前部のバンパーやフェンダーにダメージを受けるとヘッドライトにも影響が及ぶことがある。
 ボンネットを開けて中をチェックする時にはヘッドライトの裏側も確かめよう。取り付け状態がチェックポイントだ。
 また、前面のクリアカバー(ライトとウインカーが一体)に傷や曇りがないかも確かめよう。
ボンネットのチェック
 ボンネットは表と裏の2枚のパネルを張り合わせている。裏側に修理跡がないか、調べよう。
 ダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくないので、ヒンジ部のネジを脱着している様子がないかもチェック。
 交換や修理の形跡があれば、ボンネット単独か、他にも修理してないか、周辺も探る必要がある。
アイ
アイ バンパーの裏を調べる
 フロントフェンダーとタイヤの隙間からバンパーの内側を見ると、フレーム部にバンパーを固定しているのが見える。フレームの先端は大きな衝撃を受けるとつぶれる構造になっているので、フレームの先端周辺に修理跡などがないか、確かめよう。
 バンパー自体の修理/交換よりも重要なチェックポイントだ。
 また、フレームなどの鉄板部分に錆が発生している場合は、修理している可能性(溶接で熱を加えると錆びやすくなる)もある。
隙間の幅と色調を見る
 車体前部側面では、バンパー、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス左右にある柱)などが隣接している。それぞれの隙間が均等になっていなければ、押されてずれていることもあるが、交換修理して組み付ける際にずれが出た可能性もある。
 また、隙間を境に隣り合うパネルの色調も比べてみよう。色合いが違っていれば、補修をはじめ、修理や交換などが考えられる。塗装した理由を確かめよう。
アイ
アイ アイ 周辺の様子も確かめる
 ドアに大きな損傷を受けると、外して修理することもあり、交換してしまうことも多い。
 ドアヒンジ部を見て、固定ネジを脱着した形跡がないかをチェック。
 ただし、新車の組み立て時や立て付け調整でネジを回すことがあるので、ネジ脱着だけでは断定できない。ドア自体に修理跡はないか。ドアの近辺に修理跡がないか。周辺も探る必要がある。
減り具合と減り方を見る
 タイヤは、摩耗状態(残り溝の深さ)をまずチェック。傷や異物の刺さりなどがないかを確かめるのも、日常点検項目だ。
 さらに、減り方も調べよう。外周の接地面が部分的に減っている片減り(偏摩耗)を見つけたら、アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。
 アライメントの不良だけなら調整で直すこともできるが、車体前部のインナーパネルにダメージを受けたことによって偏摩耗が生じることもある。
アイ
アイ アイ リアフェンダーのチェック
 リアドアを開けて、開口部の様子を見てみよう。
 リアフェンダーを補修や修理しているとマスキング跡が残っていることがある。
 また、フューエルリッド(給油口の蓋)を開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないか、確かめよう。
 また、フューエルリッド外面の色調がフェンダー部と異なっていることから、リアフェンダーの修理が判明することもある。
テールゲートを観察する
 車体後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ(テールライト)などのバランスを観察しよう。
 テールゲートの立て付けを見て、全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。
 左右の片側だけの隙間に異常があれば、その側の車体部を修理している可能性が高い。
 また、テールゲートを開閉して、スムーズに閉まらない場合も、テールゲートのずれか、あるいは車体の歪みも考えられる。
アイ アイ
アイ アイ 鉄板の接合部を調べる
 テールゲートを開けたら、ヒンジ部のネジをチェック。後部に大きなダメージを受けるとテールゲートを交換することもある。
 開口部も調べよう。左右に鉄板が横から回り込んで接合されているのが見える。シーラーや塗装状態などから、修理している形跡がないか、探ってみよう。特に、スポット溶接に手を加えた跡や違和感がないかに注意しよう。
 後方から強い衝撃を受けると室内部との接合部やルーフパネルの前部にまで波及することもある。修理箇所を見つけたら、関連部分も確認する必要がある。
床下を覗いてチェック
 ドアの下にあるサイドシル(車体の前後方向に通っている梁の部分)の下端を覗くと、鉄板を接合しているのが見える。傷や凹みなどがないか、修理跡などがないか、調べよう。
 さらに奥を見るとフレームが見える。下部を樹脂カバーで覆っているが、鉄板部分に損傷を受けていたり、修理の形跡などがないか、確かめよう。
 判断が微妙な状態なら、車体の反対側と比べてみるといい。
アイ アイ
アイ 部品の様子も探る
 マフラーなどの部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。
 損傷を受けていても、走行に影響がない見えない部分は修理や交換をしないことがあるので、意外なところにダメージを受けているのを見つけることがある。
 オイルやグリスなどの油脂類のにじみや漏れなどにも注意。
 錆が発生している場合は、表面に浮いている程度なら問題ないが、進行状態を見極めたい。
装備機器を操作してみる
 保安機器類(ヘッドライト、ウインカー、ホーン、ワイパー、テールランプ/ブレーキ/バックなど)の作動をまず確認。
 さらに、エアコンは、季節に関係なく暖房・冷房ともにチェック。オーディオは、ラジオやCDなどの切り替えと同時に、スピーカーの音も確かめる。
 調整機構を備えている電装機器や電動装置などは、スイッチを入れるだけでなく、操作して、正常に機能していることを確かめることが大切だ。
 パワーウインドウの開閉や室内ランプの点灯などを見落とすことが多いので、忘れずに。
アイ
アイ 不調や不具合を掴む
 エンジンをかけてみよう。容易に始動しない、異音が聞こえる、大きな振動が出ているなど、さまざまなトラブルの兆候を探るのだ。
 実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
 アイのエンジンはラゲッジルームの下にあるので、室内に音がこもりがちだ。多少うるさくても、異音でなければ問題ない。
オートマチックをチェック
 エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、セレクトレバーをPからDへ、NからRへなど、各ポジションに操作して、引っかかりやゆるみなどはないか、チェック。
 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか。アクセルを踏んだ時に滑っているような感じはないか。異音は聞こえないか。走行中の状態も確かめたい。
アイ
アイ 隅まで念入りにチェック
 室内は、運転席周辺だけでなく、後席やラゲッジスペース、天井などまでしっかりチェックしよう。
 日常の足になっているいることが多い軽自動車は、使い方を推察することもポイントだ。
 例えば、臭い。子供が乗っていれば、床などにこびりついた食べ物。あるいは犬を乗せていたり、ヘビースモーカーが乗っていたなど、さまざまな発生源が考えられる。ドアを開けた瞬間に嗅ぎ取るのが、プロ技だ。
車両の情報も確かめる
 書類は、車検証と保険証書の他にも、車両取扱説明書や装備品の説明書などが揃っていることを確かめよう。
 車体のチェックには定期点検整備記録簿が欠かせない。記載された整備記録を必ず調べよう。定期点検や消耗部品交換などの実施時期を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
アイ
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
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 中古車の目利きチェックポイントをアドバイスしてくれるのは、財団法人「日本自動車査定協会」。経済産業省と国土交通省の指導の下で中立公正な第三者機関として、査定士の技能検定試験や、実車を使った修復歴判定の査定トレーニングなどを行っている。車両の状態を判断するプロフェッショナルだ。全国の52カ所にある支所に依頼すれば、査定目的に応じた査定額を算定して、証明書を発行(有料)してくれる。
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