子育てファミリーにとって、リヤにスライドドアを持つミニバンは、ジャストな乗り物と言っていい。でも、2Lクラスとなると、取りまわし性、価格、維持費の面で「手が届きづらい」と感じるひとが多いのも事実。シエンタがターゲットとするのは、そうした「便利」と「身近」のバランスを最重視するユーザーだ。
2代目は全長を115mm拡大するなど、少し大きくなって登場したが、日常の取りまわしのよさはきちんとキープ。その上で、3列目も使える居住スペースを実現、シートアレンジも、インテリアの質感も大きくグレードアップさせたのだから、魅力はグーンと高まったのは間違いない。
また、ユニークなデザインやカラフルなボディ色も、2代目のウリの要素だ。はじめは馴染めない人もいるだろうが、フランス車的なおしゃれさが漂う。家族みんなの気持ちを高揚させるポップさは、トヨタデザインの新たな切り口と言える。
走りの性能については、カドのない快適な乗り心地と、先代から大幅に改善された静粛性が光るところ。宿敵のフリードと比べても快適レベルは上だ。そして、モード燃費値でも大きくリードする。心臓は2種を用意するが、快活な走りが好みなら109馬力/13.9kg mの1.5Lガソリン(FF車)がマッチする。
で、市街地燃費および静粛性を重視するひとには、新登場のハイブリッドが向く。1.5Lガソリンには4駆も設定されるが、エンジンおよびCVTはやや旧式なタイプ。とくに4WDを必要としないのなら、FF車を選ぶのが賢いチョイスと言える。
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